新年度の4月、小学校新入学のお子さんがいる家庭では、準備も大詰めなことと思います。

 

新しい環境を楽しみにする反面、親子ともに不安もあることでしょう。

 

そこで今回は、お子さんがもうすぐ入学を迎えるママ・パパ50人に、いまの気持ちについてアンケートを実施。親の立場、子どもの立場、それぞれどんなことを心配しているのかをたずねてみました。

 

また、それに対するおすすめの対処方法も紹介していますので、ぜひ参考にして下さいね。

小学校の新1年生、親子の不安はどんなこと?

アンケート結果から分かった、親として心配なことと、お子さんの様子から「ここが不安そうだな」と感じることは次のような内容でした。

親がもっとも不安なことは「集団生活」?

まず、50人中、「特に不安なことはない」と答えた人は11人で約2割でした。

 

そして「特に不安はない」というママ・パパのうち10人が、2人目・3人目のお子さんであり、理由も、

 

  • 上の子が現在小学校に通っていて様子が分かっているから(9人)
  • 上の子の入学時の教訓を生かせているから(4人)

※複数回答可

 

と、経験者ならではの余裕があることが分かります。

 

いっぽう、8割以上の39人が「不安がある」と回答。そのうちの31人が1人目のお子さんで、やはり初めての入学には心配なことが色々あるようです。

 

具体的に不安なことは以下のような内容になりました。

 

  • 学校生活のリズムや集団行動がちゃんとできるか…24人
  • 環境の変化に順応できるか…14人
  • 先生や友達との人間関係…12人
  • 授業についていけるか…12人
  • 宿題をきちんとこなせるか…6人
  • 給食を残さず食べられるか…4人
  • 登下校時の安全…2人
  • お迎えの段取り…2人

※複数回答可

 

ママ・パパからは、具体的に次のような点が不安…という声が寄せられています。

 

「保育園では長時間椅子に座ってお話を聞くという経験がないので、毎日この子が何時間も授業中じっとしていられるのかなと内心ドキドキしています」(Mさん・35歳・男の子のママ)

 

「職場近くの保育園なので、同じ小学校に行く子は2人しかおらず、それも異性の子なので、お友だちはほぼゼロからのスタート。気の合う子が見つかるよう祈っています」(Aさん・36歳・女の子のママ)

 

「宿題をちゃんとやって出せるのか、どこまで親が一緒にやったり分からないところを見てあげたりすればいいのか分からず不安」(Eさん・37歳・男の子のママ)

 

「夫婦ともフルタイムで残業も多いので、交代でお迎えをしていますが、学童保育の方が保育園より終わる時間が早いので、ますます段取りがタイトに…」(Tさん・38歳・女の子のパパ)

子どもが不安がっていること

いっぽう、親から見て「子どもがこんな部分に不安を感じているのではないか」と思うのは次のようなことでした。

 

  • 新しい環境に対する不安…31人
  • 先生がどんな人か、怒られないか…14人
  • お友だちができるか…9人
  • 給食をちゃんと食べられるか…7人
  • 勉強やテストがちゃんとできるか…5人
  • 登下校…3人

 

ママやパパは、お子さんの様子を見てこんな風に考えています。

 

「今でも、保育園の発表会前日はおなかが痛いとか眠れないなどナーバスになる感じです。顔ぶれも場所も変わる小学校生活ではなおのこと、入学前の今も不安に感じているでしょうし、入学後もしばらくは不安定になることを覚悟してケアしてあげないとと思っています」(Fさん・35歳・女の子のママ)

 

「アニメなどで描かれる先生には、優しい先生と怖い先生がいますよね。最近ときどき、小学校の先生怖いかな?などと聞いてくるので、気になっているのでしょうね」(Sさん・36歳・女の子のママ)

 

「好き嫌いはそんなにないですが、食が細く、食べるのもゆっくりなので給食はやはり心配です」(Kさん・33歳・男の子のママ)

 

「宿題や勉強は、まじめに授業を聞いてくれれば最初は理解できるはずですが、もしもどこかでつまずいた場合、それに早めに気づけるのか、家でどこまでフォローできるのかも気になります」(Nさん・40歳・男の子のパパ)

「2021年の今」ならではの不安も

また、コロナ禍や最近のニュースなどにより、例年とは異なる心配も目立ちました。

 

