仕事は時に“形のないもの”を具現化する能力も必要。たとえば「やる気を持続させる方法」「失敗しないコツ」など、自己流のルーティンを作ることはありませんか? 抽象的なものごとを“概念化”する力は、ビジネスシーンにはとても大切なようです。
アイデアを概念化!?
今回注目する能力は「コンセプチュアルスキル(概念化能力)」。複雑な事象を概念化する力のことで、抽象的な考えを理解するために欠かせない能力と言われています。ほかには「正解のない問題を解決する力」や「戦略を立てたり企画を立案したりするスキル」といった捉え方をする人も。要するに、概念化能力は“問題解決のアイデアを生み出す力”と言い換えられるかもしれません。
概念化に必要なポイントとしては、“過去の経験から共通点を見つけ出し、その共通点から解決に導く”などがあげられるようです。「仕事がうまくいった経験があるなら成功した原因を追求するといいと思う。原因を細分化すれば、成功する法則が見つかるはず」「共通点をもとに解決案を考える。『~だからこうなる』と論理的に説明できるまで考えをまとめるのが大事」といった声も上がっています。
まずは3つのポイントを押さえるべき?
「コンセプチュアルスキル」は一見、習得が難しい能力のように思えます。とはいえ、難しく考えすぎなくてもいいかもしれません。ネット上では、「コンセプチュアル思考は、問題を発見する・分析する・答えを出す、の3つを押さえればOK」「判断材料が揃っていれば考えを構築できる。情報収集に力を入れるのがおすすめ」といったアドバイスも。「コンセプチュアルスキル」を1つの能力として捉えるのではなく、必要な力を1つずつ鍛えていくと良いようですね。
しかし時には、苦手な分野に直面する場合もあります。そんな時はチームで役割を分担すると、スムーズに「コンセプチュアルスキル」を発揮できるとのこと。「もし分析が得意でまとめるのが不得意な場合、まとめる作業は他のメンバーに頼む。得意なことだけ担当することで、チームが機能する」などのコメントが寄せられています。
トレーニングは「ハンモックモデル」が最適!?
問題解決に欠かせない能力「コンセプチュアルスキル」。今からこのスキルを伸ばすためには、何をおこなえばいいのでしょうか? 「ハンモックモデル」というトレーニング方法を取り入れると、簡単に「概念化能力」が鍛えられるといいます。
「ハンモックモデル」は、思考する際に“抽象化(引き抜く)、概念化(とらえる)、具体化(ひらく)”の3パートに分類する考え方。まず抽象化は、具体的な経験をもとに“なぜそうなったのか”について細分化してください。続いて細分化したものの“共通点”を見つけて、一つの概念に変換します。最後にその概念をブラッシュアップさせるのです。このステップを繰り返すことで、自然と「コンセプチュアル思考」が鍛えられるのだそう。流れに沿って考えればいいので、比較的真似しやすそうですね。
「何から始めればいいのかわからない…」という人は、ぜひ今回紹介したアドバイスやトレーニング方法を参考にしてみてはいかがでしょうか?
文/内田裕子