はじめての出産を前にすると、分からないことだらけで不安になりますよね。
特に自然分娩(経膣分娩)では「会陰切開」「吸引」など未体験のワードが飛び交います。
そのうちの1つとして、ひそかに気になっている人も多いのが「便(ウンチ)が出てしまうかも…」という件ではないでしょうか。
友人や身内でもなかなか直接聞きづらい、出産時のウンチ事情。
今回は20人の先輩ママにアンケートを実施して教えてもらいました。
出産時のウンチ…みんなは実際どうだったのか
今回は、帝王切開ではなかったママ20人に「出産時にウンチは出ましたか?」と聞いてみたところ、結果は以下のようになりました。
- 出た…4人
- 出なかった…9人
- 分からない…7人
結果を見ると、意外と「出た」という人は少ないと感じたのではないでしょうか。
もっとも、
「必死ではっきり覚えていないんですが、自分では出た感覚もないし、ニオイもしなかったと思うので、たぶん出なくてすんだのでは」(Iさん・31歳・3歳児のママ)
など、3人に1人のママは「分からない」「覚えていない」と答えています。
出なかったという人は、
「地元で昔からやっている産婦人科だったからか、出産前には2回とも浣腸されました。おかげで?というのか、便は出ていないですね。立ち会いした夫にも確認したので間違いないです(笑)」(Sさん・35歳・4歳児と1歳児のママ)
とのこと。
浣腸について他のママたちにも聞いてみたところ、最近はしない産院の方が多数派のようです。
しかし、微弱陣痛などで分娩までに長時間かかる場合は別ですが、タイミングよく腸がからっぽになればお産に集中できる効果はあるかもしれません。
いっぽう、自分でも「出た」という感覚や記憶のある人もいます。
とはいえ、
「助産師さんに、ウンチが出そうです!といったら、気にせず出していいからねと言われたので。でも上手にさっと始末して下さって、あとは何ごともなかったかのようにお産が続きました」(Yさん・37歳・7歳児と4歳児のママ)
と、産院のスタッフさんのフォローもあって特に困ることはなかったそうです。
「何度か助産師さんが肛門をうまく押さえてくれていた気がするので、出てしまうところまではいかなかったです」(Fさん・30歳・0歳児のママ)
という人も。
ただ「肛門を押さえてくれた」と話す人は多いですが、実際はウンチの対策というより、いきみによる脱腸を予防したり、産婦さんがいきみをガマンするのをサポートするのが目的のようです。
立ち会い出産を迷う人も
医師やプロの助産師・看護師さんはよくても、立ち会い出産の夫にウンチを見られるのはやはり抵抗がある…という人も。
「夫は、私が立ち会いしてほしいならするし、イヤならしないと言ってくれていたのですが、なんとなくウンチのことが気になってけっこう迷いました」
と話すEさん(32歳・2歳児のママ)。
「産院に立ち会い出産を申し込む期限ギリギリになっても決められず、思い切って看護師さんに相談したところ、だったらパパにはずっと頭側にいてもらうこともできますよ、そういうご夫婦もいらっしゃいますと提案してもらい、立ち会いを決めました」
「実際は立ち会い出産がとても感動的だったので、もしウンチが少々出たところで誰も気にしなかったなと…今では自分の心配ぶりに笑っています」
とのことでした。
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そもそも出産時の便は、体の構造上あたりまえ?
実は、出産時に便が出るのは「痛みのあまりもらしてしまった」というのではなく、身体の構造上、出て当然だと言われています。
赤ちゃんが通る産道と、ウンチのある直腸はぴったり同じ向きに隣り合っていて、出産時には赤ちゃんが周囲を圧迫しながら出てくるため、チューブをしぼり出すかのようにウンチも押し出されてしまいます。
ただ、出産前にたまたまお通じがあってウンチの量が少なかったり、その時の体勢などにより、必ずしも出るとは限らないということです。
また便の出口である肛門付近も、お産の最中は圧迫されていて広がりづらいため、日常的に出るような長い便が出ることはなく、出るとしても少量ずつだそう。
はじめてのお産は未知の世界で何かと心配になりますが、基本的には「誰にでもあること」と考えて、あまり気にせずお産に集中するのが正解といえそうです。
文/高谷みえこ