子育てを手伝って欲しい時は、パートナーや親戚、友人などにお願いする人がほとんど。しかし中には“上の子”にお世話を頼む親もいるようです。歳の離れた兄や姉であれば“下の子のお世話”を頼めますが、そもそも問題点はないのでしょうか?

上の子にお世話を頼む親は多数!?


以前ネット上には、2人の子どもを育てているママから「上の子に下の子の世話って手伝ってもらう?」という質問が。相談者いわく、どうしても手が離せない時にだけ上の子に手伝ってもらうそうです。

 

彼女と同様に“上の子”に頼る親は多く、「うちは10歳も離れた姉がいるので、けっこうお願いしてるかも」「申し訳ないと思いつつも上の子にヘルプを求める」などのコメントが上がっていました。他にも「兄や姉としての自覚を持ってほしいため、あえて手伝わせてる」「兄や姉には下の子から見て“頼れる存在”になってほしい」といった意見が。一時的に手伝ってもらうだけでなく、上の子の成長のためにお世話を頼む親も見られます。

頼みすぎるのはNG


“上の子に頼る派”の声が目立つ一方で、デメリットをあげる人も少なくありません。たとえば「手伝いを強制しすぎてしまうと、上の子にストレスが溜まる。下の子に対するイメージも悪くなるので、兄弟の不仲につながりかねない」「よく世話を頼む時に『お兄ちゃんorお姉ちゃんなんだから○○しなさい』と言いがちだけど、プレッシャーを与える場合も。たまに手伝ってもらうのがちょうどいいと思う」などの主張も寄せられていました。

 

ちなみに“世話をしてもらった経験のある下の子”からも多数の体験談が。“姉思い”のAさんによると、「小さい頃、困ったことがあれば姉に頼った」「親以外に頼れる人がいると、かなり助かる」とのこと。他には「大人になってからも、相談相手になってくれる」「兄弟だけど、友達のように仲がいい」といったコメントも見られます。上の子に手伝ってもらうことで、兄弟・姉妹間に信頼関係が生まれやすいのかもしれませんね。

上の子が“赤ちゃん返り”に…

上の子に世話を頼む親は多数いましたが、中には頼みたくても頼めない状況の人も。というのも下の子が生まれた後、上の子が“赤ちゃん返り”してしまう場合があります。赤ちゃん返りとは、子どもが実年齢よりも幼い行動を取ってしまう状態のこと。

 

実は、以前放送された『すくすく子育て』(NHK)で“赤ちゃん返りの対処法”を紹介していました。法政大学の渡辺弥生さんによると、赤ちゃん返りをする子は下の子に親を取られたと感じているそう。上の子の不安を取り除くために、「実はお姉ちゃんのことをスペシャルだと思ってる」「いちばん信頼してるのよ」とフォローするのが大切です。

 

また東京大学の名誉教授である汐見稔幸さんは、「たとえばお姉ちゃんが妹のお世話をして、それを褒めてあげればお姉ちゃんであることに誇りを持ち始める」「嫉妬感情ではない関係がつくられていく」とコメントしていました。

 

「上の子に世話をお願いしても大丈夫かな?」と悩んだ際は、しっかりとメリット&デメリットを見極めた上で判断したいものですね。

文/河井奈津
参照/『すくすく子育て』公式サイト「大変!? きょうだいの子育て」https://www.nhk.or.jp/sukusuku/p2021/846.html