2月から3月にかけては公立高校・私立高校ともに受験本番シーズン。

 

まだお子さんが保育園や小学校に通っている人も多いと思いますが、児童手当の特例給付が一部廃止されるなどのニュースもあり、高校受験時にはどのくらいのお金がかかるのか、気になっている人もいるのではないでしょうか?

 

そこで今回は、高校受験にかかわる費用は総額でいくらぐらいなのか、先輩ママたちの体験談も参考に調べてみました。

公立と私立で受検料は10倍以上違う!

まずは入学試験を受けるための費用ですが、2020年時点で公立高校が基本的に2200円なのに対し、私立高校は安いところで1万円前後、高いところでは3万円台と、10倍以上かかることも。

 

公立高校が第一志望でも、ほとんどのお子さんは併願(いわゆる滑り止め)校として私立高校を受験するため、受検料3万円の私立高校を3校受験すれば、その時点で10万円近く払うことになります。

 

なお、一部の公立高校では、私立高校の入試と同時期に行われる「特色選抜」と、3月に行われる「一般選抜」の2回チャレンジできるようになっており、その場合は各回2200円ずつ受検料が必要です。

受検料以外にも地味にお金がかかる…

入試の前には、各高校で「学校見学」「オープンキャンパス」「入試説明会」などが開かれます。

 

時期は夏休みから年末ごろまでがメインで、その間に少なくとも1回は受験予定校まで行くため、遠方の高校なら親子で数千円~数万円の交通費がかかることも。

 

また、俗に「赤本」と呼ばれる過去の入試問題集も1冊2000~3000円ほどするため、高校ごとに買いそろえると1万円を超える出費です。

 

さらに、願書に添付する顔写真も、証明写真ならそのつど数百円、写真館などで撮影してもらうと数千円かかります。

 

最近ではインターネット出願が増えており、スマホで撮影してアップロードするだけで良い場合もありますが、全部の高校でそうはいかないようです。

 

「私立高校はネットでも良かったんですが、中学校で一括出願するためプリントして提出するように言われました。しかも高校によってサイズが微妙に違うので、何度も証明写真をプリントするなら…と、結局写真館で撮影して、焼き増し可能なデータをもらいました。全部で2000円くらいかかったかな」(Kさん・高2と中1のママ)

そして最大の出費は、私立高「合格キープ」代

高校受験にかかるお金のなかでも、もっとも多くの親たちが「こんなに!?」と衝撃を受けたのは、公立高校の合格発表が終わるまで、合格した私立高校が入学手続を待ってくれるかわりに支払うお金の額でした。

 

「前納金」「一時金」「入学保留金」「延納金」など、学校や地域によって名称はさまざまですが、3万円程度から数十万円を合格後数日以内に振り込まないと合格取り消しになってしまいます。

 

もちろん、中には3月の公立入試発表までお金の納入なしで待ってくれる私立高校もありますが、数年前に息子さんが高校受験したFさん(大学生のママ)は、

 

「息子はなんとか第一志望の公立高校に合格して良かったのですが、もし残念な結果だった場合は、その日じゅうに私立の入学金を全額振り込まないと合格取り消しになるため、20万円の入った封筒をテーブルに用意して、発表を見に行った息子からの電話を待っていました」

 

と当時のハラハラした記憶を振り返ります。

塾代も含めれば100万超え!ママたちの決算報告

そして、直接の受験費用ではないものの、高校受験が近づくと多くの塾では「入試直前対策」「特訓コース」などが用意され、お子さんが通っていたという人も少なくありません。

 

Jさん(高1と中2のママ)は、

 

「長女の高校受験前には、お正月に遊んでいてはライバルに差を付けられると塾で言われてお正月特訓に申し込みました。2日間で5万円です…。お正月は家にいるとダラダラしがちなのでやって損はないかもしれませんが、次女の時は、志望校がよほど難しいところじゃなければ、無理に行かせなくてもいいかな」

 

と話します。

 

こういった特別講座も含め、公立中学校から上位校・難関校を目指す場合、1年間の塾代が数十万かかることも珍しくありません。

 

受験前後にかかるお金は少なくとも10万円ていど、多ければ20~30万円必要なため、塾代を合わせれば3年間で100万円超え…という覚悟をしておく必要があるかもしれません。

おわりに

お子さんが年子や双子の場合は、今回紹介した金額の2倍が一度に必要なため、ママ・パパの苦労はなおさらのことでしょう。

 

そして高校受験の3年後にやってくる大学受験では、より多くの大学や学部を受験することが多く、遠方まで宿泊で受験に出向く子も多いため「さらにたくさんのお金が飛んでいく…」と嘆くママも少なくありません。

 

お子さんが小さいうちに、いつ、どのくらいお金がかかるのかを知っておくと、計画的に備えがしやすいですね。

文/高谷みえこ
参照/神奈川県「平成29年度私立高等学校生徒募集要項」 https://phsk.or.jp/examination/pdf/h29_exam_h.pdf
英俊社「高校別入試対策シリーズ(赤本)」 https://www.eisyun.jp/products/books/search/H/1/