小学生につきものの「忘れ物」。
絵の具・書道セット・鍵盤ハーモニカなど授業に欠かせない持ち物は、忘れてくる子があまりにも多いと授業内容を変更する事態にまでなってしまうため、忘れないようにしたいもの。
それでもやっぱり何かを忘れてしまった時、学校が始まっているのに家に取りに帰るのはどうなのでしょうか?
小学生のお子さんがいるママ・パパたちに、お子さんの学校ではどうなっているのか話を聞いてみました。
ほとんどの小学校で、取りに帰るのは禁止
今回は、小学校1年生から6年生のお子さんがいる各地のママ・パパ20人に、「お子さんの小学校では、忘れ物を取りに帰るのは許可されていますか?」と聞いてみました。
すると、答えは以下のような結果に。
- 許可されている…0人
- 禁止されている…13人
- 場合による…4人
- 知らない/わからない…3人
と、今回聞いた中では、学校が始まってから忘れ物を取りに帰るのが許可されている学校は1校もありませんでした。
理由はやはり安全のため。
交通事故・不審者による事件に巻き込まれても気付かれにくいことや、誰もいない自宅に帰ってあわてて鍵をかけずに出て行ってしまうなど、リスクが高いため、基本的にはどの学校も、子どもに取りに行かせることはしていないようです。
はっきりと禁止されているわけではないものの、「子どもが体操服を忘れて、担任の先生に取りに帰っていいか聞いたら、隣のクラスの友だちに借りられない?と言われたそう」(Kさん・38歳・3年生のママ)など、取りに帰る以外の方法を指示されたという体験談も。
場合によると答えたママによれば、こんなケースは黙認されることもあるようです。
「小学校と隣接した団地の子たちは1分もあれば学校に着くんですよね。遠方の登校班は始業ギリギリの時間になるのですが、近所の子が早く学校に着いて、何か忘れ物に気付いたら、朝の会に間に合うよう、さっと取りに帰ることはあるようです」(Mさん・39歳・6年生のママ)
ママ世代では取りに帰った人も
しかし、昭和や平成の小学校では、昼休みに急いで取りに帰ったという人も多かったようです。
「当時、けっこう厳しい先生で、忘れ物3回目は廊下に正座させられるので、走って取りに帰ってました」(Hさん・42歳・5年生と3年生のママ)
「3時間目に必要なプリントを家に忘れたことに気づき、2時間目が終わったあとに勝手に取りに帰ったけど、子どもだったから時間が読めなくて…戻ってきたら授業が終わりかけで。すごく怒られました」(Gさん・40歳・1年生のパパ)
「私の小学校の先生は、ふつうに取りに行ってきなさいって言ってましたね。リコーダーがないと音楽の授業が受けられないのはたしかだけど、取りに行ってるあいだに算数の授業が受けられないんだから同じことだと思うんだけど…」(Yさん・37歳・4年生と1年生のママ)
「当時は母親が家にいる子が多かったので、給食エプロンのように、ないと他の子が困るものは、職員室から電話して届けてもらうこともありました。電話代として10円も持ってきてもらって。母にはよく怒られましたね」(Iさん・45歳・6年生のパパ)
「小学校って、義務教育といいつつ、家庭で用意させるモノがめちゃくちゃ多くないですか?子どものころ、なんでこんなに持ち物が毎日多いんだろうと思ってました。もう少し学校で揃えてもよさそうな気がしますよね。」(Dさん・35歳・2年生のママ)
じゃあ、忘れ物をしてしまったら…どう対処すべき?
忘れ物はしないに越したことはないですが、その子の性格などもあって、なかなかゼロにするのは大変ですよね。
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ではもし忘れ物をしてしまったら、最近の小学校ではどのように対応しているのでしょうか。
ママたちに聞いてみました。
「友だちに借りるのはたぶん禁止されていないので、他のクラスの子に借りたりしているようです。でも、うちの子はそんなに交友関係広くないので、たまたま仲良しの子がみんな同じクラスだったら難しいでしょうね。」(Cさん・38歳・5年生のママ)
「去年までは貸し借りOKだったのですが、今年に入り、感染症予防のため禁止になりました」(Uさん・36歳・3年生のママ)
「うちの子の学校では、以前トラブルになったとかで他のクラスの子に借りるのも禁止なんです。忘れたら見学とか自習で、もちろんそれが通知表にも影響するので、中学受験を考えているおうちの親御さんは必死でしたよ、毎朝チェックしたり届けに行ったり」(Yさん・34歳・4年生のママ)
おわりに
海外では、持ち物を忘れてきたのではなく貧困やネグレクト(育児放棄)で買ってもらえない子がクラスに複数いる学校・地域もあります。
そんな理由もあって、子どもが忘れ物をしても、先生はその場で強く叱ったりしないそう。
しかし、日本では忘れ物が続くと普通は注意されたり叱られますよね。
また今回のアンケートからも分かるように、大半の学校で「忘れたら取りに帰ればいい」というわけにいかなくなっています。
忙しい毎日のなか大変ですが、できるだけ子どもが困らないよう、時間割を側で見てあげたり、最後のチェックだけでもしてあげられるといいですね。
文/高谷みえこ