子どもたちが兄弟で仲良く遊んでいると思っていたら、言い争う声やドタバタと暴れる音が聞こえ、「ママー!おにいちゃんがー!」と泣きながら呼ぶ声。
「ああ、また今日も兄弟喧嘩…」とげっそり、という人は多いのではないでしょうか?
今回は、年齢別にみる兄弟喧嘩の実態や、ママ・パパたちは子どもたちの喧嘩にどう対処していたのか、やめさせる方法はあるのかなどを体験談に基づいて紹介します。
なお「兄弟喧嘩」と書いていますが、もちろん姉妹や異性のきょうだいも基本的には同じです。ぜひ参考にして下さいね。
幼児・園児・小学生、兄弟喧嘩の特徴と心理
まずは、0歳~小学校6年生のお子さんがいるママ・パパたちにアンケートで聞いてみた体験談も参考にしながら、年齢別のケンカの様子や特徴をみてみましょう。
幼児・園児の兄弟喧嘩
はじめての兄弟喧嘩は、下の子がハイハイなどを始めて、上の子の遊びを邪魔したり、おもちゃの取り合いになって、怒った上の子が下の子を泣かせる…というものではないでしょうか?
また、なんでも上の子の真似ばかりしていた下の子が2~3歳を過ぎて自我が芽生え言葉も達者になってくると、対等なやりとりができるようになった結果、ケンカが増える...というケースもあります。
そのほかママ・パパたちに聞いた、幼児期の兄弟喧嘩の原因には次のようなものがありました。
- スイッチやボタンを押す役目を自分がやりたい
- 遊具やおもちゃの順番争い
- 電車やレストランでママの横に座りたい
など、好きなことや興味関心が似ているからこそケンカになってしまう様子が見て取れますね。
小学生の兄弟喧嘩
子どもたちが小学生になってくると、次のようなことがケンカのネタに。
- やりたい遊びやゲームが違うときにお互い譲らない
- うまくできないことを相手が馬鹿にした
- ソファやこたつで「押さないで!」「そっちこそ押さないで」
- 嫌がっているのに何度もちょっかいをかける
だんだんと社会的な内容になってきますが、まだまだ「いかにも小学生」という感じのケンカもあり微笑ましいですね。
兄弟喧嘩しないのも心配!?
ママやパパも仕事や家事に忙しいなか、毎日のように兄弟喧嘩が続くとうんざりしてしまいますよね。
しかし、Sさん(38歳・5歳と3歳の男の子のママ)は、お子さんたちが日頃、あまりケンカらしいケンカをしないのも少し心配だといいます。
「上の子はよく言えば穏やかな性格なのですが、ぶっちゃけ気が弱いというか…下の子はやんちゃで、お兄ちゃんを叩くこともあるんですが、逃げたり泣いてしまったり。やり返しなさいと教えるわけにもいかないので、下の子を注意しつつ、上の子にはもっとちゃんとやめてって言うように教えています。たまたま園では優しい友達に囲まれていますが、小学校大丈夫かな…」
兄弟喧嘩には以下のようなメリットもあります。
- イヤなことをされたとき「やめて!」「いやだ!」と主張する練習ができる
- 逆に主張しすぎると解決しないことを学ぶ
- 自分より弱い相手には手加減することを覚える
- 年長の子がリーダーシップを取って解決する練習になる
- 仲直りのタイミングや方法が学べる
もちろん、上記は園や学校でのケンカを通じて学ぶこともできますが、万が一のケガなどがあれば、価値観の異なる保護者同士でトラブルに発展する可能性もあります。
きょうだいなら、そこまで気兼ねせず社会勉強ができる…と思うと、もし今ケンカが多いとしても、多少は気が楽になるのではないでしょうか。
兄弟喧嘩は介入するべき?やめさせるタイミングや方法
最後に、ママ・パパたちから、実際に兄弟喧嘩が始まった時はどう対処しているのかを聞かせてもらいました。
「おやつにしよっか!」と声をかけたり、何か用事を頼んで気分転換させます」
「やめなさいと大声を出しても聞かないので、黙ってじーっと見ていると我に返るようです」
「これ、大きくなるまで残しとこ!とスマホで撮影するフリをすると恥ずかしくなるのかテンションが下がります」
「ふだんはケンカしてても止めませんが、食事中だけは、ご飯はおいしく食べたいからやめようね!と言います」
「どっちかが泣いたらやめさせます」
「手や足が出たり、モノを投げたりしたら強制終了。やられた方の子から、順番に話を聞いてなぐさめたり言い聞かせたりします」
「あまりおもちゃの取り合いで揉めるなら、そのおもちゃはしばらく封印して、どうやったら仲良く使えると思う?と考えさせてから返します」
「兄が妹に相手してほしくてしつこくちょっかいをかけるのですが、妹は嫌がってるんですね。上の子には、どうしたら嫌がられないのか、他の子が同じ事をあなたや妹にしたらどう感じるか、その都度考えさせています」
「それぞれ別に言い分を聞いてあげて、もし片方が悪いと思っても、ジャッジせずに、次はどうしたらいいと思う?と聞くといい…と保育園で教わったので、その通りにしています」
「自分が子どもの頃、親に、お姉ちゃんでしょ!と何でもガマンさせられて嫌だったし、隠れて妹を攻撃した記憶があるので、わが子には絶対にやりません」
「子どもたちはケンカするとよく言いつけにくるのですが、それでどっちかを叱ることはしません。揉めたときには大人に悪い方を怒ってもらう…というパターンしか覚えられないと困るので」
「ケンカが始まっても、階段の上や暖房器具の近くなど危険な場所でなければ基本的に止めず、ぐっとこらえて遠くから見守ります。先日はわざわざ布団の上に移動させて続きをやらせました(笑)」
「ケンカをしていない時に、子どもたちそれぞれの長所を伝えたり、いてくれて嬉しいな、とまめに伝えています。自己肯定感で心を満たされていると、ちょっとしたことではケンカに火が点かないように思います」
「普通の兄弟喧嘩ならいいんですけど、あまりにも最近攻撃的だな…と思ったら、学校や学童での様子も聞いてみるようにしています」
…など、たくさんのヒントが寄せられました。
おわりに
「喧嘩するほど仲がいい」といいますが、疲れている時に大声で兄弟喧嘩を聞かされるのはつらい…とうのも事実ですよね。
今回のママ・パパたちの体験談やアドバイスも参考に、今より少しだけ穏やかな毎日が訪れることを祈っています。
文/高谷みえこ