“思い込み”は仕事のミスやトラブルの原因になることもしばしば。時には、ものごとを「本当に正しいのか?」と“批判的”に捉えることも必要です。批判が苦手な人は「クリティカルシンキング」を取り入れてみてはいかがでしょうか?

“疑う”のがポイント?

まず押さえておきたいのは「クリティカルシンキング(批判的思考)」の考え方。クリティカルシンキングとは“情報に対して疑問を持ち、考えを深めていく思考方法”を指します。問題の見過ごしや考えるべき課題などを見つけ出し、的確に欠点をクリアすることを目指していきます。

 

ただし、この批判的思考は“粗探し”ではないので、間違いを指摘するだけでは解決につながりません。改善点を見つけた後は、「問題解決の方法を見つける」「行動に移す」の2点をおこなうことが大切です。

 

ちなみに批判的思考を学んでいる人からは、以前の反省点として「同僚の意見を鵜吞みにした結果、ミスに発展。まず疑問を持つべきだった」「自分の考えに固執すると、欠点に気づきにくい」などの声が上がっています。

偏見はNG!

批判的思考の概要はわかりましたが、具体的に何を意識すればいいのでしょうか? アドバイスを見ていくと、「常に正しいゴールを見据えて、ものごとを考えるべき。目標から逸れた考えは除外しても大丈夫」「少しでも気になる部分があるなら正しいのか検証」などのコメントが。ものごとを表面的に捉えるのではなく、本質まで見極めようとすることが大切なのかもしれません。

 

ビジネスの場で実践的に使いこなすには、やはりトレーニングが必要。実践者からは、鍛えるべきポイントとして「まずは(自分の)考え方の癖を把握。偏見があると正しく判断できないので、主観を入れずに思考すると良いですよ」「批判的思考は『問う』ことが基本。仕事に関わらず『どこか間違っていないか?』と考える癖をつけてください」などのアドバイスが寄せられていました。「問う」「問題点を見つける」を繰り返して、“批判的思考”を鍛えるのが適切なようです。

論理的思考も活用するべき?

隠れた問題を見つけ出す「クリティカルシンキング」ですが、実は「ロジカルシンキング(論理的思考)」と組み合わせればより効果がアップするそう。ロジカルシンキングとは、ものごとを論理的に理解するという思考法です。

 

たとえば論理的にプランを組み立てても、正確性に欠けていた場合は実現できません。そんな時に役立つのが批判的思考。論理的思考(ロジカルに考えをまとめる)と批判的思考(本当に正しいか見極める)をミックスすることで、より実現性の高いプランを作成できます。

 

ネット上には「最初に『考えるべきテーマはこれでいいのか?』と批判的思考で考え、テーマが決まった後にロジカルシンキングで論理的に答えを出す」「最終確認で(批判的思考により)問題点をピックアップし、解消していけばより質の高い答えにたどりつける」といった意見が。

 

ビジネスシーンでは、常に問題解決を追求する行為が欠かせません。その際に特に大切な「クリティカルシンキング」と「ロジカルシンキング」はぜひ習得したいものですね。

 

文/内田裕子