みなさんは“記憶力”に自信がありますか? 仕事に関する情報はなるべく多く記憶したいところですが、つい忘れてしまう場合もあるはず。以前よりも記憶力が低下したと感じる人は「ワーキングメモリ」を鍛えた方がいいかもしれません。

ワーキングメモリが大切な理由

そもそもワーキングメモリとは“作業を進めるために、情報を一時的に記憶する能力”のことです。端的に説明すると、数や単語、絵、位置情報などを瞬時に覚えて会話や読み書きに役立てる力。たとえば仕事の指示を受けて、記憶をもとに作業をする行動はワーキングメモリを使用した場面になります。

 

ワーキングメモリには、新しい情報が入るたびに古い情報を忘れてしまうという特徴が。記憶できる情報量も少ないため、ワーキングメモリが低下すれば記憶量がさらに減ってしまうそうです。

 

些細なデメリットに見えますが、「ケアレスミスの原因」「仕事の処理速度低下」といった問題につながる可能性も。仕事の生産性がなかなか上がらない時は、「ワーキングメモリ」を意識してみてください。

アウトプットがポイント?

続いて注目するのは「ワーキングメモリを効率的に使う方法」。記憶量を増やすのは難しいようですが、“アウトプット”することによって古い情報を外に追い出せるそう。ネット上には、「溜まった情報を使っていかないと、ワーキングメモリに空きができない。メモを取りながら古い情報を忘れると脳に空きができる」といったアドバイスが寄せられていました。情報を後から見られる形にすることで、古い情報を記憶しておく必要がなくなります。

 

ほかには「受け身の人はワーキングメモリが低下しがち」という指摘も。受け身な態度が良くない理由として「自主的に考えないと“考える力”が弱くなり、ワーキングメモリの容量も減少する」などがあげられていました。

 

また、脳に情報を詰め込みすぎるのもNG。適度に脳をリフレッシュして、ワーキングメモリが機能しやすい状態をキープしましょう。

ゲームプレイが効果的!?

ワーキングメモリのコツを取り上げましたが、実はトレーニング方法としてゲームプレイが効果的ということをご存じでしょうか。ヒューマンアカデミー株式会社が以前実施した“トレイルメイキングテスト(TMT)”の検証によれば、ゲームプレイ後は“ワーキングメモリ”が向上するそうです。

 

そもそも「TMT(Bタイプ)」とは13個の数字と12個の平仮名を順番に線でつなぐというテストで、ゴールまでにかかった時間を測定。回答時間が早いほど、ワーキングメモリなどの能力が高いことになります。

 

調査対象者にはゲームプレイ前と終了後に“TMT”を実施したところ、回答時間が短かったのは“プレイ後”でした。ちなみに検証に使われたゲームのジャンルは「FPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)」。主人公視点で進むシューティングゲームをプレイすれば、遊び感覚でワーキングメモリを鍛えられるかもしれません。

 

ワーキングメモリを向上したい人は、“コツ”と“ゲームプレイ”を取り入れてみてはいかがでしょうか?

文/河井奈津
参照/ヒューマンアカデミー株式会社「ゲームプレイが与える『課題遂行能力』への影響について」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001124.000005089.html