そんな背景を踏まえ、今注目のブランドとその取り組みについてご紹介します。
今回取り上げるのは、国内でも珍しい国産サボテンをふんだんに使ったナチュラルコスメ。地域の活性化にもつながる新しい取り組みから生まれた素敵な商品です!
愛知・春日井市で生まれた国産サボテンコスメ
コロナ禍において、国産にますます注目が集まっている今、サボテン生産量日本一の愛知・春日井市で今年2月、サボテンを使ったサボテンコスメ「SABO LABO」がローンチしました。
第一弾としてミルククレンジングが開発され、販売がスタート。この事業は、愛知県春日井市の美容室や飲食店の経営、託児所など、地域に根付いた店舗・サービスを展開するブランシェグループによる取り組みです。
前身のブランド「sabo de sabo」は2011年にデビュー。当時、世界初の国産サボテンエキス配合したサボテンコスメブランドとして、春日井市のまちおこし商品というかたちで、愛知県地域資源認定商品に採択されました。
それから10年。新たなサボテンコスメブランド「SABO LABO」を立ち上げるにあたり、改めて市民と一緒に作る「国産サボテンコスメブランド」としてリブランディングされました。生産地や地域に根付いた、新しい形のサスティナブルブランドが誕生したのです。
主役となるサボテンは、昔から私たちの生活に寄り添った植物であり、そのパワフルな効能には多くのファンがついています。このサボテンの肌への保水力や治癒力に着目し、最大限の力を引き出して、製品化が実現しました。
美容成分を92%も配合!しっとりミルククレンジング
今回開発したミルククレンジングは、なんと美容液92%という、まるで“塗るコスメ”のようなしっとりとした潤いを与えるクレンジング洗顔料。紫外線や乾燥した環境でも自ら水分を保ち、乾燥から身を守って生き抜くサボテンのエネルギーを生かした処方となっています。
純国産のウチワサボテンを配合し、しっかり汚れやメイクを落としながら、肌をしっとり潤わせる独特の使用感が特徴。そのほか、ビタミンCを多く含み肌のくすみを取り除き、毛穴を引き締めるブロッコリー、伝統的な和素材である糖蜜、酒造メーカー銘酒「紀伊国屋文左衛門」の酒粕、抗酸化力のあるシトラスなど、こだわりの4つの成分を厳選して配合しています。
香料、アルコール、石油系合成界面活性剤、石油系防腐剤、パラベンの5つの成分を無添加処方で、肌にも優しい処方設計。マスカット1粒大を手に取って手のひら全体に伸ばし、顔を包み込むようにメイクとなじませたら、さらに水を加えて乳化させ、すすぐだけ。肌が柔らかく、みずみずしく調います。夜のクレンジングはもちろん、朝の洗顔にもぴったりです。
使う人の声を色濃く反映し、地域密着で作り上げた
地域密着型の新しいサスティナブルブランド・SABO LABOは、春日井市役所、中部大学、春日井商工会議所、春日井市観光コンペンション協会、春日井市を中心とした地元企業(美容サロン、地方銀行、保育所、保険会社、証券会社、航空会社など)を通じて1万人へのアンケートを実施し、そのリアルな声を投影しています。
洗い上がりのしっとり感を実感する声がある一方で、「さっぱり感も欲しい」という声に寄り添い、洗浄力を高めつつ、保水力や保湿力を維持する配合へと改良。その結果、しっとり感を残しつつ、しっかり汚れを落とせたという実感も感じられる洗顔料に進化したのです。
2010年当時、サボテンのまちとして知られる地域の大切な原料を使って、当時はサボテンビールやサボテンラーメンなどの食品は存在していたものの、ヘアケアやスキンケアなどの化粧品ジャンルの商品はありませんでした。
そこで、地域密着型企業であるブランシェグループが、サボテンの髪や肌に与える効能などを自社の化粧品工場で研究、開発し、ブランドが誕生しました。
サボテンの名称の由来は、その昔、南蛮人たちがサボテンの樹液を使い、衣服を洗うときに出るシャボンからの由来とされているほど洗う力もある植物という事実も確認。SABO LABOは今後も次の5つの約束を守りながら、地域特産であるサボテンを原料に、製品開発を手がけていくと言います。
- お客様の声に耳を傾け、じっくり時間をかけて作ること
- 大切な家族とシェアしたくなる優しい処方にこだわること
- 高品質で鮮度の高いものを自社工場で徹底管理すること
- ミニマル、エシカルに、続けやすい価格で届けること
- 地産地消コスメ 地域密着企業が手掛けること
今後の商品展開にも要注目です!
文/久保直子