子供が親の価値観を離れ、自分自身の考え方を確立していくために必ず通る道といわれる「反抗期」。

 

子供の成長の段階には2~3回の反抗期が存在し、それぞれ一定期間が過ぎれば落ち着くといわれます。

 

しかし、中には「反抗期がいつまでも終わらないんだけど…」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

 

今回は、一般的に反抗期が訪れる時期・終わるとされている時期や、ママたちの反抗期にまつわる体験談などを紹介します。

そもそも「反抗期」って何回ある?いつからいつまで?

一般的に子供の「反抗期」は次の3つの時期に起きるとされています。

 

  • 第一次反抗期…2~3歳
  • 中間反抗期…小学校2~4年生頃
  • 第二次反抗期…思春期

 

第一次反抗期は、親と一体化していた赤ちゃんが成長し、自分でものごとを決めたいという意志が芽生えてくる時期に起こります。

 

2~3歳頃がもっとも多いですが、なかには5歳頃で起こってくる子も。

 

中間反抗期は、小学校の中学年(3~4年生)頃を中心に、子供同士のつながりが強まり、それまでの家庭での価値観とは異なった考え方や判断基準を持ち始める時期に起こります。

 

第二次反抗期は、小学校高学年から中学校にかけての思春期に、子供が精神的に成長してくると、これまで間違いないと思っていた親を含め、大人社会の矛盾に気づきはじめ、反発するというもの。

 

いずれも、基本的な時期は上記のとおりですが、その子の性格や周囲の環境によって度合いも長さも異なり、まったくなかった、ほとんど気付かない…という子もいれば、第一次反抗期は激しかったけれど第二次反抗期は意外とゆるやかだった、第一次反抗期が軽くてホッとしていたら中間反抗期がひどかった…などいろいろなパターンがあります。

 

「尾木ママ」の愛称で知られる教育評論家の尾木直樹さんも、出演した番組内で「教師から見ていると、すぐに反抗期をすりぬけてしまう子、1週間ぐらいで終わっちゃう子、3年間ずっと続く子など、その子によって全然違う」と話しています。

ママの体験談①「反抗期長かった…辛いけど、突然終わりました」

今回、まずお話を聞いたのは、現在高校1年生の娘さんがいるKさん。

 

Kさんの娘さんは2~3歳のいわゆる「イヤイヤ期」はほとんどなかったものの、5歳頃から中学生までほぼ反抗期のようにKさんには感じられたそうです。

 

「小さい時は、わりとのんびりおっとりした子だったので、自我が芽生えるのも遅かったのかもしれません。私がなんでも先回りしてやっていたせいもあると思います」

 

5歳の時、下のお子さんが生まれると、お子さんは今までママの言うとおりにしていた場面でも何かと嫌がったり、断固拒否することが増えたそう。

 

「はじめは赤ちゃん返りかな?と思ったのですが、1年以上経っても同じような態度が続き、これは反抗期が遅れてきたのかも…と思いました」

 

そして、学校での友達関係などでうまくいかないことがあると家ではさらに機嫌が悪くなり、宿題をする、習い事に時間通り行く…などを指示しても「無理!」「できない!」と怒り出すことも多かったということです。

 

「結局、そんな状態が中学2年生まで続いたのですが、ある時期とつぜん、ふっと大人の世界にやってきたかのように、普通に話せるようになり、本当にびっくりしました」

 

今ではまるで友達のように仲良く買い物をしたり、Kさんを手伝ってくれたりするそうです。

 

「反抗期の間、この子なりに思いがあるんだと信じてできるだけ短気を起こさないように接していました。この態度が一生続くのかと絶望的になった時期もありましたが、今は報われた気分です」

 

と話してくれました。

ママの体験談②「実は私自身が反抗期の長い子でした」

もう1人は、「実は私自身が、中学生からつい最近まで反抗期だったかもしれません」というNさん(2歳児のママ)。

 

「母と祖母と暮らしていました。母は仕事が忙しく、小さい頃はほとんど遊んでもらった記憶がありません。祖母も子供が好きなタイプではなかったようで、そういうものだと思っていたのですが、やはりさみしかったんでしょうね、中学校あたりから仕返しのように母を無視するようになってしまいました」

 

そのまま高校時代も母親と最低限の連絡以外に口をきかず、大学進学で家を出たNさんは、ほとんど実家にも帰らず過ごしていたそうです。

 

「4年前に結婚し子供が生まれました。その年に定年退職した母に子供の顔を見せにいったとき、初めて母から、私の小さい頃は一緒に過ごせる時間が少なくて申し訳なく思っていたことや、愛情表現が下手なだけで私を心からかわいく思っていたことなどを聞きました。そこから子供時代のわだかまりが少しずつ消え、やっと反抗期が終わった気がします」

 

「今はコロナの感染予防のため、頻繁に実家をたずねることはできませんが、もうあの頃のような反感を抱くことはありません。ときどきTV電話で子供の顔を見せています」

 

とNさんは話してくれました。

おわりに

世間で言われるのと比べてわが子の反抗期が長いと、「いつまで続くんだろう…」と悩んでしまうことと思います。

 

しかし今回の体験談のように、反抗期が長く続いても、その後は対等に話せる関係になったという親子も多いはず。

 

時には子供と離れてゆっくりお茶を飲んだり、友人とオンラインで話したり、ママやパパ自身の心のケアも大切にしながら、わが子を信じて愛情を注いでいきたいですね。