ペンを持つ女性

「あのファイルをどこに保存したかな」「ファイル名がバラバラでどれが最新かわからない」。パソコンの中での探し物トラブルは、誰しも一度は経験しているのではないでしょうか。そんな事態に陥らないためのフォルダ&ファイル整理術を紹介します。

フォルダ整理がはかどるMECEの法則って!?

必要なファイルをすぐに見つけるには、いかにフォルダをうまく整理するかがカギとなります。それには「MECE(ミーシー:Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)」が役立ちます。

 

MECEは、元々はコンサルティング業界などで論理構造を理解したり、課題を発見するために使われる、モレやダブりを防ぐためのグルーピングの技術。その手法はフォルダやファイルの整理にも応用できます。

 

ポイントは、どんな名前のフォルダを作ればモレやダブりが起きないか、迷わずファイル整理できるかを考えることです。それには「同一フォルダ内、同一切り口」のルールで整理していきましょう。

 

例えば、CHANTO WEB商事という会社の資料をフォルダで整理するとします。

 

はじめに「CHANTO WEB商事」というフォルダを作成し、そのなかに細分化するフォルダを作成します。「同一フォルダ内、同一切り口」が原則ですので、「営業」「経理」といった部署に関する切り口で分けています。同じ意味合いで重複しないフォルダ分けを設定してください。

 

MECEでのフォルダ整理術

 

同様に、その下の階層のフォルダもモレやダブリが起きないように切り口を決めてフォルダを作っていきます。

 

部署ごとに格納される資料の内容は異なると思いますので、フォルダが分かれた先での切り口は変わっても構いません。例えば、営業フォルダの下の階層は取引先ごとの切り口に、経理フォルダの下の階層では年別の切り口になっています。

 

また、各フォルダの並び順も大切。時系列や重要度などで並ぶように、フォルダ名の先頭に番号をつけると使いやすくなります。

 

仮に、「同一切り口」では整理できない資料が出た場合は、「Ref(参照)」などのフォルダを作成するなどで対処していきましょう。

 

フォルダ整理に慣れないうちは、切り口について迷うかもしれませんが、「同一フォルダ内、同一切り口」を意識すれば大きくズレることはありません。あなたの目的に合った切り口を工夫してみてください。

ファイル名に入れるべき5つの情報

古いファイルを残しておこうと、資料を別名保存したり、社内で共有するたびに誰かが上書きをしたり同じようなファイルがいくつもあって、どれが最新かわからない。

 

そんな状況だと、資料を探すのにムダな時間がかかるのはもちろん、誤って古いバージョンのファイルで作業をしてしまい事故になる可能性もあります。

 

仕事の効率化には、ファイル名の付け方にもルールが必要です。私がおすすめしているルールは、「項番号」「カテゴリ」「固有名詞」「日付情報」「バージョンNo.」の情報を含めることです。それぞれを「.」や「_」でつないでファイル名をつけます。

 

(項番号).(カテゴリ)_(固有名詞)_(日付情報)_(バージョンNo.

 

 

こうすることで、同じフォルダに格納したときも規則正しくファイルが整列し、新旧の違いやモレがすぐにわかります。

 

もしフォルダの中に同一カテゴリのファイルしかないのであれば、項番号を省き、日付情報をファイル名の先頭に付けても構いません(例/210703_請求書1_CHANTO商事様.xlsx)。

 

いずれにせよ、フォルダ整理と同様に、「同一フォルダ内、同一切り口」の原則にならい、ファイルをどういう順番で並べたいかを意識して命名してくことが大切です。

 

このように、フォルダ整理とファイル名の付け方にルールを作ることによって、誰でも直感的に、最短で必要なファイルにたどり着くことができます。自分はもちろん、多くの人が閲覧する社内の共有サーバ整理やファイルのやりとりにも大いに役立つはずです。ぜひ活用してみてください。

監修/岡田充弘 取材・構成/大浦綾子