主婦向け人材サービス『しゅふ
JOB
』が、働く主婦を対象に“子どもの就活への関わり方”について調査を実施。社会進出間近の子どもに対する、親の本音を見ていきましょう。
子どもの就活にはどれくらい関わる?
まず「もしあなたが就職活動中の新卒学生の親だった場合、どのようなスタンスでお子さんと接しますか」という質問では、
15.0%の人が「積極的にアドバイスしたい」、66.7%の人が「求められたらアドバイスしたい」と回答。合計8割以上の親が子どもへ「アドバイスしたい」と考えていることが判明しました。
つづいて、「オヤカクを行う採用企業に対して、あなたはどんな印象を持ちますか」とたずねたところ、「良い」と答えたのは全体の18.4%。45.5%の人が「悪い」、残りの36.1%は「良い悪いどちらとも言えない」と回答しており、あまり良いイメージを持たれていないことがうかがえます。
そもそも“オヤカク”とは、企業が内定者の親に対して入社の承諾がとれているか「確認」すること。「良い」派の親からは「誠実さを感じる」「隠れブラック企業は子どもには判断できない」「本人と違う視点から会社のようすを見られるのはいいこと」といった声が見られました。
いっぽうで「悪い」派の親からは、「成人した本人が決めていることに親の同意は必要ない」「社会人になるのに親が関わるのは過保護すぎる」「それだけ内定者の辞退が多く、魅力のない企業なんだと思ってしまう」との声が。成人後の進路まで親が口出しするのは良くない、と考えている親が多いようです。
“オヤカク”ってどんなことをするの?
少し前までは耳にすることがなかった“オヤカク”ですが、一体なぜそのような事態が広まるようになったのでしょうか。原因のひとつとして考えられるのは、少子化が進み親による子どもへの干渉が強まったこと。また、“売り手市場”によって就職先の選択肢が広まったことや、“ブラック企業”の認識が高まったことなども背景として考えられます。
実際に「親の反対で内定を辞退する」というケースも増えており、内定者の確保に悩まされている企業も多いようです。企業はそういった事態を防ぐために、会社案内パンフレットの送付や、電話挨拶、採用ホームページ内に親向けのページを作成するなどの“オヤカク”を開始。しっかりと“オヤカク”を行っておくことで、「入社後のトラブルが発生しにくくなる」といったメリットも挙げられました。
就活中の学生からは「親としっかり相談することで安心できる」といった声が上がっている一方で、「自立の妨げになる」などの反対意見も。子どもと親と企業、それぞれが納得して就活できる環境が整っていくといいですね。
文/内田裕子