少子化や一人っ子の増加がニュースになることも多いこの頃ですが、周りを見ると、「意外に3人きょうだいって多い」と感じることはありませんか?

 

また、すでに3人お子さんがいる人の中にも、「もう1人ほしい」と4人きょうだいを検討する人はかなりいるようです。

 

今回は、子供が4人いる人・4人ほしいと考えている人の理由や、子だくさんのメリット・デメリットなどについて考えてみました。

子供が4人ほしい!その理由は…

2018年に行われた「国民生活基礎調査の概況」によると、子供がいる世帯のうち「3人以上」は14.2%と割合は少なかったものの、実は前年からじわじわとプラスに転じています。

 

また、結婚紹介サービス会社が独身の男女約600名に「結婚したら子供は何人欲しいですか」と聞いたアンケートでは、全体の約3%が「4人以上」と回答。

 

とくに20代前半女性では5%と、20人に1人も4人以上の子だくさんファミリーを希望していることが分かります。

そこで、現在、結婚・出産を希望している男女や育児中のママ・パパで「4人以上子供がいたらいいな」と考えている人に、その理由を聞いてみたところ、以下のような答えが。

 

  • 自分が1人っ子だったので、ワイワイとした家庭に憧れている
  • 夫婦でスポーツが趣味なので、子供たちにも教えてチームで対戦したい
  • いま男の子(または女の子)3人きょうだいなので、異性の子供も育ててみたい
  • いま男の子2人・女の子1人なので、もう1人女の子がいればと思う
  • いま子供が3人いるが、赤ちゃんが可愛すぎてもう1人ほしい

 

ママ・パパたちがにぎやかな家族の姿を望んでいることが伝わってきますね。

 

またお子さんの性別によって「もう1人」と希望するようになった…という人も多いようです。

子だくさんのメリットとデメリット

「子だくさん」といえば、現代のイメージでは3~4人を超えると当てはまるのではないでしょうか。

 

子だくさんのメリットとデメリットを色々な方向から考えてみました。

メリットは「とにかく可愛い!幸せ!」

3人目、4人目の赤ちゃんを育てるママがよく言うこととして、

 

「とにかくかわいい」 「理屈抜きでかわいい」 「孫みたいにメロメロ」

 

…などがあります。

 

初めての出産育児ではママも慣れていないため、大げさに言えば「死なせたらどうしよう」くらいの緊張感を持って毎日の育児をすることも。

 

しかし3人目・4人目ともなれば育児に慣れ、少々のことで動じることなく、赤ちゃんのかわいさを心ゆくまで満喫できると言う人がたくさんいます。

 

また、次のようなメリットを挙げる人も。

 

「上の子たちが下の子たちと遊んでくれたり、ちょっとしたお世話をしてくれるので、思ったよりも手を取られず、効率的に家事が進められます」(Kさん・10歳・7歳・4歳・3歳のママ)

 

「毎日が変化に富んだ生活で退屈することがないし、子供たちの人数にあわせて行動範囲が広くなると、私の世界もどんどん広がっていきます」(Mさん・9歳・6歳・4歳・1歳のママ)

 

お子さんの年齢差や性格などにより、必ずしも上の子が下の子のお世話を引き受けてくれるとは限りませんが、「異年齢の子供との関わりを持てる」というメリットは確実にありそうですね。

最大のデメリットはやはり「教育費」

いっぽう、4人きょうだいのデメリットとしては次のような点を挙げる人が多くいました。

 

  • 1人1人に手をかけ、向き合って話を聞いてあげられない
  • 1人が病気にかかると次々感染し、病院通いが大変
  • 近所からうるさいと苦情がでることも
  • 交通機関やレジャー施設で、保護者1に子供3人までの制限があり、なかなかワンオペで4人を連れていけない

 

「住居に関しては不自由させてしまうかもしれません。今は長男と次男、長女と次女で部屋割りをしていますが、成長後、1人1部屋用意するのは難しそうです」というのはFさん(11歳・9歳・8歳・4歳のパパ)

 

部屋数の多い広い家は当然住宅ローンや家賃も高くなる上、4人きょうだいなら末子の誕生時でかなり両親の年齢が高く、ローンを組める年数が短くなってしまう可能性もあります。

 

また、車に関してもこんな声が。

 

「軽自動車は定員が4名なので、ワンボックスやワゴンの普通車に乗っていますが、重量税やタイヤ交換など何かと維持費が高め。かといって、4人の子供の送迎や病院通いを考えると、公共交通機関オンリーや毎回タクシー利用は現実的ではありません」(Jさん・5歳・3歳・1歳・現在妊娠中のママ)

 

しかし、子だくさんのママ・パパがもっとも心配しているのはやはり「教育費」の高さです。

 

「保育料無償化や児童手当などで子供が小さいうちはなんとかやっていけそうですが、義務教育が終わり、高校・大学が4人とも私立だったら家計が破綻しそうです。子供には悪いけど、高校は公立でランクを下げてもらうしかないのかな…と」

 

と話すAさん(7歳・5歳・2歳・0歳のママ)

 

また、大学では国公立に合格するには塾通いが必要となることが多く、塾代も4人分ではかなりの金額に上ります。

 

2人が3人4人と増えても、小さいうちは食費や光熱費が3倍・4倍になることは少なく、洋服もお下がりなどで困ることは少ないといいますが、教育費だけは、子供の希望する道に進ませてあげるには相当の費用を覚悟する必要があります。

 

日本の少子化を本気で解消するなら、この教育にかかるお金を減らす仕組みが不可欠だといえるのではないでしょうか。

人により、メリットにもデメリットにもなるもの

なお、以下は人によって「メリット」になるか「デメリット」になるかは異なるかもしれません。

 

  • ママ友の数が増える…情報交換やおしゃべりでストレス発散になる/トラブルや気を使って疲れてしまう
  • 1人ずつに目や手をかけられる時間が短い…過干渉を防ぎ、自立心のある子に育つ/淋しい思いをさせたり、病気やトラブルに気付くのが遅れる
  • 複数の子供の中でもまれて育つ…集団の中で生き抜く術が身につく/他のきょうだいと比較されたり、おもちゃや食べ物の取り合いでイヤな思いをする

 

親にとってのデメリット、子供にとってのデメリットは色々ありますが、事前に「こういうリスクもある」と心構えしておくことで、ダメージを最小限におさえることがきるのではないでしょうか。

おわりに

「子供は天からの授かりもの」とはいえ、子供が何人かというのは家族みんなの人生設計に大きくかかわること。

 

これから妊娠出産を考える人や、子育て中であと○人…と検討中の人は、できる限り情報収集やシミュレーションをしっかりと行い、夫婦ともに納得できるように話し合っていきたいですね。

文/高谷みえこ
参考/平成30年国民生活基礎調査の概況 https://www.city.niigata.lg.jp/kosodate/gakko/school_jyosei/ikentoyusyuu2.files/4tyousa.pdf
独身男女の「結婚希望年齢」と「子供」に関する意識調査|オーネット https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000120.000022091.html