最近は外出の機会がぐんと減り、家で食事をする機会が増えています。自分で料理を作る回数が増えている人も多いでしょう。
日々のメニューに頭を悩ませながら、これもあったら便利かなとつい買いすぎてしまい、冷蔵庫がパンパン…。部屋の比でないほどスペースが小さいのに入れるべきものが多く、ゴチャゴチャで使いづらい冷蔵庫を前に、日々頭を抱えている人はいませんか?
そんな冷蔵庫が引き起こすのは、出し入れしづらいといった単純な問題だけではありません。何が入っているか把握できずメニューが決められない、賞味期限が切れていることに気づけず処分する食材が多い…など、時間やお金のムダにつながる悩みもいっぱい!そこで今回は、家事の時短にも節約にもつながる「冷蔵庫収納」について詳しくご紹介します。
1.冷蔵庫も“エリア分け”が鉄則
まず、どの場所の収納にも言えることですが、「ものの住所(定位置)」を決めると確実に探しやすく、使いやすくなります。ジャンルごとにエリアを分けることで、ものを探すのも戻すのも1箇所だけ見れば済み、複雑なルールが必要なくなるからです。
さらに、一番取りやすい部分によく使うものを置くこと。これもどの収納場所にも共通の鉄則で、冷蔵庫も同じように考えると使いやすい収納がかないます。女性ならおおよそ中段あたりが一番目につきやすく、取り出しやすいのではないでしょうか?
たとえば冷蔵室について、使いやすいエリア分けは以下の通りです。
- 上段…予備の食品、長い期間食べられる瓶詰めの食品や背の高いビール缶などを
- 中段…日々使う、どんどん消費していく食材を
- 下段…お米、ペットボトルの飲料などを。ある程度余白(空きスペース)を作るのがおすすめ
下段の空いたスペースは、余った料理を翌日までキープしておくのに最適です。カレーなら鍋ごと入りますし、ケーキなどを急にいただいても慌てずに入れられます。
両開きの扉の場合は、左右のエリア分けもいいでしょう。右利きの場合は、右側スペースによく使う食材や調味料、左側には長期保存できてあまり使わないものを収納します。左利きの場合はすべて反対に。それだけのこと?と思うかもしれませんが、こうするだけで探すスペースがずいぶん限定されるので、収納物が把握しやすく、出し入れもラクになります。
2.「ここに入れるべき」という思い込みは捨てる
どこの家庭でも常備していることが多いジュースやお茶などのペットボトル。冷蔵室にしまうとなると、すごく場所をとりますよね。特に夏場や家族が多い家庭では、冷蔵室内をひっ迫してしまいそれ以外の食材が入らない…という事態にも陥りがちです。
そんなときは、「ペットボトルは冷蔵室」という思い込みを捨ててみましょう。未開封であれば常温保存も可能なので、場合によっては買ってすぐ冷蔵庫に入れる必要はないかもしれません。開封後の場合も、さほど温度が変わらない野菜室に収納するという手があります。
いずれにしても、開封後は糖度が高い飲み物ほど雑菌繁殖が早いので、2~3日を目安に飲み切るのが一番(ボトルに口をつけている場合はその日に飲み切るがベストです)。ペットボトルが長々と冷蔵室を占拠すること自体を見直すといいと思います。
3.“入れっぱなし”はNG!物は常に移動させる
冷蔵庫収納の最大のNG行動として注意すべきは、「空いているところにとりあえず入れる」という行動です。
買い物をするたびに空いている場所に物を押し込んでしまうと、奥に賞味期限が迫る食材がどんどん溜まっていくばかり。そのうち奥が見えなくなり、何が入っているか把握できなくなります。その結果、賞味期限切れの食材が続出し、ムダにしてしまう…という負のループに陥るのです。
大切なのは「中のものを日々動かす」ということ。帰宅後すぐに行うのは大変だと思うので、夕食後のひと息ついた時間に実践することをおすすめします。夕食で使った食材のスペースが空いたはずですから、残ったものを動かしながら何があるかを把握し、明日作るメニューを決めて材料をひとまとめにしておきましょう。この時、賞味期限が短いものから優先して使えるよう、古いものを前、新しいものを後ろに動かすのがポイントです。
「エリアを分ける」ことと「中のものを日々動かす」ことを習慣にすれば、賞味期限が迫っている食材も把握でき、節約にもつながりますよ。
4.隠しすぎはNG、適度に生活感を
一時期は、シンプルなケースやボトルを駆使した生活感のない冷蔵庫収納が非常に人気でした。でも、一度ケースに入れてしまうと、何がどこにあるかをすぐに把握することが難しくなります。
ラベルに中身を書いてケースに貼るのもいいのですが、クリアケースでない限り、ひと目で全体量を把握するのは不可能です。さらに、収納物の内容が変わるたびにラベルを書き換えなければいけなかったり、あぶれる食材が発生して上手くまとまらなかったり…と、ケース自体があまり意味をなさない場合も。
扉を開けたときに、何がどれくらいあるか瞬時に見渡せる収納にするほうが、調理にすぐに取り掛かれますし、買い物のリスト化にも時間がかかりません。家事時間の短縮が叶うことで、家事ストレスの解消につながるでしょう。
見た目の美しさを保ちたいがために、「ストレスが多い」「食材が把握できない」「食材を無駄にする」などの状況を招いているようでは意味がありません。
また、自分さえわかっていればよい、というのも考えものです。家族の誰が見ても、何がどこにあるかわかる冷蔵庫にしておくことで家族も使いやすくなります。
5.献立を決めないご飯づくりも取り入れる
食事作りの際は一般的に、献立を考える→買い物→調理、という方が多いと思います。でも、スケジュールの都合や体調、突然の頂きものなど、急な変更で献立がイレギュラーになり、予定通り食材が使えない…という場合も出てきます。
余りものだけでは不安になり、つい買い物に行きたくなるものですが、たまには冷蔵庫にあるものだけで工夫して料理をする日があってもいいのではないでしょうか。パソコンやスマホで余っている食材で検索すれば、自分では思いつかないレシピに出会えることもあります。食材を無駄なく使い切れるだけでなく、冷蔵庫を空っぽにリセットできて、次の買い物以降のやりくりがラクになるはずです。
6.無駄を省き使いやすさ抜群の冷蔵庫収納まとめ
今回ご紹介した冷蔵庫収納のポイントは、以下の通りです。
①使用目的ごとにエリア分けを
②固定概念を手放して空きスペースを有効活用
③中のものを毎日移動させ、常に中身を把握
➃見た目に固執せず、ひと目で見渡せる収納に
⑤残り物でメニュー考案デーをつくろう
買い物の頻度が高いので、油断するとすぐにゴチャつき、物があふれてしまう冷蔵庫。毎日のように、賞味期限切れで食品を処分している人もいるかもしれませんね。
いま日本では、食品ロスが大きな問題になっています。小さなロスもまとまれば大きなロスになってしまう——そのことに危機感をもつ必要もあると思います。
せっかく買った食材を無駄にせず、家事をストレスなく楽しくできるように。ぜひ冷蔵庫収納を見直してみてください。
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文/瀧本真奈美