新年度がスタートし、何かと忙しい時期を迎えました。勤務先の部署移動、新しいプロジェクトのスタートや子どもの進級などにより、しばらくは慣れない生活を送る人も多いでしょう。生活のリズムが定着するまではストレスを抱えやすく、心も体も疲れやすくなります。
また、新生活に伴って新しく増えたもののせいで「部屋が散らかる」「片付けにくい」「定位置が定まらない」などの悩みも抱えやすい時期です。
そこで今回は、片付け下手な人でも無理をせずにできる収納プロセスについてまとめます。
1.今の時期、頑張って片付ける必要はない
ずっと家がきれいであることに固執する必要はありません。例えば節約も、目標があって頑張る時期と、少し緩めて生活を楽しむ時期があるように、”ずっと頑張る”ことがベストではなく、メリハリも必要なのではないでしょうか?
環境に変化があり、収納や片付けが苦手な方は特に、今は少し自分を律する気持ちを緩めてもいい時期だと思います。新生活を完璧に頑張ろうとするあまり、自分にストレスをかけ過ぎないようにコントロールしましょう。
2.最低限きれいにしたいポイントは3つ!
とは言え、散らかり過ぎた部屋を見ることもまたストレスになります。ここだけある程度きれいにしておけば、気持ちが落ち込んだりストレスを感じることが少ない、というポイントを挙げておきます。
①玄関
1日の始まりと終わり、つまり出かける時と帰宅後に一番最初に目にする場所です。この場所を散らかりにくくするために、なるべく物を置かずにすっきりさせておきましょう。
特にありがちなのが、サイズの合わない靴、履かなくなった靴までなんとなく玄関に置いたままにしているパターン。これらをわざわざ狭い玄関に置く必要はありません。他の場所に移動できるなら、別保管にしましょう。そうすることで、たたきに並んだいつも履く靴が、玄関収納にすっきりと収まります。
②リビングドアを開けて一番目立つ場所
間取りにより違いがあると思いますが、帰宅後にリビングドアを開けて一番目に付く場所を確認してみてください。そこが散らかっていると、その様子を見るだけで疲れが倍増してしまいます。
少なくともその場所だけは、すっきりさせることを心がけましょう。「ここにはこれだけしか物を置かない」と具体的にルールを決めるのもいいと思います。
③床
床は面積が広く際限なく物を置けるため、つい気が緩んでしまいがちです。物を置きっぱなしにすることで掃除がしにくくなり、掃除時間が長くなるなど、デメリットばかり。なるべく床には物を置かないように意識しましょう。
3.収納の見直しは最小単位から
収納が苦手な方にはストレスかもしれませんが、散らかった場所が「片づいた」という結果には、モヤモヤした気持ちをすっきりリセットさせる効果も。これを上手く利用するには、成功体験を積み重ねる必要があります。
ただし、よく「今日はキッチンを片付けよう!」などという人がいますが、キッチンとひと口に言っても、片付ける場所はたくさんあります。このようなざっくりした目標を掲げてしまうと、どこからどこまで手をつけるべきかわからなくなり、結局挫折してしまう場合が多いのです。
ですので、必ず欲張らないこと。たとえば、
- 財布の中やバッグの中
- キッチンの引き出し1個
- リビング収納を少しずつ
など、最小単位から”片づいた”という成功体験を積み重ねていくことが大切です。
4.今こそ、よく使うものを優先的に使いやすい位置に
慣れないことには時間がかかるものです。出勤時間が変わった、引っ越して部屋が変わった、新学期になった…といった場合、朝のスタート時間が変わるうえ、支度の内容も変わり、当然今までより時間がかかります。帰宅後もまた同じですよね。
今は特に、日々必要な「今使うもの」を優先的にすぐ取れる場所に置いて、戸惑わずに生活リズムを整えることを重視しましょう。
例えば、新1年生の子どものランドセル。「ランドセルは子ども部屋に」という発想をしてしまいがちですが、理想はいったんおいておきましょう。慣れるまでの期間は、親子ですぐ確認でき、子ども自身がすぐ片付けられる場所に置くことがベストです。
5.苦手な人は「収納のプロ」に頼る手も
どうしても収納システムがうまく作れない。どこに何を置けばいいのか見当もつかない…。そんな時には、私たちのような整理収納の専門家に相談するのも1つの手です。
専門家の提案で整理収納システムができてしまえば、「元あった場所に戻すだけ」なので、自分で一からシステムを構築するよりだいぶラクになります。近隣の信頼がおける整理収納のプロを探してみてください。
物や衣類が溢れてどうしようもない場合は、荷物保管サービスや保管サービス付きクリーニングを利用するのも手です。宅配で利用できるサービスにすれば、労力も最低限で済みますよ。
6.新生活の「頑張らない収納」のコツまとめ
新生活を始める人がぜひ気をつけて欲しい「頑張らない収納」のポイントは以下の通りです。
①自分に負荷をかけ過ぎずゆるく片付ける
②ポイントを絞ってある程度部屋をすっきり見せる
③挫折を減らすために、見直しは最小限から
④「今使うもの」を優先席に収納
⑤サービスを利用して負担を減らす
新年度のスタートはストレスを抱え過ぎず、明るくスタートしたいもの。無理せず、適度にゆるく、家族やサービスを上手に頼りながら、新しい暮らしのリズムに慣れていきましょう。
文/瀧本真奈美