夫婦に初めての赤ちゃんが誕生したときは、祖父母にとっても「初孫」であることも多いもの。
孫の誕生や成長を喜んでくれるのはとても嬉しいことですが、こちらの体調や予定をかえりみず連日の訪問、親の意向を無視したベビーグッズや巨大なおもちゃのプレゼントなどのいわゆる「孫フィーバー」はちょっと困ってしまいますよね。
今回は、そんな困った孫フィーバーの実態や、いつまで続いたのか、あまりにも行き過ぎなときの対策などを全国のママ50人にアンケートしてみました。
これは勘弁!「孫フィーバー」事件簿
ママたちが「これはやめてほしかった」という祖父母の行動には次のようなものがありました。
「面会に来てくれるのはいいのですが、帝王切開で身体がしんどいので短時間ですませてほしいと夫に伝えてもらったのに、まったく聞いていなくて。連日、面会時間終了ギリギリまでいるので疲れました」(Kさん・4歳児のママ)
「娘の離乳食をはじめたことを知り、自分たちも何か食べさせたくて仕方ないのは分かるのですが…まだ一度も食べさせていないものを確認なしで食べさせようとするので目が離せませんでした。アレルギーも心配だし、ピロリ菌や虫歯も感染することを知らないのでしょうか…」(Yさん・7か月児のママ)
「TVでうつぶせ寝が危ないという特集を見たといってはお昼寝の最中に電話をかけてきたり、段差から落ちないか気になって眠れないと朝5時に電話してきたり。その段差はクッション素材のスロープをつけてあるので大丈夫なのに…こちらのほうが眠れません」(Sさん・6か月児のママ)
「産後、夫婦だけで乗り切るつもりでしたが、義母が数日間来てくれるというのでお世話になりました。もちろんありがたかったですが、帰る日には情がうつったのか、連れて帰りたい~ウチの子になりまちょうね~とか、あなたに万が一のことがあっても私が育てるから安心してねとか…そんなのはイヤです!」(Uさん・3か月児のママ)
「うちはなかなか子供に恵まれず、不妊治療を経て義両親にとっても待望の孫でした。だから喜んでくださるのは分かるのですが、安定期に入る前から友人や近所の人に話してしまい。出産後も毎日のように写真を催促しては会う人ごとに見せているようです。考えすぎかもしれませんが、なかにはお孫さんに恵まれない人もいるのでは…と心配で」(Iさん・1歳児のママ)
2020年以降は、コロナ禍で「押しかけ」系の孫フィーバーで困る場面は減っているかもしれませんが、同居や近所に住んでいて相変わらず頭を悩ませている人もいるようです。
「孫フィーバー」もこれなら嬉しい!
いっぽう、こんな孫フィーバーはとてもうれしいという声が。
「夫と私の実家が双方ともに初孫で、メリーやベビーカーなど色々買ってもらいました。ランドセルも1年以上前から、いまはラン活とかあるんでしょ?と。でも、勝手に選んで送ってくるのではなく、何がほしいか聞いてくれたり、選ばせてくれたりで、感謝しかありません」(Mさん・5歳児のママ)
「スマホで送った写真は、お店でプリントしてたくさん部屋に飾ってあります。今はコロナで会えないので、オンラインで話すこともありますが、日頃は物静かな父が母とスマホを奪い合うように息子に手を振ってくれる姿には思わず笑いつつ、じーんとします」(Tさん・2歳児のママ)
経験者に聞く「孫フィーバー」はいつ終わる?
祖父母の孫フィーバーを経験したママたちに、いったいそれはいつごろまで続いたのかを聞いてみたところ、次のような結果になりました。
- 1位:3歳まで…11人
- 2位:他の孫ができるまで…7人
- 3位:中学生(反抗期)まで…4人
- 4位:小学校入学まで…3人
- 5位:終わらない…2人
- 6位:その他…2人
1位の3歳は、その頃になると子供の方に体力がついてきて、じいじ・ばあばは長時間遊んでいられないことも多いようです。
また同時期に他のきょうだいに赤ちゃんが生まれることも多く、「ホッとした」という人がいる一方で「ちょっと寂しい。フィーバーされてるうちが華かも」「急にかわいがられる対象イトコの赤ちゃんに移って、子供は淋しそうでした」などさまざまな反応がありました。
「その他」としては、
「人見知りが始まり、泣いてだっこを嫌がるようになると、少し孫フィーバーも熱が冷めた みたいです」(Wさん・1歳児のママ)
という声も。
ママたちの「孫フィーバー対策」どうしてた?
祖父母が孫をかわいがってくれるのはありがたく幸せなことですが、限度を超すとストレスを感じてしまうこともありますよね。
そんなとき、ママたちはこんな対策をしていたようです。
「朝8時台から野菜が採れた(孫の顔が見たい)とたずねてきてしまうので、さらに早起きして公園に出かけたりしていました。週に1~2回とか玄関先ならいいのですが…連日のように上がってもらって数時間は疲れます」(Yさん・1歳児のママ)
「いくら固辞しても、多すぎるおもちゃやサイズの合わない洋服、もう持っているベビーグッズなどを送ってきてくれるんです。置き場所もないので、子供と並んで撮影して送ったら、最近ではフリマサイトに出してます」(Jさん・10か月児のママ)
「夫の実家は車で1時間ほどの場所ですが、週末は帰省するのが当たり前のようになって負担が増してきたので、小学校入学を機に土曜日に習い事を入れて、毎週は帰れない状況を作りました」(Aさん・小1のママ)
「近くに住む実母は、自分の気が向いた時だけこちらの予定をお構いなしにたずねてくるので、いっそ私の都合がいいときにたずねて行こう!と思い、数日間毎日たずねていきました。そうしたらさすがに疲れたのか、来る前に連絡ちょうだいと言い、自分も連絡してくれるようになりました!」(Nさん・3歳児と8か月児のママ)
おわり
ちょっと戸惑いつつも微笑ましい孫フィーバーと、「うざい」と思われてしまう孫フィーバーは何が違うのでしょうか。
アンケートから見えてきたのは、ママや孫自身の気持ち・状況を考えつつも、どうしてもかわいさ余っての行動なら喜んで受け入れるいっぽう、祖父母自身の欲求を満たしたり心配を解消したい気持ちが先に立ってしまうと、「困った孫フィーバー」になるのでは…ということでした。
2021年のいまは、コロナ禍で、孫に会いたくてもがまんしているおじいちゃん・おばあちゃんも多いことと思います。
無理のない範囲でオンラインで通話したり写真を送ったりと、ほどよく「孫フィーバー欲」を叶えてあげたいですね。
文/高谷みえこ アンケート実施時期/2021年4月 人数/50名 手段/インターネット