婚約内定者の小室圭さん(29)の金銭トラブルの反論書を受けて、秋篠宮家の長女・眞子さま(29)は、結婚へのご意思に変わりがないことが改めてわかりました。おふたりの将来について、眞子さまの祖母・上皇后美智子さま(86)のご成婚のときから、皇室を取材してきたベテランジャーナリストが明かします。

 

2017年9月3日。眞子さまと小室圭さんの婚約内定会見(撮影/JMPA)

 

 「眞子さまは今回の小室さんの28ページに及ぶ反論書について、《いろいろな経緯があったことを理解してくださる方がいらっしゃればありがたい》とのコメントを発表されました。眞子さまは文書の内容についても相談を受け、関与していたということで、小室さんとの結婚の意思はお変わりないということがよくわかりました。もはや国民全体からの祝福を受けるのは難しいかもしれませんが、おふたりの結婚は決定的になったと思います」

 

そう話すのは、美智子さまと同じ1934(昭和9)年生まれで、美智子さまのご成婚の時から長らく皇室を取材してきた渡邉みどりさん。

1959年4月12日。世紀のご成婚とも呼ばれた当時、皇太子だった上皇さまと美智子さまのご成婚(写真/宮内庁)

 

「一連の金銭トラブルについて疑問にもつ人たちも多いと思いますが、今回の文書について宮内庁長官も《非常に丁寧に説明されている》と追認した形です。眞子さまの父・秋篠宮さま(55)も昨年のお誕生日の記者会見で《結婚はこれを認める》と発言されている以上、規定路線だと思います。そもそも日本一の旧家である皇室の結婚は困難が多く、紆余曲折(うよきょくせい)が多くありました」

2020年11月14日。今後、眞子さまの妹・佳子さま(右)のご結婚も注目される秋篠宮ご一家(写真/宮内庁)

 

そう渡邉さんが挙げるのは、眞子さまにとって曽祖父母にあたる昭和天皇と香淳(こうじゅん)皇后の例。

 

1959年4月12日。上皇ご夫妻のご成婚時の昭和天皇と香淳皇后。右端は島津貴子さん(写真/宮内庁)

 

 「香淳皇后の実家に先天的な障害の遺伝があるとして、結婚に反対する有力者が現れ、『宮中某重大事件』と世間を騒がせました。婚約が決まった後も関東大震災で、ご結婚は翌年に延期ました。

 

眞子さまの叔母にあたり、上皇さま(87)と美智子さまの長女・黒田清子(さやこ)さん(52)も紀宮(のりのみや)時代に、新潟県中越地震と高松宮妃喜久子さまの薨去(こうきょ)で正式な婚約発表が延期されました。それぞれ時代や理由は異なりますが、お立場のある皇室の方々の婚約、結婚はすんなりと進まないものです」

 

美智子さまも、現在の皇后雅子さま(57)も民間から皇室に入られるときには反対意見や疑問が出て、深く悩まれていたことは知られている。

1993年6月9日。皇太子だった天皇陛下と雅子さまのご結婚パレード(撮影/JMPA)

 

「ですから今回、美智子さまは眞子さまに“私も苦しんで(結婚を)決めたのだから、あなたも苦しんで決めたのだったら…”というような声をかけられたと聞いています」

 

とはいえ、眞子さまの結婚後の品位保持のために国庫から支給される一時金の1億数千万円については、厳しい目が向けられそうだ。

 

「小室さんの金銭トラブルでイメージが悪くなっていることは事実なので、一時金をすべて慈善団体などに寄付されるのが妥当ではないでしょうか。結婚して一般人となられる眞子さまの一時金の使い道には制限はありません。税金が原資である一時金を事実上、返上すればまだ納得できる人も出てくるのではないでしょうか。さらに、新婚生活は海外で送られるのがいいと思います」

 

そう大胆に聞こえる提言をする渡邉さんだが、これには前例もあり理にかなっていることだという。

2004年12月30日。延期されていた紀宮さま(当時)と黒田慶樹さんの婚約記者会見(撮影/JMPA)

 

「一時金を返上すれば、黒田清子さんのように都内にセキュリティの整ったマンションを購入されることは難しいはずです。日本国内で結婚生活をされることになれば、おふたりは好奇の目にさらされ、後述しますが警護上の問題も出るので、海外生活が合理的です。

 

特に小室さんはニューヨーク州の弁護士資格取得を目指しているということで、アメリカでの生活を視野に入れているはずです。眞子さまもイギリスに留学していたので、英語圏での生活に苦労されることはないでしょう」

 

眞子さまもアメリカで仕事をされることが、元女性皇族の新しいスタイルになるはずだという。

 

「眞子さまは学芸員の資格などもすでに取得されているので、美術や芸術系の仕事に携わることができるはずです。小室さんの生活もすぐに安定するとは限らないので、眞子さまも一緒に働けば、“海外での共働き”という元皇族としての新しいライフスタイルになります。

 

皇籍を離脱した女性皇族が仕事をすることは当たり前です。黒田清子さんの夫は東京都庁に勤務していますが、ご自身は伊勢神宮の臨時祭主を務め、自宅を空けることもありました」

2011年10月8日。美術品をご覧になる眞子さま(写真/宮内庁)


実は皇室でも眞子さまにとり、清子さん以上に、“大先輩”である島津貴子(たかこ)さん(82)というお手本があるという。貴子さんは、昭和天皇の五女で、“おスタちゃん”の愛称で親しまれた清宮(すがのみや)貴子さまのこと。

1960年8月10日。上皇ご夫妻と軽井沢で過ごす島津貴子さん(左)。右は夫の久永さん(写真/週刊女性)

 

 「旧薩藩出身の島津久永さんと結婚され婚約記者会見のときに“私の選んだ人を見てください”というセリフは当時の流行語にもなりました。警護の問題でも実は当時、世田谷区に住んでいた島津夫妻の長男の誘拐未遂事件が起きたこともあり、教訓となっています。元皇族の護衛は皇宮警察ではなく、お住まいが東京であれば警視庁が担当することになります。

 

眞子さまと小室さんの場合、金銭問題で警護費用さえ批判の対象になる可能性があります。そこで、アメリカなど海外であれば日本ほどの警護は不要で、必要があれば滞在国にお願いできるはずで、誰にとっても負担感は減ると思います」

 

貴子さんは異色の元女性皇族として活躍してきたので、眞子さまは参考にされるかもしれない。

 

「一般人となった島津貴子さんは住居や移動の自由があるので、夫の仕事の赴任でワシントンやシドニーで暮らしたこともあります。黒田清子さんが結婚するときもテレビに出演するなどメディア対応にも積極的でした。さらには、ブティックを開いていたことや、高級ホテルの取締役に名前を連ねていたこともあります。

 

眞子さまは、学習院以外の学校で学んだこともあり、留学経験もあるので今までの皇族にはない考え方や人脈があると思いますので、貴子さんや清子さん以上の新スタイルを生み出されるかもしれません」

 

PROFILE 渡邉みどりさん

わたなべ・みどり。ジャーナリスト。文化学園大学客員教授。1934年東京生まれ。早大卒業後、日本テレビ放送網入社。女性で初の日本民間放送連盟賞・テレビ社会部門最優秀賞を受賞。皇室関連の著書多数。近著に『美智子さま いのちの旅―未来へー』(講談社刊)