ピカールケアー

「ピカールケアー」というお掃除アイテムを、ご存じでしょうか。家事をしているときにふと気づくシンクの汚れ…。歯を磨いているときについ見てみぬふりをしてしまう蛇口の汚れ…。そんな汚れを「ピカピカ」にしてくれるアイテムです。

 

今回は「ピカールケアー」について、メーカーである日本磨料工業 株式会社のご担当に取材。シンク磨きはもちろん、どうやらそれ以外にも、いろいろな使い道がありそうですよ。

目次

ピカールケアーで家じゅうのものをピカピカに!

長い歴史を持つピカールケアー

ピカールケアー

その昔から「金属磨き」の定番アイテムとして親しまれているピカールケアー。メーカーの日本磨料工業 株式会社の創業は、大正5年。長年の実績があります。

 

今回ご紹介するピカールケアーの人気のチューブタイプは、昭和53年生まれ。もとは自衛隊の機体の部品などを磨くための用途でつくられたものだそうですが、改良が重ねられ、いまの形に。チューブ状で液垂れの心配がなく、金属磨きが初めての方でも使いやすくなっています。

主成分は細かい研磨剤

ピカールケアーの成分表

ピカールケアーは、金属磨き剤。主な成分は研磨剤で、表面を削り落とすことでピカピカにします。キズがつかないの?と少々心配になりますが、粒子がとても細かいので、見た目には分からない程度の傷しかつきません。見た目にわかるキズがつかずに、磨くだけで鏡のような映り込みがあるほどに金属面がピカピカになります。

 

また、成分として灯油が入っているため、ニオイがキツめなのも特徴です。

使用NGの素材は?

金属磨き剤ですが、研磨剤が入っているため、塗装されたものやコーティングされたものに塗りこむとはがれてしまう可能性があります。パッと見ではわからない素材も、メッキ素材のようなものがコーティングされている場合があります。材質がわからないものに対して使う場合は、目立たないところで必ず試してください。ちなみに、木製のものには使用できません。

 

保管の際は、小さな子どもの手の届かないところに置きましょう。

ピカールケアー基本の使い方

用意するもの

ピカールケアーの使い方

使用の際に必要なのは、素材磨き用と拭き上げ用の2つの布(タオルが望ましい)とゴム手袋。成分に灯油が含まれているため、必ずゴム手袋をつけて作業をしましょう。

 

また、灯油のニオイが気になるという人は、マスクを装着してもいいでしょう。室内で使用する場合は、よく換気をしてください。

【手順1】柔らかい布に適量をつける

まず、乾いたタオルに歯磨き粉のようにチューブを適量とり出します。シンクのような大きな範囲を磨くときも、少しずつ出しては磨く、を繰り返します。また、磨き始める前には、ゴミやホコリを取り除いておきましょう。

【手順2】キレイにしたいところを磨く

ピカールケアーをつけたタオルで直接磨いていきます。キレイにしたいからといってついゴシゴシと磨いてしまいがちですが、力を入れすぎるとキズやムラの原因となってしまうので注意。なじませるだけでも汚れを落とす効果があります。

【手順3】拭き上げ用の乾いた布でピカールを拭き取る

汚れを取り去ることができたら、もう一つの乾いたタオルで乾拭きをします。磨いたあとは、ピカピカに!作業はたったこれだけです。

 

タオルにはこんなに汚れが!力を入れて擦ったりしなくても、簡単に金属汚れが落ちました。

 

使い方をマスターしたら、実際に家のなかのいろいろなものを磨いてみましょう。

キッチン周りの汚れに大活躍!

シンクの汚れを落とす

家のなかでピカールケアーが一番活躍する場所は、キッチン周りです。なかでも効果を感じやすいのは、やはりシンクでしょう。こちらが拭く前の状態。どうしても水アカや油汚れがたまりやすい場所なだけに、掃除をしてもすぐ汚れてしまう…と悩んでいるママも多いのではないでしょうか。毎晩パッと洗剤で拭いているという人も多いかと思いますが、長く蓄積された汚れはなかなか洗剤では落としきれないもの。そんなときこそ、ピカールケアーの出番です!

