仕事や家事育児、生活の中で感じるモヤモヤ。

 

「暮らしに前向きな変化を起こす」をテーマに、イラストや文章をSNSなどで発信している描き子さんはどう感じ、考えているのでしょうか。

 

今回は、子どもを保育園に預けることへの葛藤とどう向き合うか、という話題です。

 

この世のモヤモヤは、自分の視点を変えてみれば楽になる…かもしれません!

泣く我が子を預けて、泣きながら出社する親

子どもを保育園に入れて働く。そんなのもはや珍しくもなんともない現代です。

 

「3歳までは母親の元で」…3歳児神話なんてもはや過去の遺物でしょう。

 

それでも、保育士さんに抱かれながら泣く我が子を見て、あるいは保育園の入り口でぐずぐず行き渋る我が子を見て、「これでいいんだろうか」と悩んでしまう親は少なくありません。

 

こういう悩みに、どう対処していけばいいのでしょうか。

データがあるから安心できる?

 「子どもを預けて働くのはなんの問題もない」ということを世界各国の研究者がさまざまな角度から証明しており、そうしたデータは親たちの悩みをいくらか和らげてはくれます。

 

でも、データによる傾向がどうであろうとも、それはあくまで傾向であり、万人に当てはまる事実だとは言えないはず。

 

「一般的に、預けるのは問題ないと言える」が真実だとしても、預けられることがデメリットになる子は一切いない、なんて言えるはずありません。

 

大人になって「小さい頃、母親が仕事ばかりで寂しかった」と訴える人は実際に存在するわけですしね。

 

とはいえ、逆に「子どもは母親のそばにいれば幸せ」かといえば、それもまた子どもによることであり、全員が全員に当てはまることだとは言えない。

 

保育園で他の子とふれあったり、先生たちに導かれて経験した遊びが一生の宝になることだってあるのです。同じ保育園で育った友達と大人になってもずっと仲良くしているという人もいるわけで、その人がもし幼い頃ずっと母親の元にいたならば、その一生ものの友人には出会えなかったでしょう。

 

母親のそばにいることがデメリットになることも、可能性として十分にあり得るわけです。

 

実際に、専業主婦として育児をしていて「この子のためになってないかも」と悩む人も少なくありません。

無理に安心せず、不安のままにしておくという選択

結局、大量のデータが何を言っていようと親にとっての子はただ1人のその子な訳で、親は「我が子にとって何がいいのか、何が良くないのか」を考え続ける他ありません。

 

保育園に入れるべきか、入れざるべきか。この問いに、明確な答えなんかありはしないのです。

 

保育園だけではないですよね。どのような学校に入れるのか?どのような地域で育てるのか?どのような習いごとをさせるのか?どのようなしつけをするのか?

 

あらゆる選択において親は悩み、データを見て安心したり、それでも我が子を見て安心が揺らいだりを繰り返しながら、子どもの幸せを思って悩み続けます。

 

答えが出ないことについて悩むのは苦しいものですが、それでも、子どものために何をしてあげられるかと悩むのは、価値のあることだと思います。

 

子どもを一人の人間として尊重すればこそ、データはこうだからこれでいい、なんて割り切れない。

 

その悩みを、悩みのままにしておくこと。考えるのをやめてしまわないこと。それはまぎれもなく、愛情の印だと私は思うのです。

 

文・イラスト/描き子