新型コロナウイルスの影響により激動の一年となった昨年、社会全体で最もフォーカスされているキーワードといえば「サスティナブル(=持続可能な)」。化粧品業界でも、パッケージや使う原料を環境に負荷をかけないものに変えるなど、社会的に持続可能な取り組みを行うムーブメントが起きています。
そんな背景を踏まえ、今注目のブランドとその取り組みについてご紹介します。
今回取り上げるのは、日本でも注目されつつある植物療法の第一人者が手掛けたライフケアブランド。日本独自の薬草が日本人の肌を癒やしてくれることを実感できるラインナップに注目です!
「植物療法」に基づいた画期的なブランド!
植物療法士として各メディアで活躍している森田敦子さんが手がけたライフケアブランド「Waphyto」。
彼女は、植物の生み出す様々な機能性成分を使って心身を癒やす「フィトテラピー」の日本における第一人者であり、デリケートゾーンケアの大切さや、私たちに必要とされる植物療法を広めてきました。
植物療法とは、植物の木や根、葉っぱなどの部位から抽出される様々な機能性成分を使い、今ある症状を緩和したり、予防し、もともと持っている自然治癒力を高める伝統療法。森田さんは本場のフランスでそのフィトテラピーを学んで日本に持ち帰り、啓蒙活動を続けています。フランスのフィトテラピーと、日本で確立された本草学に、サイエンスを融合させた植物バイオメソドロジーを形にしたのが、このブランドなのです。
あの家康の長寿も支えた!?東三河の薬草をふんだんに使って
原料は、森田さんの故郷である愛知県・東三河地方の、ヨモギやスギナ、ゴツコラ、桑(マルベリー)、菊(和製カレンデュラ)の5つの植物を配合。植物バイオメソドロジーによって認められた5種を厳選し、すべてのアイテムに黄金比でブレンドしています。
そもそも東三河は日本最長の断層帯で、地球のエネルギーが溢れている場所。徳川家康が本草学を実践した地としても知られています。日本人の平均寿命が約50歳だった当時、76歳まで生きたという家康公。長生きの秘訣はここにあったのかもしれません。薬草の歴史が脈々と息づくこの地から、100年時代と言われるライフスタイルに寄り添うべく「Waphyto」は初声を上げたのです。
「Waphyto」では、植物の成分を抽出する際、高熱をかけるとすぐに抽出できるものの、肝心な成分が壊れてしまうことを見逃しませんでした。「飽和水蒸気圧還流式サイクロン抽出法」により、成分を壊さずに抽出することに成功。特許も取得したこの抽出方法を使って余すところなく取り出した機能性成分を化粧品に配合しています。
デリケートゾーンケアにも対応したラインナップ!
森田さんがかなり前から取り組んでいたのがデリケートゾーンケア。性教育の遅れも問題視される日本では近頃、生理の問題をはじめとするフェムテックへの関心が高まり、ますますデリケートゾーンコスメが市場に溢れるようになりました。
「Waphyto」は、スキンケアだけでなく、ヘアケアやボディケア、そしてデリケートゾーンケアまで幅広い商品ラインナップを展開しています。今回は、とろみのあるリッチな感触で肌のすみずみまで潤いを与えるトナー(化粧水)と、インティメイト ウォッシュ(デリケートゾーン用洗浄料)の2品をピックアップ。
トナー含めたスキンケアラインには、前述した5大植物成分に加え、ソメイヨシノやスイゼンジノリ、ノニなどを配合。ホルモンの影響を受けやすいミレニアル世代以降の皮膚生理学に基づいた肌の基礎体力を根本から見直すスキンケアです。
トナーは肌にすうっと浸透する、潤い感あふれる使い心地。フランキンセンスやジャスミン、サンダルウッド、ローマンカモミールなど、森田さんがこだわり抜いた奥深い香りのブレンドが漂い、最高にリラックスできます。
クローズドされてきたデリケートゾーンのケアは、これまで森田さんがずっと啓蒙し続けてきたこと。デリケートゾーン用洗浄料は、弱酸性の処方設計で、マイルドな泡立ちで、優しく洗えます。弱酸性、ph値にこだわり、デリケートゾーン環境をできるだけ損なわないような処方で、潤いを守ってくれるのです。
サスティナブルな“4つのE”を約束し「100年時代」によりそう
「Waphyto」では、“4つのE”を掲げ、クリーンビューティーを約束しています。
1つ目は“Elemental”。これは、化学的に裏付けされた機能性植物を優先させながら、自然由来の原料を可能な限り採用すること。合成着色料、合成香料、パラベン、石油系界面活性剤、フェノキシエタノール、エタノール
(※)フリーを指します。(※)スキンケアシリーズ
2つ目は“Envionmental”。Reduce・Reuse・Recycle(リデュース・リユース・リサイクル)、そしてUpcycle(アップサイクル)を掲げ、容器や販促物においてできる限り環境に負荷の少ない選択肢を採用。ボトルは使用済み製品を再生させたPCRプラスティックを優先しています。
3つ目は“Ethical”。これは、トレーサビリティやフェアトレードを明確にすること。生産者の持続可能な生活向上を支える仕組みも確立しています。
4つ目は“Empowerment”。女性がより自立し、性差や年齢、国や信仰を超え、女性が生涯、輝き続ける世界を目指し、支援を続けます。
植物療法の啓蒙活動のほか、介護の世界でも活動をし続けている森田さん。100年時代のライフステージへの旅の始まりは、今、始まったばかりです。
文/久保直子 撮影(静物)/清永 洋