「あの資料、どこいった?」「会社に資料を忘れてしまった…」。紙とデジタルの資料が混在していると、必要な資料をすぐに見つけられず、何かと混乱が起きがちです。「紙の資料はバッサリ捨てるべき」とアドバイスするのが、プロ仕事家として多くの企業や団体で企業支援や若手人材の育成に取り組む岡田充弘さん。
もう悩まない!紙資料を捨てる3つの心得
紙の資料をなくすには、すべてをデジタル化すればいいわけですが、かなりの時間と労力がかかりますし、本当に必要な情報を探すときの妨げにもなります。デジタル化の第一歩は、紙を思い切って捨てていくことから始めましょう。
ここで問題となるのが、「捨てる基準」をどうするか。明確な基準がないと、「いつか必要になるかも」と心配になり、デジタル化する量も手間も増えてしまいます。
捨てる基準は、次の3つの基準で考えてみましょう。
▶再利用性
その資料をもう一度使うか?使う可能性が低いならば廃棄。
▶︎再入手性
必要があれば再度入手できるか?入手可能ならば廃棄。
▶︎入手価値
そもそも保管する価値のある資料か? 価値が低いならば廃棄。
これらの基準に合わないものであれば、あれこれ悩まずに捨ててしまいましょう。そして残った資料だけをデジタル化していけば良いのです。
特に注意したいのが、再入手についてです。ネットや社内サーバから印刷した紙資料をあえてデジタル化すると、情報が重複してしまいます。こうした資料は使うたびに入手することを習慣化しましょう。
手元の紙資料をデジタル化できたら、次は溜め込まない習慣を身につけましょう。紙の資料を入手するたびに前述の捨てる基準で考えますが、大切なのは、速やかにデジタル化すること。ここで時間を空けてしまうと、あっという間にリバウンドしてしまいます。
資料をスキャンする際はスキャナーなどに搭載されている、紙の文字や数字を認識して文字データに変換してくれるOCR機能(光学文字認識機能)を設定しておけば、PC上で資料を探す際にもテキスト検索ができて便利です。出先などでスキャナがなければスマートフォンで撮影しておきましょう。自分宛にメールを送るか、Googleドライブのようなクラウドのストレージに同期させておけばスムーズです。
たまりがちな年賀状を廃棄する前に…やることは1つだけ
また、資料のほかに溜まりがちなのが、取引先からの年賀状や移転などの挨拶ハガキです。放っておくとあっという間に数年分が溜まり、机のスペースだけでなく、引き出しを開けた際につい見返してしまうなど、集中力や時間を奪う要因になります。
ハガキを受け取ったら、住所や連絡先が変更されていないかだけをチェックして、すぐに廃棄するように心がけましょう。
私の会社では、年賀状の当選番号やDMのクーポンなども見ないで捨てるようにしています。目先の小さな得に惑わされることなく、身の回りをシンプルに保つことで、自然と時間や余裕が生まれるようになるのです。
ペーパーレス化を進めて定着させていくには、小さな習慣や工夫を地道に積み重ねることが大切です。捨てることに最初は抵抗があると思いますが、次第に慣れてくるはずです。捨てる勇気をもって乗り越えていきましょう。
監修/岡田充弘 取材・構成/大浦綾子