突然ですが、外食する際に“席に座る位置”って気にしますか? 一般的なマナーとして“上座、下座”という考え方はありますが、普通の外食であれば気にする人は少ないはず。しかし義理親と食事に行った女性のAさんは、夫に思わぬことで怒られたそうです。

席の位置で激怒する夫

Aさんの夫が激怒したのは、義理親と夫、Aさんの3人で外食した日のことです。夫は妻に対して「遠方からわざわざ来てくれたのに、なぜ“上座”に座らせなかったの?」と指摘。“上座、下座”を意識していなかったAさんは素直に謝罪しつつも、心の中では「気にしすぎなのでは?」と疑問を感じていました。

 

そこで彼女はモヤモヤを解消するため、「普通の食事で上座、下座は意識するべき?」と質問。Aさんの“座る位置”問題はネット上で話題になり、多数の人からコメントが寄せられています。

 

周りの反応をピックアップする前に“上座、下座”をおさらいしましょう。まず“上座”とは目上の人が座る場所のこと。出入口から一番遠い席が上座になり、上座以外の席が“下座(もてなす側)”の位置に。目上の人をもてなす上で大切なマナーなので、知らなかった人は覚えておくのがベターです。

気にしなくてもOK!?

続いてAさんに対する反響を見ていくと、「冠婚葬祭とかかしこまった席ならわかるけど、普通の食事であれば自由に座ってもらっても全然問題ない」「いつも上座や下座とか考えていたら気疲れする」といったコメントが。外食するメンバーが身内だった場合、Aさんと同様に席の位置を気にしない人は多いようですね。

 

一方で“気にする派”はどのように思っているのでしょうか? たとえば「席次のマナーを覚えてから、日常的に上座と下座を気にしてる。何も考えずに座った人を見た時、ちょっと不快に感じるかも」「スムーズに上座に案内できた方が印象はいいと思う」などの主張が上がっていました。必ず守らなければいけないマナーではないものの、普段から“席次”を気にする人は少なくありません。

席次ルールは不要?

気にする派としない派の意見が寄せられた“上座&下座”問題。席次ルールはビジネスシーンでも使われるマナーですが、実は「不要」と感じている人が多いよう。株式会社ビズヒッツは、以前“不要なビジネスマナーに関する意識調査”を実施しています。

 

500名の男女に“不要と思うビジネスマナーがあるか?”とたずねたところ、69.2%の人が「ある」と回答。また“不要だと思うビジネスマナー”を聞くと、84票で「名刺交換の所作」が第1位に。2位には「上座・下座の席次ルール(56票)」が選ばれました。

 

ちなみに回答者からは「ネット上でも上座、下座を気にするという風潮は理解できない」「エレベーターに乗るわずかな時間に立つ位置などの決めごとは不要だと思う」といったコメントが。会議や宴会だけでなく、エレベーターやオンライン会議でも「上座・下座」を気にする人がいるようです。

 

しかし席次ルールは昔からあるマナーのため、「気にしなくていい」とも言いきれません。周りの状況に合わせて、臨機応変に対応するのがベストかもしれませんね。

文/内田裕子
参照/株式会社ビズヒッツ「不要なビジネスマナーに関する意識調査」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000041309.html