Google 認定トレーナーが教える仕事術のイメージカット

無料アプリの数は今やおよそ70を超えるというGoogle。GmailやGoogleカレンダーなど、日常的にビジネスで利用している人も多いはず。そこで今回は、『Google式10Xリモート仕事術──あなたはまだホントのGoogleを知らない』の著者であり、「Google認定トレーナー」及び「Google Cloud Partner Specialization Education」の2つを保有する国内唯一の女性トレーナー経営者・平塚知真子さんに、Googleを活用した仕事術について話を伺いました。

短時間で仕事をこなすために平塚さんが大切にしている3つのこと

──  著書『Google式10Xリモート仕事術――あなたはまだホントのGoogleを知らない』では、リモートワークをサクサクこなすためのGoogleアプリや連携術について語られていますが、平塚さんご自身が普段お仕事で活用されているGoogleアプリのなかで、時短術に欠かせないアプリについて教えてください。

 

平塚さん:

まず、仕事を短時間で終わらせるために、ひとつひとつのタスクに時間を設定するようにしています。皆さん家事もそうしていませんか?例えば食器を洗うとき「5分で終わらせよう!」と、頭の中で時間を設定し、ゲーム感覚でそれまでに終われるようスピーディにお皿を洗っていきます。そして、その予定を「Googleカレンダー」に入力してみてください。1日のうち、何にどのくらいの時間がかかっているのか、見える化します。

 

こそれは仕事も一緒です。「このタスクは◯分で終わらせる!」と時間を決めたら集中して一気に片付けていきます。ですが、決められた時間内にタスクが終わらなかった…。そういうこともありますよね。そういう場面でも「Googleカレンダー」なら予定をドラッグするだけで時間を修正できます。ただスケジュールを管理する道具という捉え方だけでなく、どこのタスクにどれだけ時間がかかったのか顕在化させ、自分の苦手分野をあぶり出す目的にも使えます。タスクをこなすだけでなく、ちょっと高いところから自分のやっていることを俯瞰して、次へ生かすためにアプリを利用してみましょう。

 

私の場合、まず一日のはじめに、今日のタスクを細かく洗い出し、すべてのタスクの作業時間をアプリに設定します。もしも時間内にタスクが終わらなかったら、アプリに設定していた作業時間を実際にかかった時間にドラッグで修正しましょう。そして、一日の終わりに再びアプリを開き、どのタスクが時間内に終わらなかったのかを確認してみてください。時間がかかったタスクも簡単にわかります。

 

──  確かに自分が苦手なタスクがひと目でわかるので、改善点が見えてきますね。

 

平塚さん:

そうなんです。考えているよりも時間が実際かかっている作業って意外にあります。ちなみに、タスクを洗い出すときはできる限り業務を細分化しましょう。洗い出したタスクのうち、「いますぐ」ではない、ちょっと先の予定、またリマインダーをかけたいタスクはタスク管理アプリ「Google To Doリスト」に記録しています。思いがけず時間が空いたときに「Google To Doリスト」を開き、隙間時間でもできるタスクを片付けるようにしています。「Googleカレンダー」と違って、「Google To Doリスト」はタスクが終了したら、クリックひとつでシュッと非表示になる点です。「片付けた!」という達成感を得られます(笑)。

 

──  移動時間や予定よりの打ち合わせが早く終わったときなど、ちょっとした時間を利用することがまさに時短へ繋がりますね。

 

平塚さん:

はい。ここまではアプリを使って具体的に私が実践していることについてお伝えしましたが、実はアプリの使い方は「考え方」がとても重要です。仕事に向き合うときは常に顔を上げ、前向きな気持ちでいることが大事ですよね。それには自分自身の中に目標を掲げることが大事で、Googleはその目標を叶えるためのツールとして非常に役立ちます。むしろどんなに優れたツールであっても、使う目的がなければ生かされません。ぜひなんのためにアプリを使うのか、意識するようにしてみて下さい。

