赤ちゃんのママ・パパは、朝起きたら赤ちゃんに目やにが出ていて気になるときはありませんか?

 

数日経ってもおさまらない、量が多いなど、受診するべきかどうか迷うこともあると思います。

 

今回は、赤ちゃんが目やにが出やすい理由や、目やにが関係する病気、受診のめやすなどを、ママたちの体験談とともに解説します。

赤ちゃんの「目やに」は大人より出やすい

日本眼科学会のサイトによると、「目やに」は、涙に含まれているムチンという物質が眼表面の老廃物や古い細胞、雑菌や病原体などの物質をからめ取ってできたもの。

 

それらが目から押し出されて乾燥すると、よく見かける目やにの状態になるそうです。

 

赤ちゃんは新陳代謝が大人よりも活発なので、目やにもそれだけ出やすいといえます。

 

また、赤ちゃんによく見られる「逆まつげ」が刺激になり、目やにが出ることもあるそう。

風邪を引くと目やにが増える?

ふだん私たちは意識していませんが、涙は、目の表面の乾燥を防ぐため日常的に分泌されています。

 

泣いたときには大人も赤ちゃんも目から涙が流れ出ますが、それ以外の時は、目頭にある「涙小管」という細い管から吸収されて「鼻涙管」を通り、鼻の奥に流れ出ていきます。

 

生まれたばかりの赤ちゃんは、この鼻涙管が未発達で詰まりやすい子が多いといわれますが、風邪を引いて鼻やのどに炎症が起きたり、鼻水がいっぱいだと、涙がうまく排出できず逆流してしまった涙が目やにのもととなります。

 

また風邪のウイルスが目にも影響して炎症を起こし、濃い黄色や緑色の目やにが出ることもあります。

こんなときは受診を考えて

赤ちゃんが、朝起きた時だけ目やにがあり、日中は見られないのであれば、たいていはそのまま様子を見ても問題ないと考えられます。

 

ただ、次のような場合は、小児科・耳鼻科・眼科などを受診した方が良いとされています。

いつも「涙目」になっていたり、涙が流れていたりする

「涙目」つまり下瞼に涙がたまっている状態や、それが流れ出ている状態が続くときは、上で解説した「鼻涙管」が生まれつき閉じたままになっている「先天性鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく)」が考えられます。

 

お子さんが生後1か月を過ぎた頃から、目やにが多いのが気になっていたOさん。

 

「きげんのいいときでも涙が流れ出るときがあり、さっき泣いてたからかな?と思ったのですが…。里帰り出産だったので自宅に戻ったあと保健師さんの新生児訪問があり、その時に聞いてみると、鼻涙管閉塞かもと言われ、小児科を受診しました」

 

「このまま治らなければ、ブジーという細い管を通す治療があるそうですが、まだ小さすぎて難しいと。かわりに目薬をもらい、マッサージのしかたを教わりました。1歳くらいまで続けると、それだけで治る子も多いそうです」

 

結果、8か月の終わり頃になると、ほとんど目やにや涙の逆流はなくなっていったそうです。

膿のような目やにが出る

通常の目やには白や薄い黄色をしています。

 

しかし、膿のような黄色みの強い目やにがたくさん出るとき、まぶたが赤くなっているとき、目が充血しているとき、まぶたがはれたりむくんだりしているとき…などは、結膜炎の可能性もあり、早めの受診が必要です。

まわりで流行性角結膜炎がはやっているとき

赤ちゃん自身や上の子が保育園で集団生活をしている場合、一般に「はやり目」ともいわれる、アデノウイルス(8型)による「流行性角結膜炎」に感染してしまうことがあります。

 

Tさんは、3歳の上のお子さんの保育園で流行性角結膜炎がはやっているとお迎えの時に聞かされました。

 

「上の子は特に症状がなかったのですが、まだ入園前の当時生後6か月の下の子にサラサラとした目やにがたくさん出て、しきりに目をこするので受診したところ、アデノウイルスが検出されたとのことでした。赤ちゃんは重症になると角膜にダメージを与えることもあると言われ、悪化させないように気をつかいました」

おわりに

赤ちゃんの目やには成長とともに少しずつ気にならなくなることが多いですが、ときには注意が必要なケースもあるため、記事が参考になれば幸いです。

 

なおこの記事は医療機関や公的機関の資料に基づき分かりやすく解説したものであり、医師の診断に代わるものではありません。また紹介した体験談は個人のものであり、すべての場合に当てはまるとは限りません。気になった際は医師にご相談ください。

文/高谷みえこ
参照/鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく) |ボシュロム・ジャパン https://www.bausch.co.jp/eye-dictionary/omonamenobyouki-1/mabutatonamidamichi/biruikanheisoku/
公益財団法人 日本眼科学会|「目やにがでる(眼脂)」原因と考えられている病気一覧」 https://www.nichigan.or.jp/public/disease/symptoms.html?catid=74
国立感染症研究所「流行性角結膜炎とは」 https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/528-ekc.html