赤ちゃんが母乳やミルク・離乳食と進んだあと、いきなり大人と同じメニューではなく、小学校入学頃までに段階をふんで、年齢にあった素材・味付けや調理法で作る「幼児食」を食べさせてあげる必要があります。

 

今回は、幼児食の特徴や時期・困りごとを解決するヒントを、先輩ママの体験談もまじえて紹介します。

離乳食っていつまで?幼児食との違い

離乳食は、生後半年頃からスタートし、「初期」「中期」「後期」「完了期」の4段階をへて、1歳半頃までに完了するのが目安とされています。

 

ただ、食への興味や歯の生え方などには個人差があるため、上記の開始時期や進め方・完了の時期はあくまでも目安です。

 

1日3回の食事と2回の間食がしっかり食べられていて、食べ物を自分で噛みつぶしたり飲み込んだりできるようになり、母乳やミルクがなくてもほぼ食事からエネルギーと栄養素をとれるようになれば、離乳食完了です。

 

幼児食は大きく分けて、3歳頃までの前期と6歳頃までの後期に分かれます。

 

といっても特定の時期にスパッと切り替えるのではなく、少しずつステップアップしていき、最終的にはほぼ家族と同じ食事を食べられるようになるイメージですね。

 

幼児食の特徴や、気をつけることはこんな点です。

 

  • 固さ/大きさ…奥歯が生え揃うのは3歳前後なので、固すぎる食材や、喉に詰まるほど大きな切り方は避ける
  • アレルギー…初めての食材は少量から、万が一アレルギー症状(アナフィラキシーショック)が現われた時に受診できる時間帯に試す
  • 味付け…塩分の多い味付けや食材は避け、ハム・ソーセージやかまぼこなどの加工食品は、最初のうちは湯通しして塩分や脂肪分を減らす

 

離乳食同様、味付けは大人より薄めに、アレルギーなどにも注意しながら、大人と共通のメニューを少しずつ増やしていきましょう。

幼児食の3大悩みと解決方法

離乳食から幼児食に進むと、食材や味付けの幅も広がり、子供の成長を感じられますよね。

 

その一方で、悩みもいろいろ出てくるようです。ママ・パパたちに幼児食の困りごとと対処方法を聞いてみました。

偏食・食べムラ

「離乳食のときは比較的なんでも食べていたのですが、2歳過ぎてから逆に嫌がる食材が増えてきて…」というHさん(2歳の女の子のママ)。

 

特に野菜の好き嫌いが多く、いつでも食べるのはキャベツとじゃがいもくらいで困っているといいます。

 

なかなか「これさえすれば野菜嫌いを克服できる」という唯一の方法はありませんが、以下の記事では心理学を応用して、子供が「食べてみようかな」と思えるテクニックを紹介していますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。

 

「パンや麺類は食べるのですが、ごはんをよく残します。それでも保育園ではなんとか食べているみたいですが、家では小さいお茶碗1膳食べきることがないくらい」

 

と嘆くMさん(3歳の男の子のママ)。

 

一時的またはずっと白米を好まない子は意外といるようで、次のような方法でなんとか食べさせているママも多いようです。

 

  • 混ぜご飯にする
  • おにぎりにする
  • 味噌汁をかける
  • 食器を変えてみる
  • ベランダや庭などで気分を変えて食べてみる

食が細い

「好き嫌いや偏食というわけではないのですが、食べる量が少なく、少なめに用意してもなかなか食べきれなかったり、食べるのにとても時間がかかるんです」(Aさん・4歳の女の子のママ)

 

と「食が細い」という悩みもあります。

 

食に関してはとても個人差が大きいため、個性と割り切れれば良いのですが、周囲の声やお子さんが小柄なことを気にして、なんとか食べてもらおうと、こんな対策をしているママも。

 

  • 大きめのお皿に小さく盛り付けて少なく見せる
  • 一緒に野菜を育てたり、料理をする
  • ジュースやお菓子を減らしてみる
  • 睡眠時間で食欲を司るホルモンの分泌が乱れる可能性があるため、夜は10時までに寝かせる

遊び食べ

離乳食が始まった頃は、新しい味や食べること自体が珍しく楽しかった赤ちゃんも、歩けるようになり食べることにも慣れてくると、おもちゃや遊びの方に関心が移って食事の途中で席を立ってしまうことも。

 

以下の記事でも、遊び食べの対策を紹介していますので参考にして下さいね。

 

「うちの子はスプーンや食器が上手く使えなくて、8割くらい食べたら遊んでてしまうことが多かったんです。保育園の食器と似たものに変えてみると、さすがに角度や大きさが食べやすいようで、最後まですくって食べきることが増えました」(Yさん・2歳の男の子のパパ)

 

という体験談もありました。

おわりに

3歳を過ぎると、辛いものや飲み込むと危ないサイズのもの以外は、ほとんど家族で同じメニューを楽しめるようになります。

 

しかし、幼児食の基本である薄味で素材そのもののおいしさを生かした調理法は、大人にとってもヘルシーでおすすめ。

 

幼児食を卒業しても、ぜひ家族で続けてほしい食生活だといえますね。

文/高谷みえこ