反町隆史
製作著作:WOWOW

「今どきの若いモンは」──。そんな一言が口癖の“究極の上司”から目が離せないドラマ「今どきの若いモンは」(放送・配信中)。本作で、主人公・石沢一課長を演じる反町隆史さんに、ドラマの見どころや石沢の魅力、セリフにまつわるエピソードについて伺いました。

なんとなく「よかった」という瞬間が幸せ

反町隆史
©井野ジュン・COMIC ポラリス/TOKYO MX

── ドラマの見どころを教えてください!

 

反町さん:

本作では、コワモテ上司・石沢と、福原遥さん演じる新人・麦田歩たちとの交流が描かれています。麦田といろいろな話をするなかで、彼女の目線に立ってつぶやく石沢のひと言はどれもすごく印象的です。

 

過去の石沢も描かれているので、仕事一筋で周りが見えなかった石沢がどのように成長し、究極の上司と呼ばれるに至ったのかも理解できる。そういった人間ドラマが本作の見どころだと感じています。石沢の社会人としての背景を知ることで、僕自身も芝居がしやすかったですね。

 

── 石沢の第一印象はいかがでしたか?

 

反町さん:

人間くさいところがある人だと思いました。だけどそれを真正面から言わないみたいなところはすごく共感できたし、演じるときにもすんなり入れた気がしています。

 

── 石沢のセリフで「いいな」と思ったものがあったとか。

 

反町さん:

ネットが得意ではない石沢が、ネットを使いこなす若手社員を見て、素直に「スゲーな」と言うところですね。セリフとしてもハズしがあるし、面と向かっていうのではなくボソッとつぶやく感じとか、すごくライトでいいなと思いました。

 

普段の生活で「これは素晴らしい!」とか「すごく良いことがあった!」ってそんなに遭遇しないじゃないですか(笑)。でも人間の幸せって、ほんの些細なことに気づけるか気づけないかだと思っていて。

 

会話や雰囲気のなかでなんとなく「よかった」という瞬間を肌で感じることができたら幸せだなと思えますよね。石沢のつぶやきはそんなことを感じさせてくれるし、それがこのドラマの魅力でもある気がしています。

「今どきの若いモンは」と言われた経験は?

反町隆史
製作著作:WOWOW

── 石沢のセリフ「ったく、今どきの若いモンは......」は毎話登場する決め台詞です。毎回出てくるからこそ工夫したこと、こだわったことなどを教えてください。

 

反町さん:

このセリフに限らず、上から目線、命令するような話し方は絶対避けなきゃいけないと思っていました。意識したのは常に「目線は一緒だよ」というところ。石沢の人間味を出すために、対等であろうとするところは気をつけていました。

 

── 反町さんは「今どきの若いモンは」と言ってしまうことはありますか?

 

反町さん:

意識しているわけじゃないけれど、言わないですね。「今どきの若いモンは」という言葉の意味はひとつじゃないと思っています。自分にはない部分に感心していることもあるし、今と昔、違うところもあるよねという意味もある気がします。

 

他者に対する尊重もドラマのテーマだと思っています。携帯電話の使い方について若手社員の説明に「すげーな」というシーンも、そういうテーマが表現されている部分だと感じています。

 

── 若い時に「今どきの若いモンは」と言われた経験はありますか?

 

反町さん:

言われたと思うけれど、正直、あまりまともに聞いていなかった気がします。若いときってそんなモンだよね(笑)。多分「うるさいな」くらいにしか思っていなくて、細かいことは覚えてない。ただ、この歳になると注意されたこと自体が、ありがたいことだったんだと思います。

 

── 石沢は商社に勤めながらノーネクタイという独自のスタイルがあります。仕事でも趣味でも構いません。反町さんこだわりのスタイルがあれば教えてください。

 

反町さん:

服装で言うと…、機能的なものを選びがちです。デザインとか見た目以上に、肌触りとか機能性はかなりこだわるかもしれません。石沢のスタイル、商社にノーネクタイでも「いいんじゃない」って思います。外見は単なる外見でしかないし、スタイルで判断したくないんです。

 

日本はこれを着てくださいという暗黙のルールのようなものが意外とあるけれど、もっと「自由でいいんじゃないかな」と感じることが多くて。もちろん、TPOやルールのもとでの守るべきスタイルとはまた別の話ですけれどね(笑)。