新型コロナウイルスの影響により激動の一年となった昨年、
社会全体で最もフォーカスされているキーワードといえば「サスティナブル(=持続可能な)」。化粧品業界でも、パッケージや使う原料を環境に負荷をかけないものに変えるなど、社会的に持続可能な取り組みを行うムーブメントが起きています。

 

そんな背景を踏まえ、今注目のブランドとその取り組みについてご紹介します。

 

今回取り上げるのは、長崎・五島列島の「五島椿」の生命力を存分に生かしたスキンケア。冷えて揺らぎやすい今の時期の肌を救ってくれる、頼もしい存在なのです。

「五島椿」で“温肌”を保つ!肌がホカホカ、元気になるスキンケア

2020年、「温肌」をビューティコンセプトに、肌・体・心の関係性を追求して生まれた新生ブランド「ON&DO」。今や美しさの定義はスキンケアだけでなく、運動や食事、ストレスコントロールといったウェルネス領域にも達している時代。その変化を受け、人生を生き生きと心から楽しむ美しさ”VITAL BEAUTY“を掲げているのが印象的です。

 

“VITAL”には「生き生きと、元気な」という意味があります。生命力あふれる生き生きとした肌、すなわち“VITALな肌”を目指すべく、着目したのが「肌温度」。これは、免疫や神経、肌の水分量や生まれ変わりのリズムなどが“肌温度”に左右されるためです。「外的・心的ストレスに左右されることなく、肌温度を維持できれば、生き生きとした肌を保つことができる」という仮説から、開発がスタートしたといいます。

冷えやすい肌のスイッチを「on」に!

本来、人には“温肌”を維持できるメカニズムが備わっているもの。ところが外的・内的ストレスなどが顕著な現代は、誰しも肌状態が揺らぎやすくなっています。そこで「ON&DO」は、冷えやすい肌のスイッチを「on」にして“温肌”に整えるスキンケアを目指しました。

 

具体的には、肌を保護する「バリア機能」、栄養や水分を細胞へ届ける「エネルギー代謝」、細胞の修復を促す「細胞活性」、肌の正常な生まれ変わりを促進する「肌デトックス」の4つの機能を整え、スムーズに循環させる“温肌サイクル”を促進するための独自成分を厳選しています。

五島椿

その代表的な美容成分として選ばれたのが五島椿。この植物を軸に葉や花や枝、実など全てを生かしたスキンケア成分を抽出。その中でも五島椿花酵母は、負荷をかけて発酵させることで、ストレスを跳ね返すための有用成分を生成。これをたっぷり含んだ発酵液「温酵母」が“温肌サイクル”を促します。この温酵母を各アイテムに有用な植物エキスとともに配合。化粧水から美容液、クリーム、クレンジング、スペシャルケアと豊富なラインナップで発売されています。

椿の有用成分をたっぷり肌に浴びて“温肌サイクル”を促進

五島椿の花、葉、油の力を1本に凝縮した、椿の魅力を堪能できる化粧水。水にも油にもなじむ浸透性の高い椿葉水が肌のラメラ構造を満たし、ふっくらみずみずしい肌へと導きます。オイル層とエキス層の二層構造で、使う前にシェイクして使う仕様に。ブレンドされると美容液状に変化し、肌にぐいぐいと浸透していくのが特徴的です。

「ON&DO」リファイニングローションⅠ、ファーメントセラム+L
リファイニングローションⅠ 150ml 7000円(税抜) ファーメントセラム+L 40ml 1万円(税抜)

 

「ON&DO」リファイニングローションI
2層の液状になっていた化粧水は容器を上下に振るとあっという間にこの状態に。

 

そしてもうひとつ、濃いグーリンが印象的な美容液には、椿油のエキスを配合。多くの場合、椿油の原料の収穫量を上げるために葉は剪定されてしまうのですが、「ON&DO」では、椿葉に美容効果を見出し、廃棄されてしまう葉を活用しているのだとか。芽が出て2、3年の緑葉のみを手作業で選定し天日干ししてから、エキスを抽出しています。

 

抗酸化と抗糖化の2つの効果を併せもつ椿葉エキスが肌の透明感を高め、生き生きした素肌に導きます。ジェル状で少し粘りのある独特のテクスチャーはクセになる使い心地。オイル系のスキンケアでは群を抜いて浸透性に優れ、肌応えも十分です。

五島農園を管理し、里山を整備。環境から変えるサスティナ活動

この時代に失われつつある、古くからの自然が息づく長崎県の西部に位置する五島列島。江戸時代にはキリシタンが移り住んだ「祈りの島」とも言われていますが、この地に古来から自生していたのが「五島椿」。この植物との出会いが「ON&DO」に様々なインスピレーションを与え、ブランディングの原点となったといいます。

「ON&DO」の自社農園
良質な「五島椿」を原料として確保するため、この島で専用の椿農園を管理することで、高い品質基準をキープ。また、長崎大学や工業試験場の方々の協力のもと、椿の生命力、スキンケアにおける有用性を徹底的に研究。エビデンスを細かく取り、商品開発に生かしています。それだけでなく、放置されて荒廃しかけていた島の里山を整備。環境の持続性を追求するという活動も行なっています。

 

パッケージにはFSC認証を取得した紙を採用し、糊を使わずに組み立て、再生率を高めることにも力を入れているそう。プラスチック量の少ない容器を選択し、プラスチック排気削減にも取り組むなど、サスティナビリティへの取り組みにも積極的な「ON&DO」にますます注目が集まりそうです!

文/久保直子 撮影(静物)/清永 洋