©2021「劇場版オトッペ パパ・ドント・クライ」製作委員会 ©NHK/オトッペ町役場

 

大人気子ども番組「オトッペ」の初映画化作品、『劇場版オトッペ パパ・ドント・クライ』が公開中。本作は、風のオトッペ・ウィンディが謎の赤ちゃんオトッペ・リルと出会い、オトッペタウンのみんなとワイワイ、ドタバタの大騒動を繰り広げるミュージカル映画です。CHANTO WEBでは、ウィンディ役の井口裕香さんにインタビュー!赤ちゃんを育てるウィンディの姿からいろいろなことを学んだそうです。

父性が芽生えたウィンディに生まれた感情

井口裕香
ウィンディ役の井口裕香さん

 

── 「オトッペ」がミュージカル映画になると聞いたとき、どう思いましたか?

 

井口さん:

すごく驚きました。5分のアニメが劇場版になることが想像できなかったし、ミュージカル映画でウィンディが主役でとビックリの要素がたくさん詰まっていて(笑)。こんな日が来るとは夢にも思っていなくて、徐々にワクワクとドキドキ、うれしさが込み上げてきました。

 

── ストーリーを読んだときの感想をお願いします。

 

井口さん:

ウィンディが主役と聞いたとき、ただただグータラした姿が大きなスクリーンに映るのかな、なんて思ったりもして……。それはそれで観たいですが(笑)、台本を読んだときの感想は「なんてあたたかい作品なんだろう」です。

 

映画のタイトルにある“パパ・ドント・クライ”と、“ずっと一緒にいるって、約束した”というポスターのコピーだけで「絶対泣ける!」と思いました。テレビシリーズの「オトッペ」らしさもありつつ、劇場版ならではの物語の展開、キャラクターたちの心の動きが丁寧に描かれているところにグッときました。

 

©2021「劇場版オトッペ パパ・ドント・クライ」製作委員会 ©NHK/オトッペ町役場

 

── ウィンディはどこか頼もしい感じがしました。

 

井口さん:

グータラして楽しいことをして毎日を過ごすだけのウィンディではありません。誰かのためにがんばるウィンディを見るのはすごく新鮮でしたし、うれしくなりました。

 

── 井口さんが思う「オトッペ」という作品の魅力とは?

 

井口さん:

個性豊かなキャラクターと、日常の音をテーマにしているところは最大の魅力です。一度聴いたら忘れられない、耳に残る主題歌も大好きですし、素敵な音楽に溢れた作品です。お子さんたちはかわいいキャラクターや音楽を楽しみ、大人はシュールなお話しにクスッと笑えます。それぞれの視点で楽しめるポイントがあるのは「オトッペ」の良いところだと思います。

 

©2021「劇場版オトッペ パパ・ドント・クライ」製作委員会 ©NHK/オトッペ町役場

 

── 今回はホロリとするシーンが多い印象です。

 

井口さん:

収録中も込み上げてくるものがあって、結構泣いていました。ウィンディがリルを思って歌うシーンがあるのですが、収録のときも泣きましたし、試写のときは号泣です。自分でも引いてしまうくらいダバダバ涙が出て、替えのマスクがなかったら、大変なことになっていました。いつもはどちらかというと甘える側のウィンディが、支える側になってリルのためにがんばる中で歌います。リルに出会わなければ歌えなかった歌だし、あの感情は生まれなかったと思います。父性が目覚めたウィンディを見た気がしました。

 

── 朝、目覚めたら隣に赤ちゃんがいるというシチュエーション、井口さんならどうなりそうですか?

 

井口さん:

まず、驚きで固まります(笑)。ウィンディと同じように、赤ちゃんの世話をするノウハウがまったくないので、あたふたすることは間違いないです。1人では絶対無理です。ウィンディのように、周りのサポートがあったとしても、あそこまでテキパキできるかな? とちょっと自信がないです。

 

── 赤ちゃんにどう接すればいいのか、とても丁寧に描かれていました。

 

井口さん:

ミルクの温度、飲ませるときの角度、すごく勉強になりました。擬似体験させてもらった気分です。夜泣きが大変、寝れないというのは、よく耳にしていたけれど、あんなに大変だとは。赤ちゃんのおもちゃが床に散らばったままだとどうなるのか、おむつを替えた直後にまた替えるとか、本当に世の子育て中のお母さん、お父さんは大変だ!と改めて感じるとともに、すごいなと感心しました。

 

── 寝れない大変さはすごく伝わってきましたよね。

 

井口さん:

寝れないのは精神的にも体力的にもきつそうだけど、やり込んでいたお気に入りのゲームが、クリア直前で消されてしまったり、お気に入りのフィギュアを壊されたら、精神的に参っちゃいそうです(笑)。ウィンディのように冷静になって切り替えられるかなと想像しちゃいました。

 

── ゲスト声優さんもとても豪華です。

 

井口さん:

リル役の稲垣来泉さんは“理想の我が子の声”という印象です。「ばぶぅ」だけで何種類出せるの? と思わず唸ってしまいました。守ってあげたくなる無邪気さ、守りたくなる笑顔にぴったりの声でした。完璧で、さすがだなぁと思いました。ラララッタ大臣役の斎藤工さんは、いつものダンディな声からは想像がつかない声でした。斎藤さんだと言われるまで、というか、言われても気づかなかったです。ひっくり返るくらいびっくりすると思います。

 

スイスイ・エリコ、スイスイ・ミホ役の阿佐ヶ谷姉妹の息のあったお芝居は、大人がクスっと笑えるポイントが出てきます。そして、ウタウーネ16世役の藤原紀香さんは、本当に神々しいです。歌も歌われていますが、綺麗なビブラートに注目です!

 

── 映画のおすすめポイントをお願いします。

 

井口さん:

本編はもちろん、エンドロールもおすすめです。エピローグのような感じで、キャラクターたちのいろいろな表情を見ることができるので、ぜひ、最後の最後まで歌と映像を存分に楽しんでください!