2児の母親業と美容YouTuberの二足のわらじを履き、精力的に活動しているマリリンこと福世優里さん。YouTuberとして活動を始めた経緯を伺った前回記事
(※)に続き、育児やパートナーとの関係性について伺いました。
「なんでやってくれへんの!」は、夫に通じない
── 昨年独立され、いまは自宅兼オフィスで仕事をしているそうですね。子育てしながらのYouTuber生活、どう両立していますか?
マリリンさん:
YouTuberって日常が仕事にもなるので、オンオフの切り替えができず生活時間がぐちゃぐちゃになってしまう人も少なくありません。以前は私も、どのタイミングで休めばいいのかわからなくて、ストレスもひどかった。それで子どもにイライラしたり、夫に当たってしまってケンカになったり…。そんな生活が1〜2年続いてしまったので、休みをきちんととることにしました。いまは、仕事は平日だけと決めていて、土日祝日は必ず休んでいます。
平日は子どもを保育園に預けて、仕事はだいたい9時半から18時まで。子どもがいる前では極力仕事をしないようにしています。
「やってほしいことは具体的に言葉で伝える」を習慣に
── ときどきYouTubeにも登場するパートナーとも、仲が良さそうですよね。ふだんの家事分担はどうされていますか?
マリリンさん:
それが…夫は最近までいっさい家事をしなかったんですよ!子どもが1人のときは全部私がやっていましたが、さすがに2人目ができてからは無理だよって伝えました。私も変なプライドがあって、「私がやる!」みたいな姿勢でいたので、それで疲れちゃったんでしょうね。突然ブチ切れて、何回家を飛び出したことか…(笑)。
当時は「なんでやってくれへんの!なんでわからへんの!なんで気づかへんの!」って毎日怒っていました。でも、いくら夫婦といえど、すべて通じ合えるわけじゃないですもんね。夫にやってほしいことは、言葉できちんと伝えないとあかんなぁと思って、夫婦で話し合うようになってから関係が変わりました。いまではだいぶお互いに相手を思いやることができるようになり、自然に家事分担ができています。
── それはよかったです(笑)。家事分担する中で、夫婦関係がうまくいくように心がけていることはありますか?
マリリンさん:
たとえば「お皿を洗ってくれたけど排水口にゴミが残ってる」とか、そういうことってあるじゃないですか。それに対して、あえて何も指摘しないようにしています。「ありがとう!めっちゃきれいになったね!嬉しい!」とだけ伝えれば、嫌な気持ちになる人って絶対いないと思うから。
そんな感じで大絶賛を続けていたら、細かいところにも気づいてくれるようになりました(笑)。あとは、お互いに感謝すること。意識的にそうするように変えてから、家事系のケンカはだいぶ減りました。最近は、掃除や育児を積極的にやってくれるのでかなり助かっています。
週末は夫婦それぞれ別行動で自由時間を
── 毎日お忙しいと思いますが、リフレッシュの方法はありますか?
マリリンさん:
運動することですね。週に1回ジムに行って、体を鍛えています。ジムに行く日は朝3時に起きて、4時ごろから筋肉トレーニングを1時間、そのあとは有酸素運動。これがすごいリフレッシュになるんですよね。
仕事や育児をしていると、自分の時間ってなかなかつくれないですよね。つくろうと思うと、早朝や夜中になってしまう。だから夫と話し合って、週末はたまにお互いに自由な時間をつくれるようにしています。
「今日、私は美容院へ行くね」「土曜日、俺はジムへ行くけどいい?」と、どちらかが子どもをみて、どちらかが自由な時間をつくれるように話し合うことにしたんです。以前はそういう時間もなかったので、私も育児と仕事でいっぱいいっぱい。リフレッシュタイムのおかげで、夫婦関係もよくなりました。
相手に気づいてもらおうとするんじゃなくて、自分の考えていることを伝えることで解決することってたくさんあると思います。夫婦で話し合う時間を増やしたことで、私たちの関係もずいぶん変わりました。
わが子の「自己肯定感」を高めるためにしていること
── YouTubeを拝見していると、“自己肯定感” についての相談が多いですよね。お子さんの子育てでも意識していることはありますか?
マリリンさん:
私自身、子どもの頃から「あの子、ちょっと変わってるね」と言われることが多かったんです。外見だけじゃなくて中身も。中学生まではコンプレックスだらけでしたが、高校生になって自分らしさを生かすメイクに出会ったことで、だんだん自分を好きになれたという経験があります。
だから、子どもにも自分で好きでいてほしい。極力、その子がやっていることを否定から入らないようにしています。
── 否定から入らない…確かにそれは大事ですよね。でも、現実的にはなかなか難しいこともあります。
マリリンさん:
できることからでいいと思います。たとえば絵を描いていて、ほかの子の絵と比べちゃうことってありますよね。「あの子は上手に塗れてるのに、私ははみ出しちゃう」とか。そんなときは「はみ出してええねんで!」と伝えています。きれいに塗ることがルールじゃないし、顔の色はベージュでもピンクでもいい。
「自分が好きなようにしていいよ」と伝えてあげたら、子どもも「ママ、見てー!」と嬉しそうに絵を見せてくれるようになりました。もちろんときには疲れや忙しさから否定的になってしまうこともあります。でも、できるだけ子どもの自信につながるように声をかけてあげたいと思っています。
同じ働く女性に伝えたいのは「力を抜く」ことの大切さ
── YouTubeの視聴者には主婦層が多いそうですね。CHANTO WEBの読者にも仕事や家事、育児で悩みを抱えている人が多いと思います。
マリリンさん:
そんな方々に一番伝えたいことは、「力を抜いていきましょう!」ということ。力を入れるとほんまに疲れるし、いいことないです。「こうじゃないといけない」なんて思わなくていいと思います。あなたらしく、力を抜いて、まぁこんなもんでいいかぐらいの感じでいきましょう!
私自身も、「今日は力を入れすぎちゃったなぁ」と思うことは、たくさんあります。力が入っていることって意外と自分で気づかなくて、無意識に頑張っちゃうんですよね。愛があるからこそ夫や子どもにイライラしたり当たってしまうこともある。育児って、本当に難しいですよね。
視聴者の方にアドバイスをもらったり共感してもらうことも多くて、いつも支えてもらっています。誰かに気持ちを共感されること自体が、心の支えになるんですよね。私のチャンネルにはたくさん先輩ママがいるので、話を聞いてほしいときはぜひ遊びに来てください!
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どんな質問にもポジティブに向き合ってくれたマリリンさん。YouTubeでは悩み相談のコメントが多いというのも納得でした。最終回となる次回は、マリリンさんが「メイクと同じくらい大好き」だという、自宅のインテリアを紹介します。
Profile マリリン(福世優里)さん
1994年生まれ。大阪府出身、茨城県在住。2015年より“変身メイク”をYouTubeに投稿を始め、チャンネル登録者数は89万人(2021年4月現在)。現在はYouTuberとしての枠を超え、メイク講師や、企業へのSNSアドバイザー、コスメ商品のプロデュースなど活動は多岐にわたる。夫、長女(6歳)、次女(2歳)の4人家族。
取材・文/大野麻里 撮影/松村隆史