上の立場になると、“部下のマネジメント”を担当することもありますよね。中には、「部下の能力を上手に引き出せない…」と悩む人もいるかもしれません。そこで今回は、「エンパワーメント(権限委譲)」というマネジメント方法に注目していきましょう。

権限を部下に譲る!?

一般的には、仕事の進行や意思決定の判断は上司がおこなうもの。しかし「エンパワーメント」を実施した場合は、“部下の判断”を最優先します。「エンパワーメント」をきっかけに個々の能力がアップしたケースは少なくないようで、「部下の隠れた能力を引き出せた」「以前よりも判断力がアップ」などのコメントも見られました。

 

具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか? ネット上の声を見たところ、「権限を与えることで、部下に責任感が生まれた」「実践が増えるので、自然とマネジメント能力が高まる」といった意見が上がっています。

判断ミスが起こる可能性も…

「エンパワーメント」の良い点を見てきましたが、もちろんデメリットもあります。部下に判断を任せるので、「トラブルの発生」「“報連相”の意識が低くなる」といった問題につながる場合も。「エンパワーメントは権限を部下に丸投げするものではありません。部下が萎縮せず、伸び伸びと働ける環境を作るのが重要です」「決定権があるからといって、“報連相”を省くのはNG。わからないことがあれば上司に相談し、不安なものは不安なまま進めない」との声も少なくありません。

 

また「エンパワーメント」の経験者によれば、“明確なルールを作る”ことが大切な模様。「“してはいけないこと”をハッキリさせないと、人によって判断が変わってしまう」「上司は定期的に部下の確認が必須。トラブルを防ぐのはもちろん、フィードバックを重ねることで改善も期待できます」などの声も。権限を与えるだけでなく、部下が失敗しないような“環境づくり”も大切ですね。

「OODAループ」も活用するべき!?

部下のスキルアップを見込める「エンパワーメント」ですが、最初のうちはどうしても意思決定までに時間がかかってしまうもの。そんな時は「OODA(ウーダ)ループ」を取り入れると良いそう。「OODA」とは「観察(Observe)、仮説構築(Orient)、意思決定(Decide)、実行(Act)」の頭文字を並べたもので、意思決定をするためのフレームワークです。

 

考え方の手順を見ていくと、まず“集めた情報”をもとに“実現可能な仮説”を立てましょう。仮説を立てた後は最も適切な案を選び、「実行」のステップへ。これを繰り返し実施することにより、意思決定までのスピードがアップします。

 

とは言っても、すぐに活用できるか不安を感じる人が多いかもしれません。ネット上には「『OODAループ』に失敗したら、失敗した理由を探るために『OODAループ』を使用。自分でミスに気づけるので、より質の高い仮説が立てられる」との助言も寄せられていました。

 

「エンパワーメント」を効果的に実施したい人は、ぜひ今回ピックアップしたコツやアドバイスを参考にしてみてはいかがでしょうか?

 

文/牧野聡子