ハイブリット勤務をする人のための通勤時間を利用した仕事術

──  リモートワークをしながら通勤もするハイブリッド勤務をしているビジネスマンも多いかと思いますが、通勤時間を利用した仕事術についても教えてください。

 

平塚さん:

まず、Google活用のメリットはどこにいたとしても、どのデバイスを持っていたとしても、いつでも自分のデータに安全にアクセスできるということです。事前に設定しておけば、オフラインでもアクセス可能です。それは電車の中であったとしても、Googleを利用すればスマートフォンを利用して仕事をすることができるということ。

 

私の場合、原稿は「Googleドキュメント(MicrosoftのWord」のような文章を執筆できるアプリ)」を利用していますが、あらかじめスマートフォンにそのアプリさえダウンロードしておけば、電車の中であっても原稿の続きを執筆することが可能です。スマホだと音声入力も可能です。原稿以外にも、企画書や資料の作成はもちろん、部下から送られてきた資料を移動中に確認・修正・コメントをつけることもできるので相手を待たせることなく仕事を進められます。また、「Googleスプレッドシート」を使用すれば、表計算や伝票への書き込みなども、スマホひとつで作業可能です。

 

これらのデータは自動的にクラウド上に保存されるためPCやスマートフォンなどデバイス間の移動は不要。ですから、旅先であっても、移動する車内であってもGoogleさえ利用すれば、世界中どこにいても仕事の続きを必要な相手とはじめられます。

 

また、生産性劇的向上にオススメなのが音声入力機能。実はこの取材の前も、音声入力機能を利用して取材でお答えする内容を原稿化していました。それも歩きながらするとアイディアが浮かびやすいため、朝のウォーキング中におこないました。これは、Googleのデジタルメモアプリ「Google Keep 」を使います。音声入力のメリットはアイディアが思いついたらそれを話すだけで文字起こししてくれること。タイピングしている間にアイディアを忘れてしまった!紙のメモをなくしてしまった!ということって意外とあると思うのですが、その心配もなくなります。もちろん「Google Keep 」のテキストデータはワンクリックで、Google ドキュメントに出力できます。他にも、音声入力は会議の議事録を取るときにも役立ちます。Googleの音声入力はAIを活用し、文字変換の精度が高いのでおすすめです。

Googleアプリで家事までも捗る?

──  お仕事で使えるGoogleアプリについてこれまで伺ってきましたが、家事・育児にも使えるアプリはありますか?

 

平塚さん:

「Google Keep(キープ)」というアプリを皆さん利用したことはあるでしょうか? さきほどもご紹介した、Google版のメモアプリといった感じですが、このアプリはメモした内容を他の人と共有することができ、さらにリマインダーをかけることも可能です。

 

例えば、冷蔵庫に牛乳を切らしてしまい、仕事帰りに旦那さんにコンビニで買ってきてもらいたいと思ったら、Google Keepに「牛乳を買う」とメモし、GPS機能で最寄りの駅を設定し旦那さんと共有しておきます。すると、旦那さんが駅に到着したときにリマインダーが鳴って「牛乳を買う」とお知らせしてくれるという仕組み。うっかり買い忘れることもなく便利です。

 

皆さんの中にある「こうだったらいいのにな」を叶えてくれるGoogleの便利なアプリ。目的に合わせ最適なアプリを活用してみてください。

 

PROFILE 平塚知真子

Google認定トレーナーの平塚知真子さん

イーディーエル株式会社代表取締役。早稲田大学第一文学部(教育学専修)卒。筑波大学大学院教育研究科修了(教育学修士)。筑波大学大学院非常勤講師。「Google 認定トレーナー」及び「Google Cloud Partner Specialization Education」の2つを保有する国内唯一の女性トレーナー経営者。数時間でITスキルを劇的に引き上げる指導に定評があり、「Google 最高位パートナー」と呼ばれる。出版社勤務を経て専業主婦になるも、学習欲が高じて大学院に進学。在学中に事業欲が高まり、教育会社を起業し、現在に至る。
取材・文/望月琴海