『劇場版 ダーウィンが来た! アフリカ新伝説』(2019)『恐竜超伝説 劇場版ダーウィンが来た!』(2020)に続く第3弾として6月11日より公開の『驚き!海の生きもの超伝説 劇場版ダーウィンが来た!』。今回の舞台は新種や不思議な生態が続々と発見され続ける“海”です。
CHANTO WEBでは世界中の海からおよそ60種の生き物たちが一挙公開される本作に出演し、ナレーターを務めるさかなクンにインタビュー! さかなクンが海の生物に興味を持ったきっかけやおすすめの勉強法、さらに、映画が公開となる6月に美味しいお魚とおすすめの食べ方を教えてもらいました!
友達が描いた"タコちゃん"が魚への興味の入り口だった
—— さかなクンが海の生きものに興味を持ったきっかけは?
さかなクン:
最初に興味を持ったのは“タコちゃん”です。小学2年生の頃、同じクラスの友達が描いたタコちゃんの絵を見て、驚いたのがきっかけです。すギョくインパクトがあって、迫力満点で、ノートから飛び出して来そうなタコちゃんだったんです。
お目々、すみ、たくさん足がとにかくダイナミックに描かれていて、衝撃的なタコちゃんでした。それまでたこ焼きやおでんなどで食べるものとしてのイメージしかなかったタコちゃんに急に興味が湧き、その日の放課後に図書室に走って、タコちゃんについて調べました。どんなところに暮らして、どういう特徴があって、どんな生き物なのか。タコちゃんにもいろいろな仲間があって、おもしろい! 一気にタコちゃんの魅力に釘付けになりました。あのときの友達のタコちゃんの絵がなかったら、海のお魚にも興味が行くことはなかったかもしれません。感謝の気持ちを、その友達に何十年かぶりに会ったときにきちんと伝えました。
—— 海の生物に興味を持ったら、どんな風にお勉強をすればさかなクンのように詳しくなれるのか。勉強のコツがあれば、ぜひ教えてください。
さかなクン:
さかなクンはお勉強が苦手ですので、勉強って聞くと何だか辛く感じてしまいます。お勉強とは思わないで、海って広いな、青いな、きれいだな、海の香りがいいな。ヤドカリさんがいる、ヒトデさんもいる。ハコフグちゃんだー! と、海そのものに興味を持つのがいいと思います。海は見ているだけで癒されるけれど、波の音もいいな、お外で貝殻を耳にあてると波のような音が聞こえるんだとか、無限によろこびが広がり、ワクワクに繋がると思います。
好きという気持ちがどんどん大きくなると、また海に来ようと思うし、知的好奇心が強く、大きくなっていくことで、調べようかなと思う気持ちも増えていきます。そうやって知識が増えていくんですね!
—— 海のように広がっていく感じですね。
さかなクン:
さかなクンは友達の絵がきっかけでタコちゃんに興味を持って、図鑑で調べていく中で、マダコちゃんに会いたくなって。次はイイダコちゃんが見たいというように気持ちがどんどん増えていき、夢が膨らみます。子どもの頃にはすぐに会うのは難しいけれど、大人になると、例えば、漁師さんのお船に乗せてもらって会いにいくこともできます。
僕が子どもの頃は、図鑑を見ながら憧れの気持ちが膨らむばかりだったけれど、今は、水族館には珍しい海の生き物もたくさんいるし、インターネットもあるし、「ダーウィンが来た!」もあるので、チャンスは無限にあると思います。便利で贅沢でいいなとも思いますが、今思い返すと、なかなか会える機会が少なかったからこそ、海に行って会えたときのよろこびはひとしおでした。
—— 確かに。水族館でも珍しい生きものが増えましたよね。
さかなクン:
海の生きものが好きになったら、会えるチャンスは昔より格段に上がっていると思います。さかなクンは海の生きもの、特にお魚に興味を持ちましたが、陸上の生物が好きな子もいれば、昆虫が好きな子もいるし、スポーツが好きという子もいますよね。好きなものは人それぞれですし、それが多様性にも繋がります。
お魚が好きなので、海が好き、お魚が好きというお子様が増えたらうれしいです! 海は生命体の起源。海があったからこそ、生命体が誕生して、我々がいる。そう考えると「お魚の“ギョ先祖”様、よくぞ陸に上がってくださいました」と感謝の気持ちでいっぱいですし、知れば知るほどお魚の存在は偉大だと思います。
この季節に食べるべきお魚は…?
—— 映画は6月に公開となります。お料理上手のさかなクンに、この時期おすすめのお魚、おいしい食べ方を教えてほしいです!
さかなクン:
大初夏は初鰹が美味しいですね。南の海から北上してくるカツオちゃんは、あっさりとした味わいです。梅雨時期にはイサキちゃんもおいしいです。梅雨イサキと呼ばれています。ちょうど産卵期を迎えるのですが、小魚やプランクトンをいっぱい食べて、身が栄養に満ちた状態になっています。甘みがあってとてもおいしい、梅雨イサキは極上です。刺身か塩焼きがおすすめです。ただ、骨がとても硬く「鍛冶屋殺し」とも呼ばれています。
そう呼ばれる理由は2つあって、ひとつは鍛冶屋さんの喉に骨が刺さって死んでしまったという話。もうひとつは、骨が硬すぎて鍛冶屋さんがいくつ包丁を作っても足りないという話。喉にささらないよう、また、包丁を傷めないように捌いてください(笑)。あとは、マアジちゃん、メバルちゃんもおいしい時期です。メバルは、おかあさんがお腹の中で赤ちゃんを孵化させるために消耗した体力を回復させるために、いっぱい栄養をとるので、おいしくなるんですよ。
取材・文/タナカシノブ