小学生の親に多い悩みの1つが「子どもを叱るとき、これでいいのか自信がない」「つい叱りすぎてしまう」など、「叱り方」に関するもの。

 

今回は、小学生以上のお子さんのいるママ・パパ20人に聞いた「わが家の叱り方」のコツやルール、叱って子どもがシュンとしてしまったときのフォローのポイントなどを紹介します。

子どもを叱るときのルールやコツ

子どもを叱るとき、世の小学生ママ・パパはどんなことに気をつけているのでしょうか。

 

  • この叱り方は効果なし&子どもの気持ちが傷つく!

まずは、「これはよくない」とママ・パパたちから出た叱り方を挙げてみます。

 

  • この前はよかったのに今日は叱られた

親の気分で叱られたり叱られなかったりすると、子どもは一貫した基準のもとで安心して行動できません。親の顔色を伺ったり、反対に親の言葉を真剣に受け止めなくなったりすることも。

 

  • 以前のことも持ち出して叱る

今やっていないことで叱られるのはとっても理不尽。自分がもしパートナーや上司から同じことをされたと想像してみれば、子どもに対してもそんな叱り方はするべきではないと思えますよね。

 

  • 誰かと比べて叱る

比べられれば子どもは劣等感を抱き「どうせ自分なんて…」と思ってしまいます。また、きょうだいや友達を引き合いに出せば、その相手との関係までギクシャクする可能性が。

 

  • なんで?と問い詰める

ほとんどの子どもは、いけないことをしたとしても、その理由を論理的に説明などできません。また正直に「面白そうだったから」などと言えば、余計に叱られる可能性もありますよね。その場を逃れるために嘘を言わせてしまうことにもなりかねないので、1回は聞いても良いですが、期待通りの返事が引き出せないからといって問い詰めるのは逆効果です。

 

  • 何回も同じ事を言う

1回注意しただけでは子どもが理解していないように見えることもありますが、そこで何度もしつこく繰り返しても,、子どもはあまり納得しないことが多いもの。1回はっきりと伝えて、ぱっと切り替える方が、叱る方もエネルギーが少なくてすみますね。

 

  • 脅す

何度言ってもお風呂に入らない、お片付けしない、布団に入らず遊ぶ…イライラして、つい「寝ないとお化けがくるよ!」「パパに怒ってもらうよ」などと脅かしてしまった…という経験がある人も多いのではないでしょうか。この方法については、 「小さい頃は効き目あったけど、もう小学生。なにかの時にお化けなんてこない…と子どもが気付いたときに私の信用がなくなりそうなのでやめました」(Oさん・38歳・1年生のママ) 「パパを悪者みたいにするのってどうなの?と思うので、子どもに使ったことはありません」(Yさん・40歳・3年生のママ) というママの声も。

 

  • 叩く、無視する、食事を抜く

たとえ「愛のムチだった」「しつけ目的」と考えていたとしても、これらは現在「児童虐待防止法」によって体罰としてはっきり禁止されています。

 

小学生ママ・パパがおすすめする叱り方

では反対に「これは子どもに通じた気がする」と小学生のママ・パパが話す叱り方をいくつか挙げてみましょう。

 

「叱るのは、それは間違っているよと伝えるのが目的。そのためには別に怒鳴ったり叩いたりする必要ないですよね。ただ、声のトーンがいつもと同じだと子どもも聞き流してしまうので、これは叱っているんだよと分かるように、腹の底から気合いを入れて声を出します(笑)」(Dさん・38歳・3年生と1年生のパパ)

 

「ダメ!とか、いいかげんにしなさい!とかだと、子どももなぜ叱られているのか、なぜダメなのかが分からないかもしれないので、理由を短くはっきり言います」(Aさん・32歳・1年生のママ)

 

「1回叱ってもすぐ改善しないこともありますよね。基本、他人に迷惑をかけたり危険なことでなければ、その場で結果を求めすぎないようにしてます。でも時々、その場で分かってくれることもあるので、その時は、わあ!分かってくれたの、ありがとう、えらいね!と沢山ほめるように」(Hさん・39歳・2年生のママ)

 

「叱りすぎないよう、3つほめて1つか2つ叱るくらいのバランスを保つようにしています」(Sさん・42歳・5年生と3年生のママ)

 

「ここぞというときは、今度同じ事をしたら許さないよ!くらいの気迫で、目を見て言います。そのためにも、普段はクドクド言わないように気をつけています」(Kさん・2年生の双子のママ)

叱ったときのフォローは必要?

小学生ママ・パパに、「叱ったあと、何かフォローをしていますか」と聞いてみたところ、およそ3分の2が「している」ということでした。

 

「子どもが落ち着いたら、なんで叱られたか分かる?と聞いてみます。たまに的外れなときもあってずっこけますが(笑)」(Uさん・35歳・1年生のママ)

 

「こんどからどうしたらいいと思う?なども聞いてみます」(Eさん・40歳・3年生のママ)

 

「叱りすぎたときは、子どもが落ち着いてから、ごめんね、あなたが大好きだから、これから間違ったことをしてほしくなくて怒っちゃったけど、怒り過ぎちゃったと謝ります」(Fさん・34歳・4年生のママ)

 

「やったことが悪かっただけで、あなた自身がダメとか嫌いじゃないんだよ、という意味の話をします」(Yさん・37歳・5年生と2年生のパパ)

 

「とくにフォローはしない」という人も、子どもが落ち着いて、笑顔になったらこちらも引きずらないでいつも通りに接する…という人が大半でした。

おわりに

「叱り方が難しい」そう感じるママやパパも、どこかで「叱り方」を習うわけではないですよね。

 

子どもが小学校1年生で7歳なら、親歴も7歳。思わずカッとして大声で怒ってしまったり、お化けのチカラを借りてしまったりするのも無理もない話です。

 

それでも毎回、「あれでよかったのかな」と迷ったり考えることで、きっと親として成長でき、よりよい「叱り方」ができるようになるのではないでしょうか。 文/高谷みえこ