コロナ禍で混乱した2020年を終え、やっと年が明けた2021年。まだまだおうち時間は続きそうな状況です。

 

昨年以降、家で過ごす時間を心地よくするためにとますます整理・収納が見直されていますが、実はまだ挑戦できていないという方、頑張ってもリバウンドしてしまったという方もいるのではないでしょうか。

 

そこで今回は、非常に見直しが簡単ながら、実は暮らしやすさのカギを握っている「文房具収納」について、心得ておくとよいポイントをまとめます。

1.今、使うものとストックを混ぜない

文房具は今や100均やコンビニなどでも簡単に手に入り、いつでもどこでも買うことができるとても身近なもの。ふと目について「そうだ買っておこう」となんとなく買ってしまうことも多いのではないでしょうか?

 

ここで気をつけたいのが、今使っているものと、新しく買ったものを一緒くたにまとめてしまうこと。使いかけのボールペン、マジックやはさみ、のりが物理的に増えるだけでなく、どれが新しくてどれが古いのか、どれが使いやすくてどれが使いにくいものなのかが、わからなくなってしまうのです。

 

新しく買ったものはストックとして別保管し、古いものから使い切ることができれば、必要以上の片づけをしなくて済みますし、ストックの数を把握できていれば「まだあるから買わなくていい」という判断もすぐにできます。

 

【別保管の仕方】

①引き出しの場合は、取り出しにくい奥の方にストックを入れる。またはストック用の引き出しを作り、家族にわかりやすく表示する。

②ペン立てなどを使用する場合は、ストック分は引き出しにしまう。

③ノートやその他のストックと一緒に、ストック用の収納ケースを作る。

 

いつも使う文房具が一定数になれば、探す時間も減り使いやすくなります。

2.動作で分類してみる

ひと口に文房具といっても形はバラバラで、用途も様々です。これが引き出しや収納ケースに一緒くたに入っていると、使いたいものがなかなか見つけられなかったり、取り出す際に何かに引っかかったりして、ケースの中もぐちゃぐちゃになりやすいもの。そこで、動作別にざっくり分類することをおすすめします。

 

「書く」「切る」「貼る」などのおおよその動作別に分けると

  • 書く…鉛筆、ボールペン、マジック、蛍光ペン、シャーペンなどと付箋やメモ、修正ペン、消しゴム、ものさしなど
  • 切る…カッター、はさみ、ペーパーカッターなど
  • 貼る…のり、テープのり、クリップ、ホッチキス、マスキングテープ、画びょうなど

となります。

 

それぞれの量が多い場合は、引き出しやケースをそれぞれに使い、少ない場合は引き出しの中の仕切りケースで分類し、それぞれが混ざらないようにします。

 

この“3大分類”は子どもにもわかりやすく、片づける時に場所を覚えやすいので、家族が探す時間を減らしたい人、家族にも一緒に片づける習慣をつけたい家庭向きです。

3.1軍、2軍の配置分け

上記で“3大分類”をおこなった文房具はよく使う“1軍”に該当するので、一番取り出しやすいところに収納します。これらに当てはまらないものもおおよそ用途別に分類しますが、それぞれに収納場所を取るのはなかなか難しいもの。

なので、「書く、切る、貼る」に関連するものであれば、その近くに収納するようにしましょう。ただし、よく使う“1軍”のもののみ。あまり使わないものは一緒には収納せず、別の引き出しや収納ケースにしまいます。

 

よく使うものと、あまり使わないものを別に置く。たったそれだけで、ぐんと使い勝手が上がります。

4. 見栄えのいい収納と片付く収納の違い

小さな収納ケースや瓶、引き出しは、ずらりと並んでいる様子がとても可愛らしく見栄えのいい収納方法です。ただし、文房具をよく使う場合や、家族にも片づけを習慣化させたい場合、忙しい場合にはやや不向きです。

 

細かく分類されたケースや引き出し、瓶の数だけ、内容の把握やラベリングの確認が必要になるだけでなく、何度も引き出しや瓶、ケースのふたを何度も開閉することになるので、片づけのハードルを上げてしまいます。

簡単に出し入れでき、すぐ使えるようにしたいと考える人ほど、細々したケースや瓶などを使うことは止めて、ある程度の大きさがある引き出しやケースを使い、仕切りを使った収納に変更することをおすすめします。

5.ペンの先は右向き?左向き?

ただ何となく収納しがちな文房具。果たして使い勝手を考えたことはあるでしょうか?

 

たとえば、引き出しやケースに対して縦に収納する場合はペンの先は奥になりますが、横向きに収納する場合には、どちらが先になるでしょう?

もちろんこれに正解はありませんが、どちらに向けると取り出しやすくそのまま使えるかを試してみてもいいかもしれません。特にデスク周りの引き出しに収納する場合は、その高さによって取りやすい向きが変わってきます。

 

いろいろに向きを変えてより使いやすい収納を見つけるのも、使い勝手がアップすることへの近道です。

6.暮らしやすさに繋がる文房具収納まとめ

今回ご紹介した「文房具収納」のポイントは以下の通りです。



① 今使う一定量を保ち、ストックは別保管にする

②おおよその動作で分類し、「家族誰でも使いやすい」を目指す

③1軍、2軍の収納場所を意識し、使わないもので散らかることを防ぐ

④見栄え収納よりも簡単収納の方がすぐ使え、すぐ片づく

⑤文房具の向きで使い勝手を上げる

文房具は、家族の誰しもが日々使うために家の中で散らかりやすいものです。ですが同時に、書けなくなってしまったり、切れにくくなってしまうなど手放しのタイミングが明確なものも多く、見直しがしやすい収納でもあります。

 

2021年こそ、長い時間を過ごす家をすっきりさせたい。そのまず一歩として、「文房具収納」の見直しを始めてみてはいかがでしょうか?

 

文/瀧本真奈美