毛穴にいい生活習慣

毛穴の悩みから解放されたら、もっと日々を幸せに過ごせるのでは?そんな願望を実現するため、毛穴研究の第一人者の皮膚科専門医・亀山孝一郎先生に、毛穴にやさしい生活習慣やNG習慣を教えていただきます。

肌の炎症は心や体からのSOS

毛穴をよくするには、以前紹介した記事「マスクのストレスで肌が荒れる!原因を皮膚科医に聞いた」で少し触れましたが、ストレスと上手につきあう暮らしが大原則だと亀山先生。とくに育児や仕事など忙しく過ごす女性は、肌への影響がダイレクトに出やすいので注意が必要。

 

「日々忙しく過ごす2040代の女性は、大きなストレスを抱えている状態。皮脂分泌が増えて毛穴が広がったり、コラーゲンやエラスチンが減ってたるみ毛穴が発生しやすくなったりしています。毛穴の状態がよくない場合は、心や体に異常があることを知らせる警戒シグナル。これをつねに意識し、理解してストレスを減らす工夫をしなければなりません」

 

たっぷりの睡眠と適度な運動でストレスを解消するのも、一つの手だと亀山先生。

 

「睡眠時間が短かったり、眠りが浅かったりすると、成長ホルモンの分泌が低下し、代謝が低下してしまいます。ホルモンバランスも乱れるので、皮脂分泌が活発になり、毛穴が開いてしまうことも。この成長ホルモンは、入眠30分から1時間で多く分泌されることがわかっているので、寝る3時間前に夕食を済ませたり、ぬるめの湯船にゆっくり使って副交感神経を優位にしたりと、入眠時の眠りを深くする工夫が大事です」

 

運動もまた、代謝を上げることで、毛穴の大敵である過剰な皮脂分泌を抑制する効果があると言います。

 

「運動することで全身の血流がよくなり、細胞の働きも活発になります。そうすると、ストレスで凝り固まった体も心もリフレッシュできるはず。体を動かすことで代謝が上がり、皮脂分泌を抑制する効果もありますし、鬱々とした気分も前向きになります。こうしたことから運動は、美肌と若返りの切り札といえます」

満腹の食事、紫外線、タバコはNG

亀山先生が提唱する毛穴をよくする生活習慣。毛穴悩みを増長させるNG行為に注意しつつ、3つの習慣で美しい毛穴を手に入れましょう。

①満腹になるまで食べない

「高脂質・高糖質の食事をとったり、満腹になるまで食べると、皮脂が過剰に分泌されて毛穴の開きや炎症につながります。肌や体のために推奨するのは、野菜やタンパク質が多めの食事。満腹になるまで食べないと気がすまない人は、まず野菜やタンパク質を摂って満腹感を得ましょう」

紫外線は老化の原因に

「皮膚に炎症を与え、皮脂の酸化を促す作用がある紫外線は、すり鉢状の毛穴や毛穴づまりなどの原因にもなります。紫外線によるダメージは、肌の中に少しずつ蓄積されるので、1日やそこらではリセットできません。リモート環境が進んで在宅勤務だとしても、部屋の窓やちょっとした外出で紫外線を浴びてしまうことも。だから朝のスキンケア後は、顔全体に日焼け止めを塗ることを習慣にしましょう」

③タバコは厳禁

「タバコに含まれるニコチンは、毛細血管を収縮させる働きがあるため、肌に栄養が行き渡らなくなってしまうんです。そうなると肌が乾燥したり、くすんだり、たるんだりと、肌のトラブルが進行していきます。しかもニコチンは、肌の味方である体内のビタミンCを破壊してしまうので、摂取しても毛穴の開きを抑えるビタミンCの効果が得られません。肌のことだけでなく体にも害が多いので、できるなら今すぐにでもやめるべきです」

 

毛穴悩みや肌の炎症の大きな原因となるストレス。睡眠や運動を適度に取り入れてストレスと上手に付き合い、亀山先生が提唱する生活習慣で実行すれば、毛穴&肌悩みから解放されるはずです!

 

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亀山孝一郎先生
PROFILE 亀山孝一郎先生 

皮膚科専門医。医学博士。青山ヒフ科クリニック院長。1980年北里大学医学部卒業後、米国立保健衛生研究所にて、メラニンの生成について最新研究に没頭する。1999 年に青山ヒフ科クリニックを開業。ビタミンC、ニキビ・毛穴研究のパイオニアとしても知られている。2020年5月に、監修を務める『毛穴道 もう一生悩まない。』(講談社)を刊行。

取材/船橋麻貴 イラスト/pum