海洋の環境汚染が深刻化するなか、プラスチックを減らす取り組みの必要性が叫ばれています。見渡せばプラスチックに囲まれて暮らしている私たち。一体何から始めればいいの?と戸惑う人もいるかもしれません。

 

そこでお手本にしたいのが、無理せず、自分にできる範囲でプラスチックレスの取り組みをしているシンプルライフ研究家のマキさん。

 

マキさんが実践している工夫の中から、誰にでも気軽にトライできる“もの選び”の5つのポイントを教えていただきました。継続して取り組みやすいうえに使い心地もいいとなったら、すぐに試してみたくなるかも!

気軽にリサイクルできる「生活クラブ」がお気に入り

── 今実践しているプラスチックレスの取り組みで、いちばん手応えを感じているのは何でしょう?

 

マキさん:

生協の食材宅配のひとつ「生活クラブ」で食材を購入することです。わが家ではほとんどの食材を「生活クラブ」で購入していますが、利用し始めてから特にプラスチックが減らせているなと実感するようになりました。

リサイクルする牛乳瓶

たとえば、トマトケチャップやしょうゆ、酢などの調味料はプラスチックではなく瓶詰め。しかも、使用後、毎週の配達時に玄関先に出しておくと「生活クラブ」が瓶を回収し、洗浄してリユースしてくれるんです。そのまま再使用されるから環境に負担がかかりません。牛乳びんのプラスチックキャップや配達時に仕分けのために使うビニール袋も回収してリサイクル。資源として再生利用されています。

 

実は私、プラスチックレスに繋がるとか、環境にやさしいからとわかって利用し始めたわけではありませんでした。自分が頑張らなくても「生活クラブ」が容器包装を回収しリユース、リサイクルしてくれるっていうのがいいなと思って。だから、気になるものを買っているだけで、いつの間にかプラスチックレスな暮らしが実現できていたんですよね。

「生理吸水ショーツ」で生理用ナプキンをゼロに!

── 台所用品以外の日用品では何かありますか?

 

マキさん:

「月とハンモックの生理吸水ショーツ」を気に入って使っています。ショーツ自体が月経を吸収してくれる画期的な商品で、生理のたびに大量のゴミとなっている生理用ナプキンやタンポンを減らすことができるんです。一般的なサニタリーショーツは化学繊維製のものが多いですが、これはコットン製。普通のショーツと同じような肌触りで気持ちいいですよ。11枚でOKで、寝ているときも安心して使えます。2日目などの重たい日はこれだけだと心配なので、シリコン製の月経カップと併用しています。使い終わったら水で予洗いし、洗濯機でほかの衣類と一緒に洗うので、それほど手間はかかりませんよ。

── それはすごく画期的ですね!「生理吸水ショーツ」を使う前はどうされてのですか?

 

マキさん:

布製ナプキンと月経カップを一緒に使っていました。でも、布製ナプキンは1日何枚も使うので洗う手間がかかって。それに、買うとけっこう値が張るので自分で作ったのですが、ただの長方形の布で留め具がない形にしたので、トイレに落とさないかと毎回ヒヤヒヤしていました。「生理吸水ショーツ」ならそんなストレスがいっさいないので、すごく快適です。

洗顔料は“マイクロプラスチックビーズ”不使用のものを

── 気にして見てみると、身の回りにはかなりプラスチックが使われているものが多いですよね。スキンケア商品にも使われていると知って驚きました。

 

マキさん:

そうなんですよね。私は最近、DAMDAMのメイクも落とせる洗顔料「ノーマッズクリームピュリファイングクレンザー」を使っています。この洗顔料の特徴は、スクラブに天然のこんにゃくのマンナン成分からできている細かい粒子を使っていること。100%植物由来の成分なので安心だし、とてもやわらかくて水分を豊富に含むので、肌を傷つけずに古い角質や汚れを取り除いてくれるんです。

こんにゃくスクラブの洗顔料

この商品を使い始めたきっかけは、まさにスクラブとしてマイクロプラスチックビーズを使用している洗顔料があると知ったからでした。マイクロプラスチックビーズというのは、5㎜以下の固形プラスチック粒子で、角質除去または洗浄の目的で使われる成分なんです。洗面所やお風呂で流したマイクロプラスチックビーズが川や海に流れ、それを食べた魚の体内に蓄積される。その魚を人が食べる可能性があるんだと考えると心配で…。それで、マイクロプラスチックビーズが入っていないものを探して見つけました。

 

── それを聞いて怖くなりました…。私も使っているものを見直さないと。それにしても、こんにゃくで洗顔できるなんて意外です。使用感はいかがでしょうか?

 

マキさん:

ほどよい感じですね。もっと簡単にすっきりメイクを落とせる商品はあると思うけれど、私はそこは求めていないので(笑)。会社の理念に共感して買っているので、買い物を通して企業を応援することに繋がれば嬉しいなと思っています。

衣類は肌触り優先でリネンやコットンを選ぶ

── 衣類にも化学繊維が使われているものが多いように思います。マキさんはどのように選びますか?

 

マキさん:

洋服は基本的には化繊のものではなく、リネンやコットン製などの天然素材を選んでいます。素材はタグを見ればすぐに確認できますしね。化繊だと、洗濯するたびにマイクロプラスチックが出るというのもあるけれど、それはどちらかというとあとづけの理由。リネンやコットンの肌触りが好きで買っていたら、結果的に環境にやさしいものだった、というのが実際のところです。

 

もちろん、汗っかきの子ども用に、汗を素早く吸収・速乾してくれる化繊の肌着を買うこともあります。「絶対に天然素材じゃないとダメ!」と決めつけずに、臨機応変に選べばいいんじゃないかなと思います。化繊のものを買うときは割りきって、ありがたく化繊の恩恵を受けるようにしています(笑)。

リネンの服

子どもの食器も長期間使える陶器やステンレスを

── 幼い子ども用にプラスチック製の食器を買いがちですが、マキさんの場合はいかがでしたか?

 

マキさん:

一人目の離乳食のときは、私もプラスチック製の容器を使っていました。でも、プラスチックは劣化が早いと実感したので、2人目からは陶器のお皿を使いました。購入したのは「無印良品」の子ども食器シリーズ。厚みがあって子どもが落としても割れにくいし、底が平らで倒れにくいので、けっこう長く使えました。

子供用の食器類

フォークやナイフもプラスチック製ではなく、機内食をイメージした小ぶりのステンレス製のものを愛用していて、今でも使っています。プラスチックは期間限定で使うという意味では安くていいのかもしれないけれど、最初から長く使うことを前提に選んだほうが結局お得だなと感じています。

 

Profile マキさん 

シンプルライフ研究家・マキさん
長女(13歳)と次女(8歳)、夫の4人家族。広告代理店に勤務するかたわら、ブログ「エコナセイカツ」を主宰。著書に『なくす家事』(KADOKAWA)など。全国での講演活動やオンラインセミナー、アパレルブランドの商品コラボなどで幅広く活躍中。インスタグラムのアカウントは@econaseikatsu.maki

取材・文/小松﨑裕夏
参考/環境省「プラスチックを取り巻く国内外の状況」(2019年2月)http://www.env.go.jp/council/03recycle/y0312-05/s1.pdf
日本自然保護協会「レジ袋有料化でも海洋プラスチックの問題は解決されない理由」https://www.nacsj.or.jp/2020/09/21731/