新しい生活様式が始まった今、私たちの生活にインターネットは欠かせないものになりました。ネットショッピングやオンラインバンキングで外出を減らしたり、友人との交流はメールやメッセージサービスを利用したり…。スマホで手軽にできるので、とても助かりますよね。
ところが、この状況を悪用しようとする動きがあるのです。それは、メールやSMS(ショートメッセージングサービス)を使った「フィッシング詐欺」です。フィッシング対策協議会によると、2020年3月以降、フィッシング詐欺が急増しているとのこと。2020年9月にフィッシング対策協議会に報告を受けたフィッシング詐欺の件数は、過去最多となり28,575件にのぼりました。
有名ショッピングサイトを語る詐欺が急増中!
フィッシング詐欺とは、偽のメールアドレスからメールを送り、用意したウェブサイトにメールアドレスや電話番号、クレジットカード番号などの個人情報を入力させ、情報を盗み出す行為を指します。
いま特に多いフィッシング詐欺は、Amazon、楽天、三井住友カード、LINEを語るメールで、報告数全体の約93.2%を占めています。
「そういえば私にも来ていたかも」と思った人もいるのでは。ちなみに、筆者の私も何度か受け取っています。特にAmazonはよく利用しているので毎回ドッキリしてしまうのですが、ある方法で難を逃れています。それは後ほど説明しますね。
実際にはどんな手口でフィッシング詐欺が行われるのでしょうか。Amazonや楽天を名乗るフィッシング詐欺の場合は、「アカウントに不正アクセスがありました。情報を確認してください」などの文章とともに、ログイン先のリンクが表示されています。
リンクをタップ、またはクリックすると、専用のサイトがあり、メールアドレス、住所、生年月日、電話番号、クレジットカード情報、身分証明書のコピーのアップロードなどを求められます。通販サイトだから必要なのかな……と入力してしまいますが、このサイトは本物そっくりの偽サイトなのです。つまり、誰かわからないサイト運営者に個人情報を丸ごと渡してしまうことになるのです。
金融機関についても同様です。メールのリンク先にはインターネットバンキングに似せたサイトが用意されています。インターネットバンキングのIDやパスワードなどを渡してしまうと、他の口座に勝手に出金されてしまいます。
LINEのフィッシング詐欺は、メールではなく、LINEのメッセージに来ます。第三者に乗っ取られた「友だち」のアカウントから、「最近はたくさんのLINEがハッカーに盗まれました」など、怪しい日本語の文章とともにリンクが送られてきます。リンク先に行くと、メールアドレスとパスワード、認証コードを盗み取られ、LINEのアカウントを乗っ取られてしまいます。
また、宅配便の不在通知を装うSMS(ショートメッセージ)もあります。「お荷物のお届けにあがりましたが不在のため持ち帰りました」というSMSのURLをタップすると、不正なアプリのインストールを促す内容が表示されます。