Webサービスやアプリの新規登録画面で、「Appleで続ける」というボタンを見たことはありませんか。最近増えているこのボタンのメリットや使い方について、iPhoneの達人・かじがや卓哉さんに聞きました。
本当のメールアドレスを知らせる必要がない
「Appleで続ける」ボタンは、Appleが2019年から提供している「Appleでサインイン」という機能を使うためのもの。その最大のメリットは、ユーザーのプライバシーを強力に保護してくれることです。
新たにユーザー登録をするとき、生年月日や居住地など、多くの情報を聞かれることがありますよね。でも「Appleでサインイン」を使って登録すると、Webサイトやアプリ側にわたる情報は名前とメールアドレスの2つだけ。
しかも本当のメールアドレスを知られたくない場合は、ランダムなメールアドレスが生成され登録することもできるんです。そのアドレスに届いたメールは、Appleが本当のアドレスに転送してくれるので、お知らせメールもちゃんと受け取れます。
こんな機能を用意するのは、Appleがユーザーのプライバシー保護に熱心だから。ユーザーがプライバシーを極力明かすことなく、Webサービスやアプリを利用できるよう考え出された仕組みです。
「Appleでサインイン」を使ってアカウントを作成した場合、次からはiPhoneのロック解除と同じ方法、つまりFace IDやTouch ID、パスコードの入力でそのサイトやアプリにログインできるようになります。
この機能に対応しているWebサービスやアプリの新規登録、あるいはログイン画面で「Appleで続ける」または「Sign in with Apple」といったボタンが表示されます。そのボタンをタップすると、サインイン画面が表示され、ここでApple IDに登録しているメールアドレスを使うか、ランダムなアドレスを使うかを選択します。信頼でき、長く使いそうなサービスなら前者を、そうでない場合は後者を選ぶと良いでしょう。
なお、この機能を使うにはApple IDで2ファクタ認証を有効にしておく必要があります。「設定」アプリで上部の名前部分をタップし、「パスワードとセキュリティ」を選択。「2ファクタ認証」をオンにすればOKです。
PROFILE かじがや卓哉
1982年生まれ。吉本興業所属のiPhone芸人。日本最初に上陸したiPhone 3Gから使いこなし、iPhone 6購入のためにApple 銀座に10日間並んだ過去を持つ。YouTubeチャンネル「かじがや電器店」は登録者数40万人以上。
Twitter: @kajigayatakuya
Instagram: @kajigaya
監修/かじがや卓哉 取材・構成/出雲井亨 撮影/坂脇卓也