突然ですが、“異動”という言葉を聞くと悪い印象を抱きませんか? “飛ばされる”と表現する人もいますが、一概に“異動=悪いこと”とは限りませんよね。しかし入社して間もない頃に異動を命じられたら、あなたはどう思いますか?

新人なのに異動…

入社1年目のAさん(男性)は、何の前触れもなく上司に「申し訳ないけど、他部署への異動が決まった」と告げられました。上司に異動の理由をたずねたところ、「他部署の人手が足りない」「君が頼りなんだ」という返答が。

 

仕事が板についてきた矢先の出来事だったので、急な異動にショックを受けたAさん。会社の処置に納得できなかったため、ネット上で「まだ新人なのに異動させられるのってどう思いますか?」と質問しています。

 

彼の会社に対する不満には同情の声が続出。たとえば「入社してやっと慣れてきたところで、いきなり異動だと戸惑うよね…」「いくら理由を説明されても、『自分が使えないから飛ばされた』と思ってしまう」などのコメントが上がっていました。

前向きに捉えるべき?

突然の異動を哀れむ人が多いなか、「ネガティブに捉えなくても大丈夫!」という励ましの声も。詳しく見ていくと、「新人の方が新しい仕事を覚えやすいってことで任命されたのでは?仕事ができないから、異動させられるとは限らないよ」「『早いうちからいろいろな経験ができる』と捉えるべき。他部署でも活躍するくらいの気持ちになってほしい」といったエールが寄せられています。

 

また新人時代に異動を経験した人からは、「他部署の強い要望で異動になった。要は“引き抜き”だったので、個人的にはとても嬉しかったですね」「異動は“自分の適正とマッチした部署に配属させる”というケースもある。より活躍しやすい環境に移れるのはありがたいこと」などの主張が。異動のおかげでスキルアップした人は、意外と多いようですね。

 

他には「よく『やりたい仕事を担当できない』と愚痴をもらす人がいるけど、『やりたいこと』を担う前に経験するべき仕事もある。異動は理想の自分になるための“修業期間”だと思うべき」と熱く語る人もいました。

異動は能力を引き出すための手段!?

「入社後すぐに異動になった」というお悩みを取り上げましたが、そもそも“人事異動”は頻繁におこなわれるものなのでしょうか?

 

株式会社アッテルは、以前“コロナ禍による2021年度の人事異動への影響と人材の最適配置に関するアンケート調査”を実施。回答者に“異動に関して例年と異なることはある?”とたずねたところ、「例年より異動人数が減った(26.0%)」が第1位になりました。

 

さらに“異動・配置はどんな理由でおこなわれることが多い?”と質問。最も多かった回答は「各個人の能力を引き出すため(52.7%)」がトップで、2位に「部署のニーズに人材の能力をマッチングさせるため(45.7%)」が選ばれています。

 

多くの人が落ち込むキッカケになる“人事異動”。しかし会社側は“成長&活躍”を望んで依頼しているため、「期待に答えよう!」と前向きになることも大切なのかもしれません。

文/内田裕子
参照/株式会社アッテル「2021年人事異動に関する調査」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000046088.html