投資で変わったお金の使い方

投資を始めたことで視野が広がり、買い物の仕方やニュースを見る視点が変わったと話す女性がいます。現在4歳と2歳の2児ママでフルタイムで働くあちゅこさん(43歳)です。2016年から本格的な株投資をスタート。少しずつ利益を得ながら、「投資は資産を増やす目的だけでなく、それ以上に得るものが大きかった」といいます。

34歳で始めた自社株投資も「それじゃ損する」

バブルの頃、小学生だったあちゅこさん。当時、父親は家を担保に借金をして株式投資をしていたそうです。ところがバブルが崩壊して家を手放すことに。その経験から株式投資にはやや否定的でした。

 

ただ、大学時代に授業で投資は資産形成の一部であると学んだため、投資の重要性は理解するようになりました。投資経験は、社会人2年目で都市銀行の友人に頼まれるまま、投資信託を少しだけ購入した程度。

「その後、34歳の時に積立貯金のつもりで始めたのが自社株投資です。あるとき夫から自社持株も悪くないけど、万が一、勤務先の業績が悪くなれば株価も給料も下がり、どちらも損してしまう。だから、株価がいいときにある程度売って、そのお金を他の投資に回すといいかもね。そのほうがリスクが低くなるよと言われました。確かにそのとおりだな、と納得したんです」

 

ちょうど長女の育休中で、比較的時間があったのもいいタイミングでした。自社持株を一部売却した250万円を元手にして、株投資に挑戦し始めます。38歳のときでした。

不動産投資は利回り16.8%!?

あまり知識がないまま投資を始めたため、最初はそれほど利益が出なかったといいます。風向きが変わってきたのは、2018年の次女の育休中です。YouTubeで配信される「両学長のリベラルアーツ大学」を見たのがきっかけで、お金について勉強しようと思ったそうです。

「最初に興味を抱いたのが、リベラルアーツ大学のベースとなるお金についての基本的な5つの力を身に着ける方法です。5つの力とは、支出を減らす貯める力、収入を増やす稼ぐ力、資産を増やす増やす力、資産を減らさない守る力、より満足感が高まることにお金を使う使う力のこと。今までお金を得るためには、働いて稼ぐか節約するかしか方法がないと思っていたので、この考え方はとても新鮮でした。しかもシンプルで、私も実践できそうだなと思いました」

 

動画視聴や実際に投資をしてみた経験から、資産を分散する大切さを理解したそうです。現在は、日本株の株主優待と高配当株、インデックス投資で資産運用しています。

 

「知識がついたおかげで、株の買い方も変わってきました。知名度やイメージだけで選んでいたのが、チャートや業績(決算短信)で判断して購入するように。そうしたら、少しずつ利益も出るようになってきました。2017年、2018年頃はやや赤字でしたが、2021年に入ってからは50万円ほどの利益を得ています」

不動産投資

さらにはコツコツ貯めた470万円で一戸建てを現金で購入し、不動産投資も始めました。利回り16.8%で運営しています。

 

「築100年以上の物件なので、それなりにリスクはあります。でも、自由に使える時間があまりないフルタイムワーママにとって、半不労所得として家賃はとても有効だと思います。もし、今の入居者が退去して、雨漏りなどで人に貸せなくなった場合は、修理しないで倉庫として貸す予定です」

投資を始めて買い物もモノの価値も見方が変わった!

投資を始めたことで、夫とはこれまで以上にお金について話し合えるようになりました。リベラルアーツ大学の動画も一緒に見ているそうです。

投資の勉強

「動画は毎日更新されるので、『この内容はいいね』とか『これは参考にしよう』と言いながら、夕食後に見ています。夫婦ともに役に立つと思っているのはやっぱりお金についての基本的な5つの力を身に着ける方法ですね」

 

携帯電話は格安SIMに変更、浮いた分は貯蓄や投資に回す。ドラム式洗濯乾燥機は時短につながるから、ケチらずに購入するなど、動画を参考にしながら家計を見直しているそうです。お金を使う面では、リフレッシュのために育休中にバリ旅行も経験。

 

「投資についても、夫の取り組んでいるものが、ある程度理解できるようになりました。今後どんな投資をしていくか相談したり、新たな不動産投資物件を一緒に探したりするようになりました」

バリ旅行

また、投資を始めたことで、視野が広がったといいます。

 

「一番変わったのは、経済や政治に関心を持つようになったことです。外食や買い物に行ったときも、それまで気にしていたのはお店のクチコミくらいでしたが、今はどこが経営しているかなどを気にするようになりました。他の人のブログで、業務スーパーやしまむらがよく話題に上がっているなと思って、チェックすると株価も上昇中など、株は生活に密着していると実感します」

 

買い物の仕方も変わり、「価格が安いかどうか」ではなく、「価値があるかどうか」で判断するようになったそうです。

 

「たとえば、1,000万円で家が売られていても、都会の築浅物件と地方の駅から遠い物件では将来的な価値が違います。買い物をするときも、安いからと瞬間的に購入するのではなく、後々価値が上がるかとか、その値段に値する価値があるかの視点で考えるようになりました。投資を始めたことで、資産を増やすのはもちろんのこと、視野を広げる効果など、たくさんのメリットがありました。これからも投資を続けていきたいです」

取材・文/齋田多恵
※上記は、あちゅこさん個人の経験談・感想であり、投資による利益を保証するものではありません。