「昨年の全国一斉休校では、2年生だった上の子もオンライン授業に一時切り替わりました。でも、対面と比べると、ちょっとした表情の変化に気付いてもらったりがやはり難しく、安全のためとはいえ、かなり元気がなかったです。この春に入学する下の子も、1年生ならなおさらだと思うのですが…感染が拡大してまた休校になると心配ですね」(Hさん・41歳・男の子のママ)

 

「最近ニュースで、小学校であだ名呼びは禁止という話を聞きました。もちろん、本人が嫌がるあだ名は論外ですが、1年生くらいは先生から下の名前で呼んでもらうのも本人は嬉しいんじゃないかなとも思います」(Yさん・40歳・女の子のママ)

おすすめの対処方法

それでは、上記のような親子の不安に対して、何かできる対策はあるでしょうか。

 

それぞれの心配事について、おすすめの方法をいくつか紹介します。

学校生活全般のリズムや集団行動になじめるか不安なとき

小学校は、保育園や幼稚園とは異なり時間割に合わせて集団行動するため、わが子がそれにちゃんとついていけるのか心配になりますよね。

 

しかし、特に公立の小学校では、入学直後から座学が続くことは少なく、給食もゴールデンウィーク前後からやっと始まることが多いんです。

 

まずは、新しい環境でその子なりに頑張って疲れている子どもの気持ちを想像してみて、家では機嫌が悪くても温かく見守り、週末はあまり遠出に連れ出さないなどの配慮をしてあげましょう。

 

また、親にとっても、想定外の部分で「これは大変!」と感じることも。

 

子ども自身が、新しい環境や先生に不安を感じているとき

子どもはそれぞれ気質や性格が異なり、環境の変化に不安やストレスを強く感じやすい子もいます。

 

しかし、現在多くの地域では「校園連携」が進んでおり、環境変化にともなう新入生の精神的負担を軽減したり、立ち歩いてしまうなどの行動を未然に防いだりする目的で、入学前から小学校の行事に参加する、体験授業を受けるなどの交流が行われています。

 

何度か行ったことのある場所なら、かなり緊張が緩和されるのではないでしょうか。

 

また家庭では、入学が近づいた時期に、着替えや身支度になかなか取りかからない子どもに向かって

 

「そんなんじゃ小学生になれないよ!」 「先生に叱られるよ!」

 

といった言葉をつい掛けてしまいそうになりますよね。

 

しかし、これは子どもに「学校はちゃんとしないと怒られる怖い場所」というイメージを植え付けてしまうため、やめておきましょう。

 

それよりは、スムーズにできたときに「わあ、さすがもうすぐ1年生だね!かっこいい!」とプラスの言葉掛けをするのがおすすめです。

給食を残さず食べられるか不安なとき

ここ数年、行き過ぎた給食の完食指導がニュースになることがあり、うちの子は給食が食べられるのか不安…という人も多いと思います。

 

しかし、一部をのぞき、最近では「食べることが嫌いにならないように無理強いしない」「その子に合った量を食べきる」というスタンスの小学校がほとんど。

 

また、食物アレルギーなども入学前後に調査票を渡され、丁寧に聞いてもらえます。

 

もし、アレルギーではなくとも食べられる食材が極端に少ないなど、不安が大きい場合は、入学後に担任の先生にその旨を伝えれば、給食時のようすを少し気にかけてもらうことができるでしょう。

登下校の安全が不安なとき

小学校では多くの場合は集団登校がありますが、そうでない地域もあり、自宅と小学校の距離が近いと集団登校なしというケースも。

 

そうなると、親の出勤後に子どもが1人で登校することになってしまいます。

 

また帰りは各学年で時間が違うため、下校は子ども1人という場合も。

 

そんなときは、慣れるまで次のような方法も検討してみましょう。

 

  • 時差出勤を利用して登校に付き添う
  • 少し離れたブロックの登校班に合流させてもらう
  • ファミリーサポートに送迎をお願いする

 

また、春休みのあいだに、親子で予定の通学路を一緒に歩き、見通しの悪い交差点や人気のないエリアを確認したり、いざというときに駆け込める「こども110番の家」やコンビニなどを教えておくのも大切ですね。

おわりに

特に1人目のお子さんでは、何もかも初めてのことで、不安も大きいことと思います。

 

しかし、子どもは大人より新しい環境に慣れるのも早く、不安よりも期待や楽しみが先に来ている子も多いはず。

 

子どもが安心して新生活に踏み出せるように、この時期をしっかりサポートしてあげたいですね。

文/高谷みえこ