仕事や家事育児、生活の中で感じるモヤモヤ。

 

「暮らしに前向きな変化を起こす」をテーマに、イラストや文章をSNSなどで発信している描き子さんはどう感じ、考えているのでしょうか。

 

今回は、男性にとっての結婚と、女性にとっての出産がある意味似ている?という話題です。

 

この世のモヤモヤは、自分の視点を変えてみれば楽になる…かもしれません!

結婚で悩む男性たち、出産で悩む女性たち

 

結婚した男友達が、いも焼酎をあおりながらひっそりと呟いた「俺の人生はもう終わった」 という言葉がずっと忘れられません。

 

彼は決して嫌々結婚したわけではなく、自分からこの子!という子を選んですごく素敵な人と結婚したのです。それでも、冷静に、でも寂しそうに言っていました。「あとは妻と子どもに尽くすだけの人生だ」と。

 

男性って、女性が思っている以上に「妻子を金銭的に養う」ことに対して責任を感じてるのかもしれないなあと感じることがあります。

 

たとえ共働きだとしても、奥さんよりたくさん稼ぐべきだとか、奥さんに仕事をやめてもいいと言える人間でいなければいけないとか、そんな風に考えている人は多いようです。

 

これと似ているなと思うのが、女性にとっての育児。

 

女性が子どもを産むか産まないか?いつにするか?と悩みまくるのも「子どもを育てる」ことに対して責任を感じているから。

 

たとえ夫がすごく育児に協力的だとしても、例えばもし子どもが入院したら、付き添って病院に入るのは絶対に自分だと考えている人が多いと思うんです。

世間一般の感覚より、自分の感覚を大切に

男性も女性も、そんなに深刻にならなくてもと言うのは簡単ですが、最終的に家を支えるのは男性であるべき、子どもを見るのは女性であるべきという考えは社会に根深く根深く残っていて、簡単に無視できるようなものではない。それは現実として、そういうものだと思い ます。

 

ただ忘れちゃならないのは、そのステレオタイプな考えはあくまで「社会」のものだということです。

 

そういう社会の考えはさておき、自分が実際はどうしたいのか。それからもちろん、自分のパートナーがどう考えているのか。

 

本当に大切にしなければならないのは、こっちの方ですよね。

 

決めつけずにお互いの気持ちを確認しあうことができれば、案外、相手はそんなことにこだわっておらず、ただの取り越し苦労だった、ということもたくさんあると思います。

 

私自身「家事は女である私がやらねば」という社会的な女性の役割みたいなものを、頼まれもしないのに背負ってしまっているところがいまだにあります。

 

でも、勇気を出して「料理を作るのが面倒でたまらん」とか「買い物がだるい」とか、そういうことを恐る恐る夫に打ち明けてみると、驚くほどすんなり「じゃあ買い物と料理は俺がやるねー」なんて答えが返ってくることがあるんですよね。

 

ま、返ってこないこともたくさんありますけど(笑)。

 

いずれにせよ、「本当はやりたくない」と伝えておくのは大事だと思うのです。相手に伝えることで、少なくともそれが1人で背負う責任ではなく、2人で解決すべき「問題」になるんですから。

 

一般論はあくまで一般論。不必要な「男らしさ」「女らしさ」の責任を肩から下ろして、夫婦お互いのニーズにあった家族像を模索していけたらいいですよね。

 

文・イラスト/描き子