もっとも大切なのは困ったときに頼れる相手でいること
—— 親は、子どもの性の芽生えをどのように見守ればよいでしょうか。
遠見さん:
プライベートパーツの話をきっかけに、性に関する話題を少しずつ伝えたり、話し合ったりできるようになるといいですね。ただ、失敗させないための教育にとらわれすぎないで。生きていれば、失敗は誰にでもある。性に限らず、傷ついたり、つまずいたりせずに人生を送れる人はいません。
だからこそ、最も重要なのは、子どもが困ったときに親に相談できる関係性を築いておくこと。「おはよう」「おかえり」といったあいさつから、「今日何があった?」「どんな気持ちになった?」といったオープンクエスチョンで日頃からコミュニケーションを。その際は、否定したりジャッジしたりしないで話を聞き、一緒に考えることを心がけてください。
中高生からよく聞くのは、親に性に関する話をして、「何やってるんだ!」「あなたも悪い!」と叱られたり、責められたりして、ショックを受けた、不信感を募らせたという話。なかには「一生親には相談しないと心に決めました」という子もいる。保護者の方々には、子どもから性の話や相談をされたときに、寄り添ってあげられる相手でいてほしいなと思います。
PROFILE 遠見才希子(えんみ・さきこ)さん
取材・文/有馬ゆえ