新型コロナウイルスの流行が続いています。室内で子どもをどう過ごさせるか、頭を悩ませますよね。
一年前は「こんな時だから」とスマホやタブレットを自由に使わせていた人も、そろそろきちんと制限しなければ…と思っているかも。かといって、以前のように出かけることもできず、自分達もテレワークで忙しいとなると、やはりスマホやタブレットの力を借りたいところだし…。
多くの親が抱える「子どもとデジタル機器との関わり方が難しい」という悩み。最近は視聴時間だけでなく、「課金」というトラブルも急増しています。
愛知県の消費生活相談窓口には、子どもがゲームに課金してしまったためにクレジットカードの請求額が200万円を超えた相談事例があったといいます。なぜこんなトラブルが起きてしまうのでしょうか。
子どもは課金の壁を簡単に突破する
国民生活センターのウェブサイトで、オンラインゲームの相談事例を見てみると、最近は子どもによる課金がほとんどを占めています。子どもがなぜ課金できたのか、その理由として以下のようなものが挙げられます。
- 親が以前使っていたスマホを貸していたら、クレジットカード情報が残っていた
- 親のスマホで遊んでいて、キャリア決済(スマホの通信料金と一緒に代金を支払うこと)で課金していた
- 親のクレジットカードを勝手に登録して課金していた
クレジットカードの請求は後日まとめてされることや、いちいち明細を確認していない人もいるため、親が気づいたときには多額になっているケースが多いのです。
小学生以下の子どもは金銭感覚がまだ育っていないことも多く、10万円をゲームに課金したといえば大人はびっくりしますが、子どもはその金額の大きさがピンと来ません。クレジットカードの仕組みもよくわからず、IDのように番号を打ち込むものとしか思っていないことも。
また、ゲーム内では有料アイテムと無料アイテムの区別もつきにくく、ゲーム内の通貨によりお金を掛けている感覚も持たないまま課金してしまうのです。
子どもの課金であっても取り消すことは難しい
子どもがゲームに課金してしまった場合、あくまでもケースバイケースなのですが、取り戻すことは難しいと言われています。未成年が親の同意なく行った契約は無効にすることができる法律もありますが、子どもが年齢を偽って決済している場合は契約を取り消せない可能性もあるからです。
もし子どもがゲーム課金してしまっていたら、消費者ホットライン(局番なし188)に電話しましょう。国民生活センター、もしくは消費者生活センターに相談することができます。
課金トラブルを招かないためには、事前に対策をしておくことも大切。
まず、クレジットカードをしっかり管理します。まさかうちの子が悪用するなんて、と考えてしまいますが、仕組みをわかっていないからこそ使ってしまうかもしれません。クレジットカードを子どもが使えない場所に保管し、明細を毎月確認しましょう。
子どもが使うスマホで決済できないように設定することも忘れずに。スマホの「設定」やアプリストアの設定で、購入時にはパスワードの入力を必須にしておきます。もちろん、子どもに推測されないようなパスワードにしてくださいね。
ログインボーナス、ランキング…やめられない理由
なぜ子どもがオンラインゲームをやめられないのか、その仕組みついて理解しておくことも大切です。
オンラインゲームには、毎日ログインするとボーナスがもらえる、ランキングで友人とレベル競争になるなど、夢中になる仕組みがあります。
そのことを理解した上で、子どもとオンラインゲームについて話し合います。「ここをタップするとお金を払うことになるんだ」と具体的に説明することも必要ですが、お金の大切さや、課金が積み重なると親でも支払えない金額になることなどを話します。実際に小銭を使って説明してもいいですね。
同時に、ゲームの時間についても、最大何分までにするか、約束の時間を超えてしまった場合はどうするかなどのルールを作っておいても。子どもから提案させて、紙に書かせておくと守りやすくなりますよ。
親も子どもも楽しい日々を送るために、ネットが欠かせない状況になっています。今こそデジタル機器との向き合い方を見直す時期。まずはゲーム課金トラブルの対策から始めてみてください。
文/鈴木朋子