初対面でも、相手が既婚女性と知ると「お子さんは何人?」と聞いてくる人、特に中高年の女性に戸惑ったことはありませんか?

 

おそらく「結婚していれば子供がいて当然」という考えの持ち主だったり、その人自身にも子供がいて仲間意識を持っていたりするため、遠慮なく聞いてくるのだと思われます。

 

しかし、子供の有無や人数は本来かなりプライベートな事柄。

 

本当は答えたくないのに、うまくかわせず嫌な思いをした…というママの声をときどき耳にします。

 

そこで今回は、子供の有無や人数を聞かれてモヤモヤした時のおすすめの返し方を、読者の体験談も参考に考えてみたいと思います。

失礼?気にならない?突然の「子供は何人」

今回は、インターネット上のアンケートで「初対面の相手から子供の人数を聞かれたことがある」と答えた人に、どんな状況だったのかを聞いてみました。

 

また「特に失礼と思わなかった」「これはやめてほしいと思った」それぞれのシチュエーションや理由も紹介します。

「この程度ならOK」はどのライン?

「お子さんはいる?」または「何人?」と聞かれて「特に抵抗はなかった」と感じた状況はどんなものだったのでしょうか。

 

「スポーツや音楽のレッスン仲間など、継続的に顔を合わせる相手なら、子供の有無や人数を聞くくらいはありだと思います。私も以前に聞かれて、娘が2人いると話したら、後日、旅行のお土産でかわいいマスコットを2つもらって嬉しかったです」(Kさん・5歳児と2歳児のママ)

 

「仕事で関わる相手から子供のことを聞かれた時は、何かのときに急な発熱などで迷惑をかける可能性もあるし、教えておく方がいいと思っています。私も逆にお子さんのいる人が困った時はフォローしたいので」(Eさん・3歳児のママ)

 

「日頃関わりのある相手から、単純に子供の有無を聞かれるだけなら気にならない」という人や、「なにか役に立ちたいと思って子供のことを聞かれるのはむしろありがたい」という意見が目立ちました。

「これはNG!」と感じたのはこんなとき

一方、多くの人が「失礼」「なぜ答えなければいけないのか」と感じたのはこんな聞き方でした。

 

「公園でたまたま通った高齢の女性が、私が息子と遊んでいるのをみて、この子は何番目の子?と聞いてきたんです。うちはこの子1人ですと言ったら、1人はダメよ、かわいそうと言われて、なんで赤の他人からそんなことを言われるの?とイヤな気持ちに」(Yさん・3歳児のママ)

 

「支援センターなら子育ての情報交換のために来ている人も多いから、初対面で子供の人数を聞くのもありかもしれないけど、それ以外で初対面で聞くのはちょっと…何の必要があるのかと思います」(Nさん・0歳児のママ)

 

「マウンティング目的で聞いてくる人がいるんですよ。前に、1人っ子のママに、3人もいたら十分な教育を付けてあげられないよね?優秀な子を選んであとはあきらめる感じ?と笑いながら言われて唖然としたことが」(Hさん・小学2年生と4歳の双子のママ)

 

「前の職場に、噂話のネタとして子供の人数やお受験の有無などを聞いて回る人がいましたね。ふつうに私に興味を持って聞いてくれるならそこまでイヤでもないですけど、ネタにされるのはごめんです」(Iさん・小学4年生と2年生のママ)

 

など、初対面はもちろん関係性ができていないのにプライベートな事柄に踏み込んでくる、自分の持論を押し付けたり好奇心を満たしたりする目的で聞いてくる...などはNGと感じる人がほとんどでした。

デリカシーのない人へ、うまい返し方はある?

聞いて欲しくないにもかかわらず子供の人数や有無を聞かれたとき、他人に気を遣う人や優しい性格の人ほど、うまく返せずに傷ついたり戸惑ってしまうことが多いのではないでしょうか。

こう答えたけど...

問いかけに対してなんとか答えたものの、やっぱり嫌な思いをした人の体験をまとめてみると、

 

「まだ子供はいないんです」→しつこく理由を聞かれた

 

「子供は欲しくないんです」→子どもの良さや必要性を説かれた

 

「夫婦の時間を大切にしたいので子どもは作りません」「仕事のキャリアを選んだので子どもは作りません」→わがままだと説教された

 

「欲しいんですけどなかなか…」→どこか悪いのか、病院は?など、デリケートな身体のことを話題にされた、性的なアドバイスをされた

 

「そのうちに」→早くしろと言われた

 

「子どもはこの子1人と決めていて」→1人っ子はかわいそうと言われた

 

など、思いやりのない言葉をかけられた人や価値観を否定された…という人が数多くいました。

こう返したら、それ以上は言われない

一方、体験談から「思い切ってこう答えたら、それ以上聞かれなくなった」という言葉を集めてみました。

 

「色々事情がありまして」

 

「プライベートなことなのでごめんなさい」

 

「それ以上は聞かないで下さい」

 

「お答えする必要はありますか?」

 

「アドバイスありがとうございます(相手が黙るまで繰り返す)」

 

最初は勇気がいるかもしれませんが、今回紹介したような自分の持論を押しつけたい人やマウンティングしたい人・噂のネタが欲しい人が相手のときは、勇気を出して言ってみることで、その後は悩まされずにすむかもしれません。

おわりに

シングルマザーやシングルファーザー・ステップファミリーなどさまざまな形の家族が日本よりも多かったアメリカでは、以前から、初対面で家族構成や子供の有無を聞くのはマナー違反と考える人が多いそうです。

 

日本でも3組に1組が離婚する時代を迎えたいま、結婚しているからといって2~3人の子供がいるのが当たり前というかつての常識は通用しなくなっています。

 

子供のことだけではなく、なにごとも、自分の常識を元に会話を進めることで相手を不快にさせていないか、ときどき立ち止まってみることが必要ですね。

文/高谷みえこ