「イヤイヤ期」ともいわれる第一反抗期、思春期の第二反抗期。
どちらも大変だった…という人は多いと思いますが、実はその間に、「中間反抗期」と呼ばれる時期があることを知っているでしょうか。
やたらと口答えする、親の言うことよりも友達を優先する、外ではいい子なのに家では態度が悪いなど、「前はこんなじゃなかったのに…」と嘆くママは少ないないようです。
今回は、意外と知られていない「中間反抗期」について、時期や子どもの心理、親としてどう対処すればいいのかなどを考えます。
「中間反抗期」とは、いつからいつまで?
一般的に子どもの反抗期としてよく知られているのは、2歳~3歳頃を中心とした第一反抗期と、12~13歳頃から中学生にかけての思春期におこる第二反抗期です。
どちらも精神的な成長の表れで、親としては大変な時期ですが、子どもにとっては必要な成長のステップでもあります。
しかし、実はその合間にもう1つの反抗期が存在し、「中間反抗期」と呼ばれています。
中間反抗期ははっきりと「○歳から○歳まで」と決められているわけではありませんが、おおむね小学校低学年から中学年にかけての時期で、個人差を含めると5歳頃から10歳頃までかなり幅広く見られます。
3歳頃までの「イヤイヤ期」が終わると「天使の4歳」がやってくる…という話もありますが、その後にはまた大変な時期が待っていると思うと、少しガックリしてしまいそうですね。
「中間反抗期」の特徴や原因は?
2~3歳児の第一反抗期は、大人と一体化していた赤ちゃんが「自分は独立した1人の人間なんだ」と気付き、自分の意志で行動しようとし始める時期。
また思春期の第二反抗期は「自分とは何者なんだろう」と内側に関心が深まり、親の価値観をいったん否定して自分自身の価値観を確立していく時期だといわれます。
それらに対し、中間反抗期の特徴としては次のようなものがあげられます。
- すぐに口答えする
- 親の指示よりも友達との約束や会話を重視する
- 学校・スポ少・習い事など、外ではいい子なのに家では態度が悪い
中間反抗期と重なる小学校3年生前後は「ギャングエイジ」とも呼ばれます。
この時期は、それまでの家族や身近な1~2人の友達との狭い世界から、5~6人の固定メンバーで行動する子が増え、社会性が大きく伸びる時期とされています。
そのため、学校などでは仲間との関係を大切にしようと一生懸命努力しますが、まだまだ子どもの部分もたくさんあるため、家では外でガマンしたことを発散するかのように反抗したり荒れたりする子も。
物事を論理的に考える力も伸びてくる時期なので、大人から見ると「屁理屈」と思えるような理屈でも、自分なりに精いっぱい考えて訴えてきます。
中間反抗期の子どもへのベストな対応とは
中間反抗期とされる小学校低学年~中学年は、親の力でまだ言うことを聞かせられるギリギリの年齢なのではないでしょうか。
しかし、この時しっかり子どもの訴えと向き合わずに頭ごなしに抑えつけてしまうと、言葉で意見を伝え合って解決する方法が親子ともに身につきません。
すると、第二反抗期を迎えたとき、肉体的に成長した子どもの側から暴力で不満が噴出するおそれもあります。
中間反抗期の子どもが、今までと違って何かと口答えしてくる・態度が悪い…という場合は、次のようなことを頭に置いて、少しずつ、大人と同じような対等な接し方に近づけていきましょう。
- 頭ごなしに言うことを聞かせようとせず、子どもの言い分に耳を傾ける
- 指摘や注意は落ち着いているときに伝える
- 悪いことをした時は叱るが、日頃は友達について指図や批判をしない
なお、中間反抗期だと思っていたら、学校や学童保育・スポーツ・習い事などの集団生活の中で友達や指導者とトラブルがあり家で荒れている…という可能性もあります。
念のため、信頼できる人に頼んで様子を見てもらうなど、子どもの周りで問題が起きていないかも確認しておきましょう。
おわりに
第一・第二に中間反抗期…といわれると、「なんだかずっと反抗期ばかり」とため息をつきたくなってしまいますよね。
しかし、子どもが反抗するのは、自分なりの考え方を持ちそれを表現できるということ。
大人になり就職や結婚した時、理不尽な状況に出あっても、自分の価値観に基づいて冷静に主張するのは自分を守るスキルでもあります。
反抗期はその準備期間だと思って、ベストな着地点を見いだす練習を親子で重ねていけるといいですね。
文/高谷みえこ
参照/文教大学「人間関係論(その1)親子関係について」