ここ数年、大地震や水害など自然の猛威を改めて思い知る機会が多くありました。以前に比べて防災意識は高まり、「備え」をしているというご家庭も多いと思います。
ですが、日々の忙しさやコロナ禍で意識が感染対策に向いていると、ついつい防災グッズの見直しがおろそかになりがちではないでしょうか?
そこで今回は、年末に向けて今すぐに見直したい防災グッズ収納と、ストック食材などについてまとめます。
①防災リュックは一度中身を全部出す
被災者や防災の専門家の意見などを取り入れて作られている、防災リュックセット。災害時に必要なものの詰め合わせなので、手に入れただけでつい安心しがちです。
でも、ただ持っているだけではいざという時に使えないものがあったり入っていると思っていた必需品が不足していたりということもあります。
必ず定期的に全てを出して並べ、
- 懐中電灯、ラジオなどは作動するか?
- 薬品系の使用期限は切れていないか?
- 防災食の興味期限は切れていないか?
- 家族で使って何日過ごせそうか?
- 今の季節に不足するものはないか?(寒さ、暑さ対策)
を確認。補充するべきものはしっかり補充する必要があります。
②見直しのタイミングは?
「こうでなければいけない」という絶対的な見直し期間はありませんが、できれば家族で一緒に考える日を作り、防災意識を高めるという意味でも、ある程度定期的に見直すのがおすすめです。
防災グッズの中には、季節に応じて重要度が変わるものもあります。その点から考えると、少なくとも季節が変わったタイミングに見直し日を設定するといいでしょう。
衣替えをするように、災害時に必要なものを見直す。春夏秋冬の4回あるいは、夏に向かう、冬に向かう時期の2回は最低でも見直し、家族で災害時のことについて話し合っておくといいと思います。
③防災グッズはどこに置く?
いくらばっちりの防災グッズセットだったとしても、いざという時に出すことができないのでは、これもまた意味がありません。たとえば、収納の奥に入れていたり、一緒に収納しているものをいくつも除けないと取り出せない収納はNG!さっと持ち出せることができるよう、収納場所も見直しをおすすめします。
収納場所によいとされている場所は
①玄関
②キッチン
③リビング
④寝室
⑤車の中や屋外の物置
です。いずれにしてもですが「いつも目にする」「すぐ持ち出せる」収納の位置を確保しましょう。
また、予期せぬ家屋の損壊が起こった場合にも対応できるように、1箇所集中ではなく分散させておいてもいいでしょう。ちなみにわが家は、玄関、寝室近く、車の中に分散収納しています。
④防災食でおすすめなのは…
重要度が非常に高い防災食。家族の人数×3日とも7日とも14日とも、様々な意見があります。起こりうる災害の規模や被災地域の範囲によって物資供給のスピードも変わることが考えられるので、何日分だから安心というわけではありません。日ごろからある程度、自分たちでまかなえるように考えておく必要もあるのではないでしょうか。
いつも食べている食品を防災用にと考えるのも1つですがその場合、要冷蔵や要冷凍のものは長く保管ができません。根菜類や米などの常温でも保管できるものを多く準備しておくといいでしょう。
また、賞味期限が長いうえ、そのまま食べられる缶詰や温めるだけですぐに食べられるレトルト食品もおすすめです。甘いものが不足するので、それらが補える保存食もあるといいでしょう。
⑤感染対策も忘れずに
新型コロナの感染が拡大する前に防災グッズを準備している場合は、十分な感染対策グッズが入っているとはいえないかもしれませんね。
まずは安全に避難して生活を続けることが大切ですが、避難した後に感染してしまわないこともとても重要なこと。現状では新型コロナ感染者がかなり増加傾向にあります。避難先でできるウイルス感染対策を今から考えておきましょう。
日常使いのマスク、アルコール、手洗い剤は避難期間にも使用できる予備を持っておくこと。万が一家族や自分が感染してしまった場合も考え、使い捨て手袋、使い捨て食器、ラップ、消毒薬、感染者の洗濯物やゴミを分けるゴミ袋、消毒に使える桶、体温計や酸素飽和度の測定器などもあると安心です。
一気に揃えることが難しければ、できることから始めていきましょう。
防災グッズの収納・見直しまとめ
今回取り上げた防災グッズの収納と見直しについてのポイントは以下のとおりです。
①防災リュックは定期的に全部出して中身を確認
②家族で防災を考える日を年に2〜4回設け、一緒に見直す
③いざという時にすぐ出せる分散収納がおすすめ
④保存しやすく、すぐ食べられる食品をストック
⑤防災+感染の両面から準備する
今や、いつどこでどんな災害が起こってもおかしくない状況ですから、明日はわが身と捉えることがとても大事です。家時間が増えている今こそ家族で防災について考え、見直したり検討したりする時間をつくって、減災できるように備えましょう。
文/瀧本真奈美