社員のメンタルサポートや育成を目的とした「メンター制度」。実際にメンター(指導者)を配置する企業は少なくありませんが、どのようなメリットやデメリットがあるのか気になりますよね。そこで今回は、「メンター制度」について学んでいきましょう。
メンター制度のメリット
まずメンターは、メンティ(指導や助言を受ける人)の悩みなどを親身に聞き出すことから始めます。励ましたりリラックスさせたりすることもあれば、仕事に関するフィードバックや支援をおこなうことも。メンター制度で効果があった場合、メンティの成長促進や離職防止に繋がるそうです。
実際にメンター制度の経験者からは、「悩みを1人で抱え込まなくなるし、何でも相談できる相手がいるだけで“安心感”も得られる」「メンターをやったことで、部下や後輩のマネジメントをおこなうスキルが身についた」などのメリットが。メンティだけでなく、メンターにとっても良い影響をもたらしてくれるのかもしれません。
運用マニュアルは必要!?
メンター制度のメリットが見られましたが、反対に「直属の上司に言われたこととメンターから受けた指導がバラバラで、どっちに従うべきか混乱した」「普通の業務をこなしながらメンターの役割を担うのは大変すぎる…。正直こっちの身が持たない」といった意見も。また「メンターとの相性が悪く、その人を信頼していないから本音で話せません」という声も上がっているため、うまく機能しないと会社にとって“マイナスの制度”になる可能性があります。
“働きやすい環境作り”を目的とした制度で、悩みの種が増えてしまっては本末転倒ですよね。そこでメンター制度をより効果的におこなう方法を見ていくと、「制度に関する注意事項や運用方法を記載した“マニュアル”をあらかじめ作るべき。メンターがメンティに声掛けする頻度や、トラブルを避けるためのルールを決めた方がいいと思う」「メンターを複数人用意して、メンティは“話しやすい人を自由に選択できる形式”にしてみれば?」などの意見が寄せられていました。
“社員との面談”は効果的!?
社員の育成を促したりモチベーションを上げたりするために、世のビジネスパーソンたちはどのような対策が有効だと感じているのでしょうか? 株式会社アトラエは、昨年「従業員サーベイ(エンゲージメントツール)に関する意識調査」を実施しました。
まず300名の人に“エンゲージメント関連の悩み”をたずねると、最も多かったのは「マネージャー層・管理職の育成ができていない」の46%。他にも、「優秀な人材が辞めてしまう(36%)」「社員のモチベーションが低い(30.7%)」などの回答が高い割合を占めています。
そこで「悩みに対して有効だと思う対策」を質問したところ、「社員との面談・1on1ミーティング(52.4%)」「メンター制度の導入(30.2%)」といった回答がランクイン。悩みを解決するためには、社員1人1人とコミュニケーションを図ることが重要だと考えているようです。
メンター制度をうまく活用して、社員の抱える悩みや不安を取り除きたいですね。
文/牧野聡子
参照/株式会社アトラエ「従業員サーベイ(エンゲージメントツール)に関する意識調査」https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000021544.html