人によって食べものの好き嫌いは様々ですよね。そこで気になってくるのは“パートナーや子どもの嫌いな食べものを食卓に出すべきか?”という問題。世の中の人はこの問題に対して、どのような意見を持っているのでしょうか?
苦手克服のサポートをしたのに拒絶…
話の発端は、ピーマン好きの妻とピーマン嫌いな夫との間で発生した言い争いでした。ある日、妻は夫にピーマンのおいしさをわかってもらうため渾身の一品を調理。苦手な理由である苦味もしっかり取り除いて料理を出したところ、夫はメニューを見た途端に「食べたくない」と拒絶しました。
「苦手な苦味はほとんど感じないよ」とフォローしても、聞く耳を持たない夫。せっかく作った料理を食べないことに苛立った妻は周りに意見を聞くため、ネット上に「家族が苦手な食材は使わない方がいいのでしょうか」と質問しています。
彼女のボヤきを見た人からは、「気持ちはすごいわかるけど、喧嘩を避けるためにも嫌いな食材は使用しないのが無難」「嫌々食べられても作った側がモヤモヤするだけ」などの声が。余計なトラブルを避けたい人は、普段から家族の苦手な食材を使用していないようですね。
“気にせず出す派”の意見は?
“嫌いな食材を使わない派”の他には“気にせず出す派”からの意見も。たとえば「苦手な食材が少し入っている程度なら出してるかな。いちいちその人の分だけ食材を抜くのもめんどうだし」「栄養価の高い野菜であれば我慢して食べてもらう」といった主張が多数見られました。
なかには、パートナーの苦手な料理を克服させた人も。相談者と同じく調理の際に食材の苦味や酸味などを和らげる工夫を実践していたところ、問題なく食べられるように。1度で諦めるのではなく、何度もトライすることが大切なのかもしれません。
それでは対象者が息子や娘の場合、どのような対応をしているのか気になるところ。声を見ていくと、「好き嫌いの多い大人になってほしくないので、苦手な食材であっても普通に使ってる」「完食はしなくていいから、少しだけでも食べてもらう」という意見が目立ちます。
好き嫌いを克服することは大事ですが、無理やり食べさせるのは逆効果になる場合もあるので注意しましょう。
食生活で重視するポイントは「家族の好み」
“嫌いな食材を使う?”問題に対する意見をピックアップしましたが、やはり家庭によって「苦手でも使う」「なるべく使わない」とこだわりは様々。多くの人は食事の支度をする時にどのようなことを重視しているのでしょうか?
農林中央金庫は、以前“食に関するアンケート調査(第4回)”を実施。回答者に“毎日の食生活で特に重視していること”をたずねると、「家族の好み(73.3%)」がトップに。次いで「おいしさ(68.5%)」「栄養(64.8%)」がランクイン。回答したほとんどの人は家族を喜ばせることや健康面を重要視しているようです。
ちなみに「家族の好み」の割合は今回と前回(63.8%)の結果を比べた場合、最新の方が10ポイント近くもアップ。一方で「栄養」は約10ポイントほど減少しています。苦手な食材を使うのではなく、“家族が好きなもの”を中心に出す家庭が多いのかもしれません。
ちょっとしたきっかけでトラブルに発展しかねない“食べものの好き嫌い”問題。あなたはどのような対処がベストだと思いますか?
文/内田裕子
参照/農林中央金庫「食生活の実態と“食”への意識」https://www.nochubank.or.jp/efforts/pdf/research_2021_02.pdf