打ち合わせをするチーム

経費精算やデータ入力といった事務作業は、やるべきことが決まっていて、いかに正確に、効率よく進めるかが大切です。

 

それなのに、「定型業務に限って、なぜかオリジナル性を追求したり、やり方がわからない、忘れてしまったと悩んで時間をかけてしまう人が多い」と、多くの企業で業務効率化の支援をしてきた岡田充弘さんは言います。

 

こうしたムダな迷いを減らすには、「たったひとつのエクセルファイルがあれば十分」と岡田さんは言います。いったいどういうことなのでしょうか。

マニュアルをエクセルで作るべき理由

定型業務の非効率化を防ぎ、誰がやっても生産性を高くするためには「マニュアル化」が欠かせません。私の会社では、PCやプリンタの初期設定はもちろん、電話の応対やメールの依頼文といった細かい業務まで極力マニュアル化しています。

 

マニュアルというと、パワーポイントやWordで作るイメージがあるかもしれませんが、1つのエクセルファイルのみで管理しています。これには大きく分けて2つの理由があります。

すべての業務マニュアルをひとつに集約できる

ひとつめの理由は、検索性を上げるためです。

 

マニュアルというと、「経費精算マニュアル」や「プリンタ接続マニュアル」など、業務1つに1つのマニュアルファイルを用意しがちです。しかし、それでは多数のファイルから必要な資料を探すのに手間がかかります。エクセルファイルの1枚のシートで管理すれば、そのムダが省けます。

 

エクセルでの業務マニュアル

 

こちらは、実際に私の会社で使用している業務マニュアルです。とりあえずわからないことがあれば、このエクセルのマニュアルを開いて検索します。

 

多くの中から、すぐに目的のマニュアルを見つけられられるように、業務内容ごとに分類列の高さは均一にそろえることで、視認性が高く、探すときのストレスにもなりません。作業内容は、セルにカーソルを合わせると詳細が読めるようになっています。

 

どこの画面で何をクリックするのかといった具体的な作業を詳細に、また関連のURLや取引先へメールを送る際の文章例も記載します。その業務を初めて行う社員や、たとえ新入社員が読んだとしてもある程度はわかるので、いちから教える手間も省けますし、ムダな質疑やトラブルも激減しました。

マニュアルを常に最新状態で管理できる

ふたつめの理由は、更新性を高めるためです。マニュアルというと、家電製品の取扱説明書のように画像をふんだんに盛り込み、詳細かつ何ページにもわたるものを作る方が多いようです。

 

しかし、きちんとしたものを作るのは手間がかかりますし、変更が生じた場合にその都度画像を入れ替えたりするのは面倒。ファイルの更新作業が追いつかず、使われなくなって放置されるはめに。せっかく作ったマニュアルでも、活用されなければ意味がありません。

 

エクセルのマニュアルならば、エクセルのセルにテキストを記載するだけなのでメモ感覚でまとめられ、変更があればすぐに更新できます。

 

また、基本的に画像は入れません。知りたい仕事の進め方がわかれば、テキストだけでも十分。大切なのは、見た目ではなくマニュアルの内容なのです。

 

取引先への提出物など必要があれば仕方ありませんが、社内・チーム内での共有のためや、自分用の備忘録であれば、そこまでのクオリティは必要ないはずです。

 

より付加価値の高いことに時間を使えるように、手間をかけずにすむような仕組みやルールを整えていきましょう。

監修/岡田充弘 取材・構成/大浦綾子