 

こちらが実際に、ピカールケアーで磨いた後の状態です。ほら、こんなにピッカピカ!とくに力を入れずとも、まるで新品のような輝きを取り戻しました。

 

ただし、シンクによって素材は異なります。自宅で使う際は、目立たない場所で試してから磨くようといいでしょう。

ステンレス製のキッチンツールに

ピカールケアーは、ステンレス鍋の汚れを落とすのにも使うことができます。ただし、食べ物を扱うものに使う場合は、最後に中性洗剤で十分にすすぎ洗いをするのを忘れずに。ステンレスだけでなく、酸化して変色しやすい銅製の鍋もピカピカにしてくれます。

換気扇の頑固な油汚れにも

しばらく手をつけられていない…という、換気扇の掃除も。油汚れを取り去った後に仕上げにピカールケアーで磨きましょう。

包丁や食器、タンブラーまでピカピカに!

料理道具からストレンス製の食器やカトラリー、愛用の水筒まで曇りなくピカピカに磨き上げられます。ただし、口に触れるものは必ず磨き終わったら中性洗剤で十分にすすぎ洗いしてください。

キッチン周りだけじゃない!ピカールケアーの使い方

真鍮のアクセサリーも買いたてのように!

ピカールケアーは、アクセサリーを磨くのにも使うことができます。ゴールドやシルバーはもちろん、おすすめなのが、酸化により色がくすんできやすい真鍮素材です。使いこんだ味わいを楽しむのもいいですが、アイテムによっては手垢や黒ずみが気になることも…。そんなときにケアをすると、その効果をかなり実感できます!

 

右がピカールケアーで磨いたもの、左が磨いていないもの。光沢感がここまで違うとは、驚きです。パッと使いやすいアクセサリー用のクロス「ピカールクロス」も便利に使うことができます。

汚れがたまりやすい腕時計のベルトもキレイに!

普段なかなか磨くことのない時計のベルトもピカピカに。キレイなベルトだと、腕時計をしている印象が清潔感のあるものに。いろいろ磨くときに、ついでに磨いてみては?

毎日乗っている自転車もピカピカに!

ピカールケアーは金属のくすみや汚れを落とすだけでなく、軽度のサビを取りのぞくこともできます。自転車やバイク、車の金属部分にも使うことができるので、普段乗っている自転車がホコリがかぶってきたな…というときに使ってみましょう。同時にカギもピカピカにできます。

仏具もピカピカに!

普段は気にしなくても、よく見るとくすんでいる仏具も一緒に磨いてしまいましょう。

 

そのほかにもゴルフクラブや楽器…など、いろいろなものをピカピカにしてくれるピカールケアー。家のなかでピカピカにしたい金属を見つけたら、試してみるとよいでしょう。

ピカール(金属磨き)のラインナップ

ピカールの商品ラインナップ

ピカール(金属磨き)には、今回ご紹介した「ピカールケアー」のほかに、「ピカール液」「ピカールネオ」「ピカールクロス」など、さまざまなラインナップがあります。

 

ピカール液は、ピカールケアーと用途は同じですが、液状になっているものです。青色のピカールネオは灯油の気になるニオイがおさえられたものです。最近発売されたピカールクロスは、使い切りのもの。クロスには研磨剤とつや出しワックスが配合されているので、そのまま使うことができます。

 

取り扱いは、コーナン、カインズホーム、島忠など全国のホームセンターや、東急ハンズが中心です。通販ではアマゾンや楽天などでの取り扱いがあり、アマゾンの金属磨きのカテゴリーでランキング1位になったこともあるそうです。

 

一家に一つあると便利そうな、ピカールケアー。意外に知らなかった…という人も多いのではないでしょうか。昔から変わらないレトロなパッケージデザインは、置いておいてもサマになりそう。金属磨きというと面倒なイメージがあったりしますが、ピカールケアーなら日々の家事のついでにサッと使うことができますよ。

 

日本磨料工業株式会社

長年蓄積した研磨剤を用いた化学製品のノウハウを活かし、それを核とした各種製品を自社にて研究・開発。国内での自社工場による生産を基本とし、Made in Japanに徹底した商品をラインナップする。

取材・文/松崎愛香 撮影/田尻陽子 取材協力/日本磨料工業株式会社