各地の小学校では、入学式や新学期スタートから1週間ほど過ぎ、子どもたちも少しずつ新しい環境に慣れてきた頃ですね。

 

そんな中、新1年生のママ・パパは、わが子は小学校で毎日ちゃんとやっていけているのか、何か困っていないかと特に気になっていることと思います。

 

ただ、同じ1年生でも、今日あったことや先生のこと、友達のことをうるさいくらい話してくれる子もいれば、何を聞いても「楽しかった」「わかんない」程度しか話してくれない子もいます。

 

保育園のようにお迎え時に昼間の様子を聞けたり、連絡帳を事細かに書いてもらえたりするわけではないので、子ども本人から話が聞けないと少し不安になってしまいますよね。

 

また、新入生でなくても、学校のことが分からないのはどこか心配なもの。

 

そこで今回は、お子さんが家で学校の話をしない理由や、様子を知るためのおすすめの方法を紹介します。

「入学以来ずっと聞かないと話さないし、なんなら聞いても話さない」なら

小学生のお子さんが、自分から学校のことを教えてくれないばかりか、

 

「今日は学校でどんなことした?」

 

「給食おいしかった?」

 

などとと聞いても、

 

「忘れた」

 

「勉強した」

 

しか返ってこない…。

 

そう嘆くママ・パパもいることと思います。

 

しかし、小学校低学年の子にとって、1日のさまざまな体験の中から親が関心を持つであろうできごとをピックアップして分かりやすく伝えるのは意外と難しい作業です。

 

かといって、1時間目からの授業や休み時間の出来事を全部話すなんて大変だし、ちゃんと思い出せない…。

 

だから、

 

「忘れた」「わかんない」「普通」

 

という返事になってしまう子も多いのではないでしょうか。

 

ただ、入学してからずっとその調子なのであれば、それは本人の性格であり、無理に聞き出そうとしてもうまくいかないことも多いでしょう。

 

もし少しでも話を聞きたいなら、

 

「どんなことした?」「給食なんだった?」

 

という漠然とした質問よりは、

 

「運動場にはどんな遊具があるの?」「今日の給食のおかずは、お肉とお魚どっちだった?」

 

のように、できるだけ具体的に、細かいレベルまで分解して聞いてみると答えやすいかもしれません。

 

ただし、あまり学校でのことを話さない子は、いざトラブルが起きたときにすぐに把握できない可能性があるため、日々のちょっとした表情や態度の変化を見逃さないよう気を配っておく必要があります。

 

子どもに対しては、折に触れて「もし困ったことがあったらいつでも教えてね」と伝え、話しやすい雰囲気作りも心がけておくといですね。

 

担任の先生には、家庭訪問や懇談の時などに、「あまり外でのことを話さないので、気になることがあったら教えていただけると助かります」のようにひとことお願いしておくと安心です。

 

また、クラスに信頼できるママ友がいれば、お子さんづてに何か聞いたら教えてねと頼んでおくのもいい方法ですね。

よく話してくれる子が急に話さなくなったら要注意

一方、いつもは次々に学校での話をしてくるのに、急に子どもが学校生活を話題にしなくなった場合、なにかトラブルが隠れている可能性もあります。

 

そんな時は、まずは比較的落ち着いているお風呂タイムや就寝前などに、他のきょうだいが聞いていないタイミングで、子ども自身に

 

「最近、学校でなにかいやなことはない?」

 

と聞いてみます。

 

そのとき、もし子どもが話してくれたら、内心(それはあなたも○○だから悪いんじゃ…)と指摘したくなっても、ぐっとこらえて話を最後まで聞いてあげて下さい。

 

その上で、本人が乗り越えられそうな内容であれば励まして見守り、対処が必要なら早急に担任の先生に相談しましょう。

 

「別に何もない」

 

と答えたとしても、あきらかにいつもと違うときは、まずは担任の先生に学校での様子を聞いてみるのが良いですね。

 

学校ではなく、登下校時や学童保育・スポ少や習い事などでトラブルが起きている場合もあるので、何が原因か分からないときは範囲を広げて、それぞれ信頼できる先生やママ友などに確認してみるのがおすすめです。

 

ただし、学年が上がるごとにだんだん話すことが減ってきた…というのは、それまでは親や家庭と同一化していた子どもの価値観が、友達のほうへシフトしてゆく自然な成長の段階なので、心配いらないことがほとんどです。

おわりに

小学校に入学すると、親が学校へ訪れたり先生と直接話したりする機会が減り、保育園や幼稚園と比べると様子が分からず心配なこともありますよね。

 

ただ、それは少しずつ子ども自身の世界が確立していく時期になったということでもあります。

 

トラブルがないかどうかは常に気にかけつつも、一歩離れて見守っていきたいですね。

文/高谷みえこ